「Xperia Z」などの2013年春モデルのスマホを買ってはいけないこれだけの理由



NTTドコモが「Xperia Z」をはじめとした10機種を超えるラインナップを展開し、KDDIは人気シリーズ最新モデル「INFOBAR A02」、ソフトバンクモバイルはIGZO液晶に仕様変更した「AQUOS Phone Xx 203SH」を投入する2013年春モデル。

クアッドコアCPUやHDないしフルHD液晶搭載モデルがめじろ押しとなっており、2012年冬モデルよりも大きくスペックアップしていますが、今買うのは得策ではありません。これからその理由をお伝えします。



◆フルHDの次は「画質」が焦点?まだまだ進化するディスプレイ
「HTC J butterfly」に続いて「Xperia Z SO-02E」「ARROWS X F-02E」「ELUGA X P-02E」など、5インチのフルHD(1920×1080)液晶を搭載したモデルが一気に増えた2013年春モデル。液晶テレビと変わらない解像度をスマートフォンで実現しており、まさに飛躍的な進化と言っても過言ではありませんが、まだ進化の余地はあります。

それは慶応義塾大学や東洋紡によって新たに開発された「コスモシャイン」という液晶ディスプレイ向けフィルム。今までの液晶の難点であった「複屈折による着色(虹むら)」を解消し、液晶から発せられる光を、より自然光に近い状態へ変換(偏光解消)するというものです。

「コスモシャイン」の利用イメージ。液晶ディスプレイに装着することでサングラス越しでも画面が真っ暗にならず、高い視認性を実現します。


報道では有機ELを超える画質を実現するとされており、原料にペットボトルと同じ樹脂を使うことで、従来の位相差フィルムを用いた液晶ディスプレイよりも低コストで製造可能。4月から量産されることが決定しているため、2013年夏モデル以降のスマートフォンは解像度だけでなく画質そのものが向上することになります。

◆「第5世代Snapdragon」や「Tegra 4」など、プロセッサも大幅に進化
ぬるぬるとした動作やサクサクのレスポンスなど、快適なスマートフォンを実現するために欠かせない存在のプロセッサ。

2013年春モデルにはクアッドコアタイプの「第4世代Snapdragon」や「Tegra 3」が用いられていますが、今年1月には「第5世代Snapdragon(Snapdragon S5)」や「Tegra 4」が相次いで発表されています。


主なスペックは以下。現行モデルと比較して大きく進化を遂げており、処理速度の向上にとどまらず、さまざまな機能が追加されているのが特徴です。

・第5世代Snapdragon(800シリーズ)
最大2.3GHz駆動のクアッドコアモデル
前世代比2倍以上のグラフィック性能を実現した新型GPU「Adreno 330」搭載
12.8Gbpsのバンド幅を実現する2x32bit LPDDR3 RAM(800MHz)
Snapdragon S4 Proと比較して75%のパフォーマンス向上
下り最大150MbpsのLTE「UE Category 4」や最大1Gbpsの無線LAN「IEEE802.11ac」対応
4096×2304の「UltraHD」をサポート

・Tegra 4
ARMの「Cortex-A15」ベースのクアッドコアCPUでブラウジング速度が2.6倍に
72コアの「NVIDIA GeForce GPU」によってGPU能力が「Tegra 3」の6倍に
3840×2160の4K動画をサポート
一般的な利用シーンでの消費電力はTegra 3と比べて最大45%削減可能
携帯電話に搭載した場合、HDビデオを最大14時間再生可能

なお、第5世代Snapdragon「800シリーズ」については2013年半ばに搭載された商用端末が発売予定と告知されているほか、Tegra 4搭載タブレットも6月に発売予定。つまり2013年夏モデルはフラッグシップモデルを中心にプロセッサが刷新される可能性が高いわけです。

◆カメラもより暗いところに強く、キレイに撮影可能に
単純な画素数競争が一段落し、ソニーの「Exmor R」など、暗い場所でも高画質に撮影できる裏面照射型CMOSカメラに注目が集まるようになって久しいスマートフォンですが、さらに暗いところに強く、安定した写真撮影を実現した「Exmor RS」は2013年春モデルでは「Xperia Z」などの一部モデルに搭載されるにとどまっています。

また、HTCが先日発表された新端末「HTC One」において、従来の3倍光を取り込めるようになり、専用の画像処理回路「HTC ImageChip」と組み合わせることで、暗いところでのさらなる高画質撮影を実現できるようになった「UltraPixelカメラ」を搭載。カメラの高画質化競争はまだ続いています。


◆下り最大150Mbpsも視野に、LTE通信速度が向上
2012年9月の「iPhone 5」発売時には下り最大75Mbpsで横並びだった携帯電話各社のLTEサービスですが、NTTドコモは2012年冬モデル発売時に下り最大100Mbps、2013年春モデルでは下り最大112.5Mbps(2機種のみ対応)の機種を発売。

ここ半年ほどで段階的にLTEの通信速度を引き上げられていますが、2013年度にはさらに下り最大150Mbpsにまで引き上げることが告知済み。サービス開始当初の対応エリアは限られるものの、一気に他社の倍近い速度となります。


また、先述した第5世代Snapdragonの「800シリーズ」は下り最大150MbpsのLTE「UE Category 4」に加え、複数の周波数帯域を束ねて通信速度を向上させる「キャリアアグリゲーション」にも対応。唯一展開している2.1GHz帯のLTEをiPhone専用にしているソフトバンクはともかく、800MHz・1.5GHz・2.1GHz帯でLTEを展開しているNTTドコモやKDDIは2013年夏モデル以降で通信速度を大きく向上させられる可能性があります。

◆長く使いたいなら夏モデル以降がオススメ、学割目当てや指名買いなら春モデルも
このように夏モデル以降で一気に向上するとみられているスマートフォンの各機能。今後提供されるOSアップデートや、より処理能力を必要とする最新サービスへの対応を考えると性能はなるべく高い方が良いため、春モデルは避けた方が無難と言えるかもしれません。

しかし5月末で受付を終えてしまう携帯電話会社の学割適用を狙っていたり、デザインにこだわった「INFOBAR A02」などの機種を指名買いしたいのであれば、春モデルを選択肢に入れるのも1つの手であるため、何を重視するかをよくよく考えて買う時期を決めたいところです。


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