映像の楽しみ方を変える多視点動画配信システム「VIXT」を電通が開発、ユーザーが自由にアングルを切り替え可能に



AKB48やももいろクローバーなどをはじめとするアイドルグループ全盛期の昨今。しかしライブ映像にお気に入りのメンバー(推しメン)がほとんど写っていなくてガッカリしたことがあるファンも少なくないはず。

そんな中、大手広告代理店の電通が複数の視点をリアルタイムに切り替えて動画を再生できる「VIXT(ビクスト)」を開発したので、さっそく体験してみました。ライブにとどまらず、スポーツや医療、教育など、さまざまな分野での活躍が期待できそうです。詳細は以下から。

◆電通が多視点動画配信システム「VIXT」を開発
電通および電通国際情報サービス(ISID)が報道関係者向けに行った説明会の様子。かつてはテレビを通じて一方的に配信されるのみだった映像は技術の進歩でより身近なものとなり、国内では約4兆5000億円、世界では約54兆5000億円の一大市場に成長しました。


しかし映像は依然として「誰が見ても変わることの無いもの」でしかなく、受動的な楽しみ方しかできません。


そんな中、新たに立ち上げられた「映像に関わるすべてを変えるプロジェクト」の元、開発されたのが「VIXT」です。


◆カメラ視点の選択権がユーザーに
VIXTを簡単に説明すると、アーティストのライブ会場などで複数のカメラが捉えた映像を、ユーザーがリアルタイムで切り替えながら視聴できるシステム。今まで一部のBlu-rayやDVDでしか楽しめなかった「カメラアングルの選択権」がユーザーに広く開放されました。


特別なアプリは不要で、パソコンやスマホ、タブレットなどのブラウザで視聴可能。さらにSNSに対応し、「このシーンはこのアングルがオススメ」といった情報を共有することで、ユーザーが能動的に映像コンテンツを楽しめるようになります。


百聞は一見にしかず。VIXTのデモを見てみましょう。

電通開発の多視点動画配信システム「VIXT」 - YouTube


画面下部にある小ウインドウをタップないしクリックするとアングルをリアルタイムで切り替えでき、シーンごとに各アングルの視聴率をグラフ化することなどもできます。


このように「推しメンだけが写ったライブ映像」を作ることも可能。「アーティスト自らがオススメするシーンごとのベストアングル」「○○推しの第一人者が選んだ、○○の姿を最大限に楽しめるベストアングル」などファン同士で分かち合うこともできます。

推しメンだけが写るライブ映像も作れる多視点動画配信システム「VIXT」 - YouTube


◆ライブやスポーツ中継にとどまらない、広範な分野で活躍も
応用例。カメラをライブ会場の各地に設置し、あとでVIXTを用いて配信することで「せっかくチケットを取れたのに、場所が悪くて観たい部分が観られなかった」という、ライブにありがちな失敗談もカバーできます。


また、アングルを切り替えて見直すことで、メインボーカルだけでなく、ギタリストやドラマーの動きを見たり、サッカーでゴールの瞬間を複数の視点から楽しむなど、同じコンテンツを何度も味わえます。


さらにVIXTはコンサートや各種スポーツの試合にとどまらず、「名医が手術する際、執刀の様子を保存して後進の教育に用いる」「大手塾が提供している有名講師によるオンライン授業をさらに分かりやすくする」「複数の監視カメラの映像をリアルタイムで切り替え、セキュリティを強化する」など、さまざまな分野での活躍が見込めるとされています。

◆実際にVIXTを体験してみた
展示会場で公開されたVIXTのデモ。iPadでもWindowsタブレットでもパソコンでも、プラットフォームという壁を意識することなく、マルチアングル映像のリアルタイム配信を楽しめます。


実際にリアルタイムで動画を切り替えてみたところ、特にラグやフリーズが発生することはなく、スムーズに切り替えできました。

東京パフォーマンスドールのライブ映像を多視点動画配信システム「VIXT」で切り替えてみた - YouTube


◆特定のエリアに合った映像を配信できるプラットフォーム「potaVee」
そして展示会場でもう一つ展示されていたのが、エリア限定型配信プラットフォーム「potaVee(ポタビー)」


パソコンとサーバー、無線LANスポットで構成されたコンパクトなシステムを用いて、特定のエリア内にいるユーザーにマッチした映像を配信できます。もちろんマルチプラットフォームに対応。導入コストの低さも強みです。


具体的な利用シーンは「映画館で開場待ちの観客に予告編を見せる」「ライブ開演前にアーティストによる特別メッセージムービーなどを会場で限定配信し、終了後はライブの様子をVIXTで視聴できるようにする」などさまざま。Wi-Fiを利用するため、パケット通信料も発生しません。


なお、VIXTおよびpotaVeeは9月19日(金)~9月21日(日)に、グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル 2F ザ・ラボ アクティブスタジオで行われる展示会で体験可能です。

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