2015年冬スマホ、Xperia Z5・iPhone 6s・Nexus 5Xなどのカメラを比較してみた その1



ソニーがZ1以来となる背面カメラの大幅刷新を行った「Xperia Z5」を発売した2015年冬モデル。

ほかにもカメラの画質向上をうたうiPhone 6sやNexus 5Xなども登場したわけですが、はたしていったい本当に画質がいいのはどのスマホなのでしょうか。さっそく夜景を撮り比べてみました。詳細は以下から。

◆まずは各モデルのカメラ機能をおさらい
今回比較に用いたスマホはXperia Z5、iPhone 6s、Nexus 5X、AQUOS ZETA SH-01H、arrows NX F-02Hの2015年冬モデル5台と、これまでのレビューで評価の高かったisai vivid(2015年夏モデル)とXperia Z3(2014年冬モデル)の計7台。各モデルの特徴は以下の通りです。

・Xperia Z5
世界最速0.03秒のオートフォーカスを実現し、暗いところにも強い約2300万画素の新センサー「Exmor RS for mobile」、広角25mmから24mmになった「Gレンズ」、画像処理エンジン「BIONZ for mobile」を採用。「Xperia Z5 Compact」「Xperia Z5 Premium」などの派生モデルとカメラの仕様は同じです。

・iPhone 6s
より多くの画像情報をセンサーに送ることができる「Focus Pixels」により、オートフォーカスが高速かつ正確なのが特徴。短い露出時間に4枚の写真を撮影することで、ノイズ、モーションブラー、手ぶれが最も少ない写真を合成できるほか、iPhone 6と比べて高画質化(800万画素→1200万画素)されています。

・Nexus 5X
レーザーオートフォーカスやデュアルフラッシュを備え、非常に明るく撮影できるピクセルサイズ1.55μメートル、F値2.0の1230万画素カメラを搭載。「Nexus 6P」とカメラの仕様は同じです。

・AQUOS ZETA SH-01H
位相差およびコントラストオートフォーカスを組み合わせた、ハイブリッドオートフォーカス採用の約1310万画素カメラを搭載。光学式手ブレ補正も備え、リコー「GRシリーズ」開発メンバーによる画質改善認証プログラム「GR certified」を取得しています。

・arrows NX F-02H
ソニー製裏面照射型CMOSセンサー「Exmor RS」や暗いところでも明るく撮れる薄型高性能レンズを採用した2070万画素カメラを搭載。独自エンジン「GRANVU」で見たままの美しい写真を実現します。

・isai vivid
グローバルスマホ「LG G4」をベースに開発されたモデルで、F値1.8の明るいレンズおよび3軸光学式手ブレ補正を採用した1600万画素カメラを搭載。カラースペクトルセンサーでレンズが取り込んだ色を忠実に再現し、フラッシュを使わなくても自然な明るさで撮影できることを売りにしています。

・Xperia Z3
裏面照射型CMOSセンサー「Exmor RS」と画像処理回路「BIONZ」「Gレンズ」で構成された2070万画素カメラを搭載。ISO 12800の超高感度撮影(マニュアル撮影時は3200)に対応し、広角25mm。暗いところに強く、広い範囲を撮影できるのが特徴。なお、「Xperia Z4」とカメラの性能は同じです。

◆さっそく夜景を撮影してみた
実際に都内の夜景を撮影してみた写真は以下。iPhoneと揃える目的で4:3の比率を選択し、HDR前提の機種が増えてきたため、HDRをオンにした以外、基本的にカメラの設定には手を加えず、あくまでオートで撮影。また、「カメラの暗所撮影性能を試す」という主旨から、フラッシュおよびモバイルライトはオフにしてあります。

まずは入場無料で地上202メートルの高さから東京を一望できる、都庁の展望室に。



なお、撮影順はXperia Z5、iPhone 6s、Nexus 5X、AQUOS ZETA SH-01H、arrows NX F-02H、isai vivid、Xperia Z3で、サムネイルをクリックすると表示される拡大画像はファイルサイズの関係から、オリジナルの写真を横幅1400に一律でリサイズしたものです。


それでは都庁から南東方面を望んだところ。さらに広角になったXperia Z5はより広い範囲が撮れるようになりました。


手前のビルの窓や、右下にあるビルの屋根をどれだけ精細に表現できているかに注目してみると、iPhone 6sやNexus5Xがかなりいい感じ。精細さ、色の鮮やかさのバランスで言えばNexus 5XがiPhone 6sをリードしています。


ディティールがやや甘く、明るすぎて飛んでしまう部分も少なくないAQUOSに対し、暗くてノイズが乗りがちなarrows。


isai vividおよびXperia Z3の画質はこんな感じ。まだまだ第一線で活躍できるカメラを備えていることが分かります。


続いては新宿パークタワー、東京オペラシティなどが見える南西方面。左側のビル屋上から空中へ伸びるライトの明かりにも注目。「できるだけ広い景色を撮りたい」という欲望に応えてくれるXperia Z5に、落ち着いた色合いで無難に撮れるiPhone 6s、色鮮やかさと精細を両立させたNexus 5X……の3強状態が続きます。



AQUOS ZETA、arrows NXはisai vividやXperia Z3の後塵を拝し、いま一歩及ばない感じなのが非常に惜しいです……



あまり高層ビルなどが見えない練馬方面は「手前のビルの窓をどれだけ表現できているか」が注目ポイント。





新宿駅方面。手前のビルの壁面や窓を見れば、Xperia Z5やiPhone 6sのクオリティの高さが顕著です。なお、Nexus 5Xはまさかの「3枚撮って3枚ともピンぼけ」という事態に。同じLG製のisai vividもガラス越しのピント合わせに失敗することがありますが、レーザーオートフォーカスの弱点なのかもしれません。





都庁の足元にある、美内すずえの人気漫画「ガラスの仮面」で主人公・北島マヤが幻の演劇「紅天女」の世界観を掴むきっかけとなった「空の台座」と呼ばれるアートワーク。すべて同じ場所から撮影したもので、各モデルの暗所撮影性能に加え、画角の広さが一目で分かります。

とにかく画角が広いXperia Z5(左)。もともと他のモデルと比べて画角が広かったXperia Z3(右)と比較しても、さらに広く撮れることが分かります。


そして今回、特に際立ったのがNexus 5X(右)のクオリティの高さ。アートワークの表面部分を詳細に表現できているだけでなく、その向こうに見える「リヴェール」と書かれた看板もくっきり見えます。


isai vivid(3枚目)に及ばないAQUOS ZETA SH-01H、arrows NX F-02H。



さらに都庁自体を撮影してみたところ。足元だけでなく上層階の窓もキレイに表現できるNexus 5X(3枚目)、isai vivid(6枚目)の実力はなかなかのものです。





すぐそばにあった植え込みを撮影したところ、Nexus 5X(3枚目)とXperia Z3(7枚目)が突出する結果に。





続いては新宿駅東口アルタ前。左上の「STUDIO ALTA」のロゴを見てもらえれば分かると思われますが、明るく広めに撮れるXperia Z5と、色が破綻しない代わりにやや暗めに写るiPhone 6s、その中間のNexus 5Xがやはり3強です。



今までのレビューでも顕著でしたが、AQUOSシリーズの「明るく写りすぎて飛んでしまう」弱点だけはどうにかならないのでしょうか……



新宿・歌舞伎町のドン・キホーテ新宿東口本店でも似たような結果に。なお、繰り返しになりますが、Xperia Z5、iPhone 6s、Nexus 5X、AQUOS ZETA SH-01H、arrows NX F-02H、isai vivid、Xperia Z3です。





新宿某所の歓楽街はこんな感じ。





近くにあった公園。Xperia Z5はやや精細さに欠き、AQUOS ZETAは全体的に油絵のようなのっぺりした感じに。Nexus 5X、isai vividのLG勢がいい味を出しています。





なんだか少し寂しいところに出てしまいました。明るく撮れるもののディティールがやや甘いXperia Z5、暗めに撮れるiPhone 6sに対して、Nexus 5Xのバランスの良さが際立つ結果に。右側の建物の植え込みの表現力も圧倒的です。





◆Xperia、iPhoneに代わる「Nexus」という選択肢
今回写真比較をして本当に驚かされたのが、Nexus 5Xのカメラのバランスの良さ。明るく写りすぎて色が飛んでしまうことも、全体的に暗くなることもない、驚くべきクオリティの高さを実現していました。

さらに同じLG製で、Xperiaと並び立つ画質を実現していた「isai vivid(右)」の唯一の弱点だった画角の狭さも克服。Nexus 5Xは暗所撮影に対する強さと画角の広さが両立し、非常にバランスが良くなっている点が大きなアドバンテージです。


ちなみに一見して画角が広くなったこと以外、大きな違いが無いように見えるXperia Z5も、Xperia Z3で撮影した写真(右)と比べるとその差は顕著。センサーの性能が向上し、暗所でも細部をキレイに撮影できるように。



さらなる広角化によって、今まで以上に広く撮ることができるようになった点は、頻繁に風景をカメラに収めたい人に特にオススメかもしれません。


なお、今回掲載した写真のオリジナル版は以下のリンクで見ることができます。

2015年冬モデルスマホ画質比較01 | Flickr - Photo Sharing!

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