【新春企画】「2013年のスマートフォン」を大胆予測してみた



新年明けましておめでとうございます。今年もBUZZAP!をよろしくお願いします。

今回は新春企画ということで、「2013年のスマートフォン」を予測してみました。



◆デュアルコアは時代遅れ?「フルHD、クアッドコアCPU搭載」が当たり前に
昨年12月に初めて発売された「HTC J butterfly」によって、初めて登場することとなった1920×1080のフルHD液晶とクアッドコアCPU搭載スマートフォン。携帯各社の2012年冬モデルで断トツの性能を実現したわけですが、ソニーの最新モデル「Xperia Z(Yuga)」をはじめ、メーカー各社が続々とフルHD対応スマートフォンをリリースする予定であることが明らかに。


さらに超高性能なタブレットやスマートフォンを実現する最新の「Tegra 4プロセッサ」が2月にも発表される見通しであることなどから、早ければ春モデル、遅くとも夏モデルにはクアッドコアCPUモデルが一般的になるとみられます。

つまり2012年冬モデルでようやく一般的な存在となったデュアルコアCPUは早くも時代遅れとなるわけですが、これからスマートフォンの購入を検討しているのであれば、このあたりをしっかり見越した方が良さそうです。

◆ソニーの「Exmor RS」登場で、カメラはさらに進化
暗いところでもキレイに撮影できるソニーの裏面照射型CMOS「Exmor R」が国内各社のスマートフォンに採用されるようになった昨今ですが、昨年同社はさらに暗いところに強く、鮮やかな撮影が可能な新型センサー「Exmor RS」を開発。


フルHD解像度の滑らかなムービー(1080p 60fps)撮影も可能な最高性能モデル「IMX135」の出荷が1月から開始される予定であるため、スマートフォンのカメラは早ければ春モデルから飛躍的に進化することになります。

◆一般的な光回線を上回る「100Mbps超えスマートフォン」元年に
NTTドコモが2012年冬モデルとして、一般的な家庭向け光ファイバー回線と同じ下り最大100Mbpsを実現したスマートフォンを発売したことは記憶に新しいですが、春にはNTTドコモが下り最大112.5Mbps対応モデルを発売する方針であるほか、総務省による周波数帯の追加割り当てが前提であるものの、イー・モバイルも下り最大150Mbpsを実現する「UE Category4」に対応したスマートフォンを発売予定。


また、KDDIもLTEの増速を検討しているほか、ソフトバンクモバイルも第1弾が下り最大76Mbpsにとどまっていた「Softbank 4G」対応スマートフォンを、現行規格の最高速度となる110Mbpsまで引き上げると目されるため、今年は各社から100Mbps超えのスマートフォンが続々とお目見えすることになります。

◆Androidに性能面で差を付けられつつあるAppleは製品サイクルを変える?
2012年のモバイル市場で、驚きを持って受け止めざるを得なかったのが「1年ごとに新製品を提供するサイクルを維持してきたAppleが、第3世代が発売されてから8ヶ月で第4世代iPadを発売した」というところ。


iPhone 5S(仮)が夏ごろに発売されるのではないかという話もありますが、第4世代iPadの発売前倒しが他陣営とのスペック競争の中で、Appleが従来のサイクルに限界を感じていることを意味するのであれば、そう遠からぬうちにiPhoneなどの新製品登場サイクルが短くなる可能性は十分に考えられます。

◆「新型iPhoneが対応するLTEの周波数帯」がKDDIとソフトバンクの今後に大きく影響
iPhone 5の発売によって、ソフトバンクとKDDIが次世代高速通信「LTE」で火花を散らしていますが、ここで大きく問題となっているのがiPhoneやiPadがサポートするLTEの周波数帯。

いずれのモデルも国内では建物の中などに弱い2.1GHz、1.7GHz帯のLTEしか利用できず、KDDIが提供しているつながりやすい800MHz帯の「プラチナバンド版LTE」をサポートしていないのが現状です。

これを受けて2.1GHz帯のLTEを積極的に展開していることに加え、1.7GHz帯でのLTEサービスを展開しているイー・モバイルを傘下に収めたソフトバンクがiPhone 5のLTEでは優勢となっている感がありますが、今後発売されるであろうiPhone 5S(仮)や第5世代iPadがサポートしている周波数帯次第では情勢が大きく変わる可能性もあるため、今後も目が離せません。

◆ようやく登場しそうな「Windows Phone 8」。ただし普及するかどうかは微妙
iPhone、Androidがスマートフォンの2大プラットフォームとなる中、第三極として期待されている「Windows Phone」。かつてはスマートフォン向けOSの最先端をひた走っていたにもかかわらず、気がつけば後塵を拝している同OSですが、NTTドコモとマイクロソフトの提携を受け、ようやく最新の「Windows Phone 8」が日本に入ってきそうな気配に。


しかしながらKDDIが世界に先駆けてリリースしたWindows Phone 7.5スマートフォン「IS12T」が振るわなかったことを考えると、サービスやコンテンツを充実させ、複数機種を一気に展開するような形で畳み掛けないでもしない限り、先行する2陣営への対抗馬として存在感を発揮することは難しそうです。

◆「TD-LTE」がLTEと並ぶ高速通信サービスの柱に
iPhone 5発売をきっかけに携帯電話各社がLTEでデッドヒートを繰り広げていますが、次なるバトルの舞台となりそうなのが、大手携帯電話3社が提供している「LTE(FDD-LTE)」に対して、中国などの主導で開発された高速通信規格「TD-LTE」。

すでにソフトバンクがウィルコムの次世代PHS「XGP」をベースに、TD-LTEとの互換性を実現した通信規格「AXGP」を国内で実用化していますが、UQコミュニケーションズも現在展開している「UQ WiMAX」の次世代規格に、TD-LTEとの互換性を持たせた新サービス「UQ WiMAX 2+」の開始を検討していることを表明。

これにより国内の高速通信規格はFDD-LTEとTD-LTEに集約されることになり、両方式でのトップをめぐって携帯電話各社がバトルを繰り広げることとなります。

◆まとめ
このように平たく言えば「より高性能・高画質・高速なモデル」が続々と登場することになる2013年のスマートフォンですが、ここまで高性能化することで、どのようなサービスが実現するのかが気になるところ。

端末の処理能力向上と回線の高速化で無料の音声通話、動画見放題、音楽聴き放題……といったサービスが続々と実現していますが、携帯電話各社が模索する「次」はどこにあるのでしょうか。

気がつけば小規模な携帯電話会社はすべて統合され、携帯電話メーカーの淘汰の波も進みつつあるなど、「勝者がすべてを握る」構図がより鮮明化しつつある中、サービスの内容でどれだけ差別化できるのかが、携帯電話会社やメーカーが勝ち残るための唯一の道であると思われます。

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