携帯の電磁波で本当に癌になるのか?ラットの実験で相関関係が判明



まことしやかに囁かれてきた携帯の電磁波と癌の関係がラットを使った実験で明らかにされています。詳細は以下から。

アメリカ合衆国保健福祉省が中心となり、各種産業で用いられる化学物質などの研究を行い、毒性物質の検査・試験・分類などを行う米国国家毒性プログラム(NTP)の2年間の研究によって、携帯電話の電磁波と癌の関係が指摘されました。

NTPのラットを用いた実験によると、携帯電話から放射される無線周波数の電磁波を照射されたオスのラットで神経膠腫と呼ばれる脳の癌、そして心臓の神経における神経鞘腫と呼ばれる癌が増加しました。なお、対照実験で電磁波の照射を行わなかったラットではこの傾向は見られませんでした。

NTPによるとこの結果はWHOの一部である国際がん研究機関(IARC)が2011年に発表した「無線周波数の電磁波が発癌可能性を持つ」とする携帯電話の使用に関する疫学上の研究結果と類似しているとのことです。

実験は地下に設けられた特性の実験室で行われ、CDMAやGSMといったアメリカ合衆国内で通常用いられている携帯電話の周波数帯である900メガヘルツの電磁波をラットに照射、全身の影響を観察しました。

実験に使われたラットは胎内にいる期間、そして約2年の寿命の全ての期間にわたってそれぞれCDMA、GSM用に調整された電磁波を組織料1キログラム辺り1.5ワット、3ワット、6ワット照射されます。これに加えて照射を行わない対照実験の計7グループのそれぞれで、オス・メス90匹ずつが用いられました。

電磁波の照射は毎日18時間、10分照射して10分休むというサイクルを繰り返しており、1日の照射時間は計9時間とされました。

この結果、照射を受けたそれぞれのグループでオスのラットの2~3%に脳の神経膠腫が見られ、1~6%に心臓の神経の神経鞘腫が見られました。神経鞘腫は6ワット照射グループのオスで特に発症率が高くなりました。メスについてはこうした反応は見られず、また理由は不明ですが、照射を行わなかったグループのラットは照射を行ったグループよりも平均寿命が短くなっていました。

では、この結果を受けて「携帯電話を使うと癌になるから使うべきではない!!」となるかといえば、なりません。まずラットでの実験結果をそのまま人間に当てはめることはできませんし、2年間にわたって毎日9時間も携帯電話で話し続けるという設定自体、日常生活ではなかなかあり得るものではありません。

百歩譲ってこの使用条件での発癌率を人間に当てはめたとしても、せいぜい1%から6%というもの。通常の携帯電話の使用頻度はこれよりもはるかに低いため、携帯電話の使用を止めたり制限すべきとするにはあまりにも小さな数字です。

今回の研究では脳と心臓に関するデータのみが先行して提出された形で、2017年にはさらなる報告が行われるとのこと。より精密な結果が判明すれば影響を受けやすい臓器が分かることになりそうですが、どこまで対策が行われるべきものとなるのでしょうか?

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