格安SIM(MVNO)の1Mbps割れが常態化、選ぶ際は注意が必要に



月額1000円足らずでスマホを使える「格安SIM」市場がにぎわいを見せる昨今ですが、決してどこと契約しても同じパフォーマンスを得られるわけではなく、ちゃんと選ばないといけない……というお話をお届けします。詳細は以下から。

◆そもそも「格安SIM(MVNO)」とは?
まずおさらいしておきたいのが格安SIMの仕組み。

日本ではIIJmioやNifty、OCN、日本通信、楽天、DMM、ケイ・オプティコムをはじめとする数多くの事業者が「MVNO(仮想移動体通信事業者)」として大手携帯電話会社からネットワークを借り受け、独自の通信サービスを提供しています。

MVNOとは? | OCN プロバイダ(インターネット接続)


KDDIのMVNO事業者向け資料によると、MVNOは「10Mbpsあたり月額○○万円」という形で回線をレンタルしており、借りる帯域幅を増やせばユーザーの速度も上がる仕組みです。


◆実は平日昼間やラッシュ時に弱い格安SIM、まさかの1Mbps割れも
そして昨今、問題となっているのがMVNO利用者の急増による、特定の時間帯の通信速度低下。4月にMMD研究所が各社の通信速度を測定したところ、NTTドコモ回線を利用したMVNO事業者の大半が、昼間(12~13時)に1Mbpsを割り込んでいました。


この問題はMVNO側も把握しており、大手事業者「IIJmio」のサポート担当は7月28日に顧客への回答で、「平日昼間や夕方に通信速度が低下する事象があることを把握しています」とコメント。


特に昼の1時間については、ただちに混雑を解消するのは難しいとしています。


上記のコメントを裏付けるかのように、MVNOの速度比較を取り扱う各ブログによる最新(7月分)の通信速度計測においても、MMD研究所の調査から3ヶ月が経過したにも関わらず、名立たる事業者の大半が12時台に1Mbpsを割り込む結果となっています。

MVNO大手9社の通信速度: U-mobileが速い!7月3日


MVNO格安SIM速度比較 7月編 | スマホ辞典


◆実は根深い速度低下問題、単純に帯域幅を増やせばいいというわけでもない
体力のある大手事業者でも苦戦していることから、一朝一夕で改善するようには見えない速度低下問題。

「通信事業者から借りる回線の幅(帯域幅)を一気に増やせばいいのではないか」と考えるユーザーもいるかと思われますが、格安SIMの採算性を考えると、決して簡単ではありません。

さらにもう一つ携帯電話会社と決定的に違うのが、「MVNOにはデータ通信をオフロード(負荷分散)する手段がほとんど無い」という点。

携帯各社は全国各地に大量のWi-Fiスポットを設置することで、混雑する時間帯の駅や繁華街でのネットワーク負荷を軽減していますが、大半のMVNOではそれができません。つまり、データ通信のほぼすべてを1つのネットワークに依存している分、携帯各社のサービスより混雑に弱いわけです。


スマホの維持コストが圧倒的に下がる格安SIM。しかし一番スマホを使いたいであろう昼休みや通勤時間帯に速度が全く出ないのであれば意味が無いため、選ぶ際には「混雑する時間帯での通信速度」を重視したいところです。

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