あまりに過酷な速度制限、ソフトバンクで「3日間で1GB」を超過するとどうなるのか



先日BUZZAP!で、WiMAX 2+やキャリアアグリゲーションに対応したauの2014年夏モデルと、自称「最速」をうたってはばからないソフトバンクの速度比較をお届けしましたが、翌日待っていたのは過酷な速度制限でした。詳細は以下から。

◆「3日間で1GB以上」通信したユーザーに通信速度制限をかける携帯各社
まず、携帯各社はヘビーユーザーが帯域を独占し、ほかのユーザーを圧迫してしまうような事態を避ける「ネットワークの公平利用」を目的に、3日間に1GB以上通信したユーザーを対象に、以下のような条件で通信速度制限を行っています。

ドコモ:当日を含む直近3日間のデータ量が約1GBを超えると遅くなることがある
au:直近3日間(当日を含まない)のデータ量が1GBを超えると終日制限
ソフトバンク:直近3日間(制御日当日を含まない)のデータ量が1GBを超えると規制日当日6時~翌6時まで規制


これは「1ヶ月間に7GB通信すると、追加課金しない限り月末まで128kbpsに減速される」という、俗に言う「7GB規制」とは別に展開されるもので、課金して回避することなどはできません。

ソフトバンク公式ページの解説はこんな感じ。


◆思った以上に転送量が発生する通信速度計測アプリ
先日行った速度比較では「Wi-Fiを一切使わず、各測定地点で複数回計測する」という方法を採用しましたが、驚かされたのがその通信量。わずか1日でauの「Xperia ZL2(左)」は3.25GB、ソフトバンク版「iPhone 5s(右)」では2.6GB通信してしまい、「3日間で1GB」を超過してしまいました。


内訳はこんな感じ。規制されても文句が言えない通信量です。


◆auとソフトバンクの速度制限を比較してみた
・通信速度の計測は不可能
そこでさっそく、各社の速度制限がどのようなものかを実際に試してみました。まずは通信速度を計測。auが下り25.96Mbps、上り10.05Mbpsとなったのに対し、ソフトバンクは下り0.20Mbps付近をフラフラし続けたあと……


突然のエラー。計測が強制的に終了させられました。


動画で見るとこんな感じ。auがすぐさま通信速度を計測できた一方で、ソフトバンクは無理矢理押さえ付けられたかのような不自然なメーターの推移を見せた後、エラーを出しています。

スピードテストが成り立たないほど速度を落とすソフトバンクの「3日間で1GB」規制01 - YouTube


何度試しても同じ結果に。単なる計測ミスではありません。

スピードテストが成り立たないほど速度を落とすソフトバンクの「3日間で1GB」規制02 - YouTube


・テキストベースのブラウジングはほぼ問題無し
続いてはブラウザで「BUZZAP!」のページを見てみたところ。ステータスバーの推移を見てもらえば分かる通り、すぐさまページを読み込めるau回線と比べて、ソフトバンクの方が読み込みに時間がかかるものの、ページが閲覧できないというほどではない……というものです。

速度規制下のauとソフトバンク回線でブラウジング - YouTube


しかし以下の動画を見てもらえば分かる通り、ややサイズが大きめの画像などになると、やはり読み込みに時間がかかります。

速度制限時のau、ソフトバンク回線のレスポンス 01 - YouTube


速度制限時のau、ソフトバンク回線のレスポンス 02 - YouTube


速度制限時のau、ソフトバンク回線のレスポンス 03 - YouTube


・動画の視聴は困難、あまりにも徹底した制限
そして速度制限の影響が最も顕著なのが動画再生。ページに埋め込まれたわずか12秒程度の動画でもガクガクになってしまい、再生はできません。

動画がガクガクになるまで速度制限をかけるソフトバンク - YouTube


1分を超える動画に至っては何度も何度も何度も止まり、思わず「再生」ボタンを連打してしまうほどです。

速度制限時にソフトバンク回線で動画視聴は困難01 - YouTube


もちろんYouTube公式ページから動画を見るのも困難。「都心部の昼間」という比較的混雑する時間帯であるにもかかわらず、何の引っかかりも無く動画再生をさせてくれるau回線と比べると、「ここまで絞らなくても……」という気持ちにならざるを得ませんでした。

速度制限時にソフトバンク回線で動画視聴は困難02 - YouTube


◆あまりにもタイトすぎるソフトバンクの「3日間で1GB」規制
このように、いざ基準を超えると徹底的に規制されてしまうソフトバンク。規制時間帯も0~24時ではなく、当日6時~翌6時までであるため、規制がかかった当日は朝起きてから夜寝るまで通信を制限され続けると考えて差し支えありません。

3日間で1GB制限を超えてしまうようなケースはそうそうない……と考える人がいるかもしれませんが、昨今、スマホの高性能化は着々と進んでおり、最新スマホで4K動画を撮影した場合、ファイルサイズは10分で数GB(1分あたり数100MB)にも上るのが現状。

また、多くの人の場合、SNSなどに動画をアップロードした際、確認のためにアップした動画を自分で受信して見直すため、上り・下りの双方向で通信量が増大することはザラにあるわけです。

さらにソフトバンク自らもゲームや動画見放題など、多くの通信量が発生するサービスを数多く展開しており、パソコンなどをネット接続できるテザリングも解禁したため、突発的であっても、3日間で1GBを超えてしまうケースは十分考えられます。

限られた容量内では高速で使えるけれども、少しでも基準を超えると一気に昔の格安SIM並みの速度に落とされる」という、非常に極端な規制を課しているソフトバンク。追加課金で解除もできないため、もしWi-Fiスポットもあまり無いような地方を旅行している際、速度制限が課されてしまってはどうしようもありません。

そのため制限を課すにしても、なるべく緩やかなものにして欲しいところですが、今後もあくまで厳格な基準が変わることは無いのでしょうか。

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