「リストラ」をビジネスにする再就職助成金の150倍増、仕掛けたのはあの竹中平蔵でした

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不要な社員を退職させて助成金で儲けるビジネスモデルを創りだした再就職助成金。その予算爆増を仕掛けたのはパソナ会長の竹中平蔵氏でした。

本日の朝日新聞で報じられた再就職助成金の支給要件厳格化の記事。離職した人の再就職を支援するための助成金が問題となってしまったのはいったいどうしてなのでしょうか?

◆再就職助成金とは?
この「再就職助成金」は本来は企業の事業縮小や再編でリストラされた社員の再就職を支援するための助成金とされています。リストラされた社員が速やかに再就職できるよう、企業が人材派遣会社などに委託すると、国から企業にこの助成金が支払われます。

その額は委託時に10万円、一定期間内に再就職が実現すれば委託費用の一部が上限を60万円として支払われることになっています。

◆人材派遣会社の介入による過剰リストラという問題
問題は、人材派遣会社としては企業がどんどん社員をリストラして自分の会社に再就職を委託してくれれば、それだけビジネスチャンスが増えていくということ。

つまり、人材派遣会社は企業が不要と判断した社員のリストラを提案し、違法にならない退職の勧め方をアドバイス。企業が退職する社員の再就職支援を同じ人材派遣会社に委託するという流れができることによって、企業は助成金を利用して自分の腹を痛めずに社員をスムーズにリストラでき、人材派遣会社は助成金を自分の懐に収められるということ。

企業利益を追求する人材派遣会社としては当然のことながら、企業に対して必要以上のリストラを提案していくことが強く懸念されます。

◆予算が150倍近くに爆増、その仕掛け人はパソナ会長
この再就職助成金は2013年度から2014年度にかけ、5.6億円から301億円まで150倍近く爆蔵しています。この提案の仕掛け人とされるのが日本経済再生本部の「産業競争力会議」のメンバーにして人材派遣会社パソナグループ取締役会長である竹中平蔵氏。

2月22日の民主党の大西健介議員の質問では2013年の

今は雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が1000:5くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じている。

との発言を取り上げています。また、大西議員は人材派遣会社大手のテンプスタッフキャリアコンサルティングがプレゼン資料の中で「公的助成金の受給指導」とまで明記してビジネスを拡大しているとし、人材派遣業界の利益誘導だと批判します。動画は全編この件での質問ですが、当該箇所は36分過ぎから。

「安倍政権は一億総活躍と言いながら真逆の首切りビジネス 」【全】大西健介2 22衆院・予算委 – YouTube

竹中平蔵氏は小泉政権時代に経済財政政策担当大臣、金融担当大臣を兼任、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)・郵政民営化担当などを歴任して「聖域なき構造改革」を実行。現在の安倍政権下でも日本経済再生本部の「産業競争力会議」の委員であると同時に国家戦略特区の特区諮問会議メンバーとしても活動するなど、大きな影響力を持っています。こうした影響力を持つ人物が自社を含む業界への利益誘導を行うことが極めて大きな問題なのは言うまでもありません。

◆制度を用いた再就職の賃金水準は3/4
しかも、大西議員の質問へ塩崎厚労相の回答によると、2014年度にこの制度を用いた3304人のうち2015年末まで再就職できたのは81%で、再就職先の賃金水準は離職前の74.7%となっています。5人に1人は再就職できず、再就職できても賃金は3/4程度にまで落ち込むという惨状です。

人材派遣会社の利益のために、不要なリストラで経済的、精神的に圧迫された上にその後の経済状況が劣悪になるという悪循環は、例えば2017年の消費税が10%への増税などで企業の業績が悪化すれば、さらに加速することになりかねません。

厚生労働省は「人材会社に過剰なリストラの提案をしないよう求める」「人材会社が関与していないことを助成金の申請手続きで企業に明記させる」などの支給要件の厳格化を進めるとしています。

表の部分ではともかく、水面下での人材派遣会社や企業の動きまでも牽制することはできるのでしょうか?人の人生と助成金を同時に食い物にするこうしたリストラビジネスは徹底的に根絶してほしいところですが…。

リストラ誘発しかねない再就職助成金 支給要件厳格化へ:朝日新聞デジタル

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