「中華そば しば田」の第一号卒業生が京都の左京区に「煮干そば 藍」をオープン



東京のラーメンファンで知らない人はいない「中華そば しば田」。その第一号卒業生が独立、京都市左京区に「煮干そば 藍」をオープンしました。レポートします。

2013年に日本のラーメン界に彗星のごとく登場した中華そば しば田。「業界最高権威TRY認定 第15回ラーメン大賞 2014-2015」の新人大賞部門では総合1位に輝く快挙を成し遂げた新星です。

関東の人以外でも、コンビニに「中華そば しば田」の名を冠したカップ麺が売られているのを見たことのある人も少なくないのではないでしょうか?

そんなしば田の第一号卒業生がこの度京都市の左京区に独立し、新店舗をオープンしました。その名も「煮干そば 藍」。

しば田をご存じの方はピンとくるかもしれませんが、しば田に栄冠をもたらした鴨だしの中華そばと共に無敵の双璧として知られているのが「煮干そば」。こちらの藍はその煮干そばに特化したお店です。

京阪本線神宮丸太町駅から徒歩で5分ほど川端通を上り、近衛通に入ってさらに一本折れた静かな住宅地の一角に藍はそのお店を構えています。ナチュラルな木材を用いた落ち着いた外観です。


訪れたのは開店初日だったためお店の中にも外にも多くの開店祝いのお花が飾られています。この日はご近所さんのみに告知をしていたとのことで、地元の方々が多く訪れていました。


店内もログハウスを思わせる一面の木目調。ゆったりとした音楽が流れ、煮干しそば屋ならではの潮の香りがふわっと漂ってきます。これは期待できそう。


工事中から窓から見えるクジラの壁画が気になっていたという人も。この壁画は画家の岩切章悟さんによるもの。



さて、お待ちかねの煮干しそばが出てきました。柔らかくもあり、それでいてしっかりとした煮干しの香りが丼から湧き上がってきます。


ひと口食べた瞬間にまずは煮干しの芳醇なコクに驚かされます。そして臭みなどは一切ありません。複数の煮干しを始めとした海鮮だしをメインにしているとのことで、あくまで海を思わせながらも豊かにして繊細な風味を醸し出しています。

そして全粒粉の麺がスープと絶妙にマッチします。ちゅるちゅるとして食べやすく、それでいてしっかりと小麦の風味を讃える麺はスープに絡み、いつまでも食べ続けたくなるマリアージュを見せてくれます。


さらに具にもこだわっています。しっとりとした鶏ハム、シャキシャキのタマネギ、クレソンという斬新さでありながら、どれもが圧倒的な説得力を持って麺とスープとともにひとつの煮干しそばの中で統合されているのです。これは本当に美味しい。


定番メニューはこの「煮干そば(700円)」と「煮干つけそば(800円)」に加えてさらに煮干しを凝縮した「濃煮干そば(800円)」、鳥白湯と煮干のダブルパンチ「濃厚煮干つけそば(800円)」、ガッツリ食べたい人に嬉しい「煮干油そば(800円)」の5種類。これに毎月(もしくは店主の気まぐれで)限定メニューが投入されるとのこと。

さて、そんな「煮干そば 藍」の店主、谷田さんにお話を伺うことができました。


BUZZAP!編集部(以下、B):
最初からになってしまいますが、しば田の一番弟子とか卒業生という言われ方は確実にされると思いますが、その辺りへの思いや意気込みみたいなものはありますか?

谷田(以下、谷):
それはやっぱり重いですよね。でも同時に光栄でもあります。お店のフライヤーにも「しば田インスパイア」ってちゃんと書いてますが、リスペクト込みでで引き継ぎながら、ずっとやっていきたい味です。プレッシャーもあるけれど、楽しみですね。

B:
味を発展させてゆくというような気持ちもありますか?

谷:
しば田もそんなにがっつりやる感じのスタイルじゃなくてああなったので、自分としてもそんなに求めているわけではないです。ただ、しば田の味と自分のアイディアを入れた作品ができたらいいかなと。そんな中でしば田に行ったことのない人もしば田の「煮干そば」の雰囲気は味わってもらえるんじゃないかなと。

B:
なぜ、しば田のあった東京から京都の左京区という場所を選んで開店することになったのでしょうか?

谷:
元々がバックパッカーな分、居心地の良い場所で沈没するという20代を送ってきて、30代に入って地元の東京の居心地の悪さをものすごく感じて体が拒否反応を起こして、どこにしようか日本をいろいろ自分に合うところを探した挙句たどり着きましたね。

京都の左京区はアンダーグラウンドなカルチャーがあって自分と似たような志でお店をやっている人も多いので、完全にパズルが埋まった感じです。あとは川が好きで、いつでも山が見れるとか、四条河原町みたいな都会にもすぐに行けたりもしていいとこ取りできて、もうここしかないという感じで毎日楽しいですね。

B:
谷田さんはどういうきっかけでラーメンの道に入ったのでしょうか?

谷:
音楽でがんばってちょっといろいろやってた時期が20代半ばまであって、それじゃ飯食えないと確信した時に、それまでほぼ主食だったラーメンを灯台下暗しで気づかなかったんですけど、やるんだったらこれしかないということで、かねてから興味があったところに体当りしてみました。

そうしたら50人くらいの募集者の中から選ばれたのが自分としば田の店主だったという(笑)。それで同僚になって、その後しば田が独立する時にそちらに移って、気がついたらラーメン道まっしぐらで今に至るという感じです。今で8年目くらいですかね。

B:
煮干しそばというまだそこまでメジャーではないジャンルを選ばれたわけですが、どんな特徴があって、どの辺りを求めている感じなのでしょうか?

谷:
一番は無化調無添加にこだわっていたので、その時に仕上げやすかったというのは大きいです。それと、煮干しそばはあっさりしている分、毎日食べれる。そして京都という雰囲気との調和を考えると、自分の中でしっくり来た部分が大きいです。

B:
無化調ということで、どの辺りにこだわっているのでしょうか?

谷:
やはり安い煮干しやみりんでも作れるけれど、前のしば田も調味料へのこだわりがあって、いいものを使えばいい味が出ると。その影響は大きいです。無添加なら旨味の掛け算もしやすくて、まるでバイクをいじっているみたいなノリで味をカスタムしやすい。

業務用のやすい調味料だと味が統一されちゃってるんだけど、各地のみりんなり醤油なりを合わせていくことで表情が代わるラーメンを進化させながら作っていけるのは大きいです。だから終わりはないですよ。

B:
無化調・無添加であるということで、食べていて明らかに違うことはありますか?

谷:
体が敏感なんで、化調たっぷりのラーメン屋で働いていた時は3日目くらいで拒否反応起こしちゃって。まかないはもう自分で納豆ご飯とか食べてました。無化調だとそういうこともないし、正直安心感もある。消費者もそういうのを求めている層は間違いなくいると思います。

B:
ありがとうございました。

ということで、気になる藍のデータはこちら。売り切れの通知や急な休店、開店、限定メニュー提供などの情報はTwitterなどでリアルタイムに報告するとのことなので、気になる方はフォロー推奨です。

煮干そば 藍
Dried Sardine Noodle Indigo

営業時間:11:30~18:00
定休日:月曜日・毎月第1第3日曜日
住所:京都府京都市左京区下阿達29-1

煮干そば 藍 (ニボシソバ アイ) - 出町柳 ラーメン [食べログ]

Twitter:煮干そば 藍
Facebookページ:煮干そば 藍


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