産経新聞の記事にトンデモ科学の「サムシング・グレート」が登場

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昨年中学校の公民の教科書に掲載されてトンデモと騒がれたサムシング・グレートが産経新聞の記事に登場して話題になっています。

サムシング・グレートとは、天理教の信者である村上和雄筑波大学名誉教授が「生命の存在に対してダーウィンの進化論を補完する存在」として想定した、人智を超えた知的な造物主を指し示す概念。

自著では天理教の「親神様」を指していると認めていますが、これはアメリカ合衆国の反進化論団体らが唱えるインテリジェントデザイン説(ID説)の一種として知られています。

この「サムシング・グレート」が江戸しぐさなどと共に育鵬社の中学校公民の教科書にコラムとして掲載されたことに対して、昨年4月ごろにネット上で「トンデモ科学が教科書に載せられている」として批判が巻き起こりましたが、今年に入り、産経新聞の記事にも登場して再び驚きの声があがっています。

問題の記事は「日本人の座標軸」というタカ派愛国コラムシリーズで、執筆者は元教師の足立勝美氏。「有り難い」の本当の意味が分からないから愚痴ばかり口にしてしまうという論調の中で、「素晴らしい一文に出会った」として3段落にわたって村上和雄氏のDNAについての文章が引用されます。その中で登場するのが次の文。

(編集部注:遺伝情報を)書いたのは誰か。勿論、人間ではない。かといって自然にできあがったものでもない。それは「偉大なる何者か=サムスイング・グレイト」である。これを有り難いという以外に表現する言葉はない。

【日本人の座標軸(25)】ヒトのDNA情報量は百科事典千冊分…「有り難い」の本当の意味を忘れるな(1/2ページ) – 産経WEST

もちろん「サムシング・グレート」をはじめとしてインテリジェントデザイン説を解説したり批判する記事が掲載されることはあり得るでしょう。しかし、例え産経新聞内部の記者の記事でなかったとしても、自説の補強のために無批判にこうしたトンデモ科学上の存在が引用され、社内でのチェックをくぐり抜けてしまう状況が大手新聞社内に存在していることにはは驚愕せざるを得ません。

なお、記事の結びに

もう何年も前から、ヒトのDNAの塩基配列の解読が進められているが、仮に1日千個解読したとしても、八千年を要するというアポロ計画に匹敵する大変な作業であるという。

との記述もありますが、このヒトゲノム計画は「1953年のDNAの二重らせん構造の発見から50周年となる2003年に完了」しています。10年以上前に完了した世界的なプロジェクトに関する明白な事実誤認についても産経新聞の編集部はチェックできていないことも指摘しておきます。

ヒトゲノム計画 – Wikipediaより引用

事あるごとに朝日新聞の誤報問題をあげつらう姿勢を見せる同紙ですが、江沢民前国家主席死亡記事や、新型iPadについて「第4世代LTEと呼ばれる高速通信のゲーム規格に準拠」という、何も理解していないことが丸わかりな報道を行っていたことなどを考えれば、「人の振り見て我が振り直せ」というスタンスも必要なのではないでしょうか。

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