あなたの街の上水道が超小型マイクロ水力発電所に、ダイキンが神戸市と共同開発へ



超小型マイクロ水力発電の開発で、あなたの街の上水道が発電所になるかもしれません。詳細は以下から。

東日本大震災以降、注目されてきた新エネルギーのひとつに小水力発電があります。その中でも特に小さな水力に預手100キロワット以下の発電を行うマイクロ水力発電は、コストパフォーマンスの悪さや機器サイズの大きさ、設置場所の限定などによってなかなか普及に至ってはいませんでした。

そんな中、ダイキン工業株式会社は環境省の「平成28年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の採択を受け、神戸市水道局と共同で上水道の管水路の水流エネルギーを利用して発電する10キロワット以下の超小型マイクロ水力発電システムの開発を目指すこととなりました。

今回の共同研究では、上水道施設に設置されている多数の圧力調整用バルブを超小型マイクロ水力発電システムに置き換え、水圧調整と同時にこれまで利用されてこなかった水力エネルギーを用いて発電を行います。もちろん化石燃料を燃やしたりはしないため、二酸化炭素排出量の大幅削減も目指せます。


また、このマイクロ水力発電システムは上水道施設のみならず、生産過程で水を多く使用する鉄や紙、化学品、薬品、飲料品などの工場への導入も想定されています。水力に応じて今回の超小型マイクロ水力発電システムや、ダイキン工業が既に開発している22キロワットクラス、75キロワットクラスの小水力発電システムを組み合わせることも可能。

ダイキン工業によると全国の上水道事業及び水道用水供給事業は1482カ所、工業用水の供給を受ける事業所は3160カ所存在しています。これらが発電能力を持てば、今まで無駄に流されていた水が安定して電気を生み出すことになり、環境保護はもちろん、電力供給の一層の安定化が期待できます。

ダイキン工業はこうした取り組みを「省エネ」に対比させて「創エネ」と呼んでいます。使う電力を減らすだけでなく、これまで見過ごされてきた場所をエネルギー源として利用するというある意味逆転の発想ですが、今後こうした視点からのエネルギーの活用はより重要な課題になってきそうです。

超小型マイクロ水力発電システムの開発を目指し、兵庫県神戸市で研究を開始 ダイキン工業株式会社

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