【10年ぶり2度目】安倍首相が本気で「私は立法府の長」だと勘違いしていたことが判明→なぜか官房副長官が陳謝

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野党議員も「反安倍」を掲げる多くの人も単なる言いまつがいだと思ってたようでしたが、どうやら本気で勘違いしていました。詳細は以下から。

民進党の山尾志桜里政調会長が激しく安倍首相とやりあった5月16日の衆院予算委員会。塩崎厚労相が保育士待遇改善に関し、全産業の女性労働者の平均賃金との差が4万円あることを踏まえて改善していくと述べたことを発端に、山尾政調会長は「男女の賃金格差を認めている。女性活躍どころか『男尊女卑政権』だ」と激しく非難。安倍首相が「誹謗中傷だ」と反論したことが大きな話題となりました。

しかし、それとは別の場面で見過ごされていた大きな問題がありました。熊本地震があったにも関わらず無理矢理TPPの審議を進めたことを引き合いに、保育問題を前向きに議論する心意気を示して欲しいと安倍首相に迫った際のことです。

安倍首相は「山尾委員は議会の運営ということについて少し勉強していただいた方が良いと思います」と、相手の無知を指摘するかのような言葉の後にこう言い放ちました。

「議会についてはですね。私は立法府、立法府の長であります」

安倍総理「私は立法府の長であります」 2016年5月16日衆院予算委員会 – YouTube

完全なる間違いです。内閣総理大臣は行政府の長ではありますが、立法府の長は衆議院議長と参議院議長であり、安倍首相では断じてありません。これは三権分立の原則がある以上、絶対に崩してはいけない原理原則であり、中学校の社会科の教科書に載っているレベルの極めて初歩的かつ根本的な話です。

本来ならば山尾議員は安倍首相のこのとんでもない勘違いに対して「中学校の社会科の教科書を少し勉強し直していただいた方が良いと思います」とツッコんでもよい場面なのですが、いくら何でも総理大臣ともあろう人物がこんな基礎知識に関して馬鹿げた間違いをするとも考えにくいところ。おそらくは単なる言い間違いとしたのでしょう、山尾議員はあっさりスルーしてしまいました。その後ネット上でも多少ツッコミはありましたが、生産性のない挙げ足取りにしかならないと判断されたのか、大きく炎上することもありませんでした。

ですがその後、第一次安倍内閣時代であった2007年の国会の議事録で、安倍首相が全く同様に自らを「立法府の長」と答弁していた事実が発掘され、衝撃を与えています。

以下、当該部分を少し長めですが引用します。

○簗瀬進君 (前略)正にそれは総理が、総裁として、自民党の総裁として国民とともに議論をするとおっしゃったその言葉と全く矛盾する対応を現場がしている。これどう思うんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、正に参議院のこの委員会の運営は委員会にお任せをいたしておりますから、私が立法府の長として何か物を申し上げるのは、むしろそれは介入になるのではないかと、このように思います。

○簗瀬進君 先ほど憲法尊重擁護義務の話がございましたけれども、総理大臣として現在の憲法を尊重し擁護をすると、これは憲法にちゃんと明記されている。しかも、三権分立というものがあります。国権の最高機関として定められているのは国会である。そして、その国権の最高機関と分立する形で立法府のほかに内閣があり司法があって三権が成り立っているんです。あなたはそういう意味では行政府の長であります。

 正にそういう意味では、行政府の長として、内閣の例えば審議の在り方に対する外部的な様々な注文というのは絶対にこれ抑制すべきじゃないですか。正に、審議促進を様々にさせるような、そういう圧力を国会やら自民党に対して掛けてくるということは、これは絶対に避けるべきじゃないですか。それを延々とおやりになって今日まで来ているんじゃないんですか。正にそういう意味では、総理のこの国会に対する様々な総理としての圧力というようなものは行政府の立法府に対する容喙であり、立憲主義に違反する憲法違反の態度だと私は思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そう何回も指を指さないでくださいよ。指を指されなくても私に話していると分かっていますから。よろしいですか。

 そこで、私は圧力なんか掛けていませんよ。じゃ、聞いてみてください。今日までに審議を終えろとか、いつまでに上げろとか、そんな圧力は掛けていないということは申し上げておきたいと思います。(後略)

参議院会議録情報 第166回国会 日本国憲法に関する調査特別委員会 第12号より引用)

質問している簗瀬進議員は当時の民主党所属議員で、弁護士でもあります。安倍首相が「立法府の長」と自称した際、即座に憲法尊重擁護義務と三権分立の原則を持ち出してこれを否定し「行政府の長」であると訂正しています。

安倍首相といえば2014年2月12日の衆院予算委の集団的自衛権を巡る答弁で「最高責任者は私です」と述べたのを始め、何度か自らを最高責任者と称しています。もちろんこれも間違いなのですが、「日本で一番偉いのは誰?」「そうりだいじーーん!!」といった、子供向けのレトリックとしてはまだ理解できるものではありました。

しかし、内閣総理大臣が自らを「立法府の長」と称するのは火を見るよりも明らかな間違い。国会という公の場で、目の前で即座に訂正されたにも関わらず、10年経って国会でまた同じことを言ってしまうのはどういうことなのでしょうか?単なる勉強不足や言い間違いで済む問題ではなさそうです。

「安倍政権は男尊女卑政権」 民進・山尾氏:朝日新聞デジタル

山尾志桜里氏「女性活躍どころか男尊女卑政権だ」 安倍首相「山尾さん、誹謗中傷ですよ」

【5月20日11:50追記】
19日の自民党国会対策委員会の会合において、安倍首相の「立法府の長」に対してなぜか萩生田光一官房副長官が「首相の言い間違いについては申し訳なかった」と陳謝しました。首相本人からの陳謝はありません。自分のミスを自分で謝るというのは、中学校どころか幼稚園で習っておくべき事項かと思われますが、何か難しかったのでしょうか?

東京新聞 「首相の言い間違い」 「立法府の長」発言を官房副長官が陳謝 政治(TOKYO Web)

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