スウェーデンのクラブシーンが面白いことになっています。以前紹介した教会でのテクノ・ミサも驚きでしたが、ビジネス街の昼休みに行われるクラブイベントが話題を呼び、アメリカや他のEU諸国にも広がり始めています。
Lunch Beat - Dancing during a Lunch Break Oddity Central - Collecting Oddities
「ランチ・ビート」は平日の昼休み、12時から13時までの1時間だけ行われるクラブイベント。2010年6月にストックホルムの地下駐車場で第一回目が行われ、その時の参加者は14人だけでしたが、その後面白いと評判になり、今では毎月行われて何百人もが参加するイベントになりました。この現象はストックホルムからスウェーデンの他の街や、フィンランドのヘルシンキを始め、EU諸国にもじわじわと広がっています。
この回のランチ・ビートはオープンエアの会場。いい表情で踊ってます。
ランチ・ビートの入場料は100クローネ（1200円程度）。基本的な雰囲気は通常のクラブイベントと同じですが、午後にも仕事があることからお酒を出していないのが大きな違い。また、昼食用にサンドイッチなどのベジタリアンフードも配られるので、踊った後に腹ぺこで職場に戻る心配もありません。そしてランチ・ビートの最大のルールは「踊れ！」ということ。1時間はかなり短いため、踊らないのだとしたらこの場所に来る意味もないとオーガナイザーのダニエル・オデルスタッド氏は言います。
会場は事務員もビジネスマンも若者も中年も一緒になって汗だくになるのも気にせずに踊りまくるという、ちょっと他では見ることのできない光景が繰り広げられています。
記念すべき第1回目のランチ・ビートの映像。まだ人もまばらです。
Lunch Beat Stockholm #1 - YouTube
ビルの屋上スペースで行われた2011年5月のランチ・ビート。空の下で気持ちよさそうに踊っています。
Lunch Beat, Stockholm, May 24, 2011 - YouTube
2012年2月になるとこの規模。いったい何百人集まっているのでしょうか。
Lunch Beat 21.2.2012 Stockholm Avicii Levels - YouTube
スウェーデンのイェテボリでのランチ・ビート。ストックホルムとはまた少し雰囲気が違いますが楽しそう。
Lunch Beat Goteborg - la Dance DJ E-1000 instead of eating DANCING! - YouTube
こちらは2012年3月29日にオーストリアのウィーンで行われたランチ・ビートの模様。
Lunch Beat Vienna Vol.1 am 29. Marz 2012 - YouTube
こちらはなんとインド。ケーララ州の州都ティルヴァナンタプラムからほど近いNeyyar Damと呼ばれる場所で行われました。顔に色粉が付いているのはインド最大の祭、ホーリーに合わせて行われているため。これがランチ・ビートの定義に当てはまるのかは少々謎ですが、インドなのでノープロブレムでしょう。
Lunch Beat Neyyar Dam The Holy Holi Session - YouTube
なお、外国人が多いのは、この場所に世界的に有名なシバナンダヨガのアシュラムが存在しているので、そこに滞在している人々と推測されます。
現在スウェーデン以外でランチ・ビートを行なっている、もしくはこれからスタートが計画されている都市は以下のとおり。
アメリカ合衆国：ロサンゼルス、バーモント
ドイツ：ベルリン、ハンブルグ、ミュンヘン、オスナブリュック
デンマーク：コペンハーゲン
オランダ：アムステルダム
ポルトガル：ポルト
フィンランド：ヘルシンキ、タンペレ、ユヴァスキュラ
ランチ・ビートというムーブメントは世界中のどこの街でもやりたいと思った人がいれば参加可能です。実際にイベントを作る際のルールとしては、非営利で行うことが第一条件。基本的に入場料を取りますが、そのお金は会場を借りるための賃料とお客に振る舞う昼食、水の代金に使い、ビジネスにしてはなりません。また、イベントはお昼休みの時間帯に行い、1時間で終わること。1人のDJによるセットと各々の食事を準備し水は無料で配ること。
さて、ランチ・ビートを日本でやるならどこになるでしょう。東京なら六本木、丸の内、大阪なら梅田でしょうか？我こそはというオーガナイザーの方がいらっしゃったら、ぜひとも彼らのサイトにアクセスして連絡を取ってみてください。
Lunch Beat If It's Your First Time at Lunch Beat, You Have To Dance
いつか日本のサラリーマンやOLさんたちがスーツ姿で真っ昼間から踊る姿が見られるのを楽しみにしています。
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