やけに安いドコモ版iPhone 5s/5cのえげつない罠、本体価格が9万円半ばで中途解約は困難に



iPhone 5c/5sでNTTドコモがえげつないほどの値引き攻勢を仕掛けることを先ほどBUZZAP!でお伝えしましたが、もう一つえげつない事実が明らかになりました。どうやら一度契約すると中途解約は他社以上に困難であるようです。

◆実質価格が非常に安いドコモ版iPhone
先ほどの記事でもお伝えしましたが、NTTドコモが発表したiPhone 5sおよび5cの「実質」本体価格一覧。最も高価なiPhone 5sの64GBモデルすら2万160円で、32GBモデルは1万80円。iPhone 5s 16GBモデルおよびiPhone 5c 32GBモデルはまさかの0円。iPhone 5c 16GBにいたっては利用料金から1年間525円が割り引かれるという破格っぷりです。


◆スマートフォンの「実質本体価格」の仕組みは?
多くの人が理解していると思われますが、スマートフォン時代にシフトした現在、携帯電話各社は端末を24ヶ月利用を前提とした「実質価格」で販売しています。

「実質価格」は以下のように、高価な携帯電話端末の本体代金を24ヶ月分割で支払うよう設定する一方で、パケット定額プランを契約しているユーザーに対して24ヶ月にわたって「月々サポート」「毎月割」「月月割」といった特別割引を提供することで成り立つもの。

・「実質0円」の場合
本体価格4万8000円÷24ヶ月-特別割引2000円×24ヶ月間=実質0円


つまり仮に12ヶ月で解約した場合、以下のように「残債」が発生するわけです。

・12ヶ月で解約またはパケット定額プランを解除した場合
本体価格4万8000円÷24ヶ月-特別割引2000円×12ヶ月間=残債2万4000円


◆実は本体価格がとんでもなく高い
発表資料の中でiPhoneの本体価格が明かされていなかったため、BUZZAP編集部でNTTドコモ広報部に問い合わせたところ、回答された各モデルの本体価格および月々サポートの金額は以下の通り(カッコ内はKDDIやソフトバンクモバイル版の本体価格)。iPhone 5sに至っては本体価格を一律9万5760円にした上で、月々サポートの額で実質価格を上下させる仕組みです。

・iPhone 5s
16GB:本体価格9万5760円(6万8040円)、月々サポート3990円
32GB:本体価格9万5760円(7万8120円)、月々サポート3570円
64GB:本体価格9万5760円(8万8200円)、月々サポート3150円

・iPhone 5c
16GB:本体価格8万5680円(5万2920円)、月々サポート3570円
32GB:本体価格9万5760円(6万3000円)、月々サポート3990円

つまり、もし仮にドコモ版iPhone 5sの16GBモデルを契約し、12ヶ月後に解約してしまった場合、契約解除料に加え、端末代金の残りとして他社版よりも圧倒的に高い、5万円近い額を支払う必要があるわけです。

◆安さの裏に垣間見える「何があっても2年間契約させ続ける」という強い意志
学生ユーザーやMNPで転出したユーザーを狙い打ちした露骨な値引きだけでなく、機種変更や2台目としてiPhoneの購入を検討しているユーザーにまで割引を打ち出すなど、まさに全方位で値引き攻勢を仕掛けるNTTドコモ。このような価格設定とした背景には、おそらく中途解約を極限まで減らし、「必ず2年間契約させ続ける」という意図があると思われます。

あまりに安価であるため、つい飛びついてしまいそうになりますが、中途解約だけでなく「不幸な事故でiPhoneを紛失・全損してしまい、24ヶ月を待たずして機種変更せざるを得なくなった」といった場合でも莫大な残債を請求されることが容易に想像できるため、契約にあたっては注意が必要です。

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