20GBで6000円、ソフトバンクの新プラン「ギガモンスター」のメリットや問題点を紐解いてみた

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ソフトバンクがiPhone 7発売に合わせ、9月13日から提供する新プラン「ギガモンスター」。

20GBで6000円、30GBで8000円という価格破壊をうたう同プランですが、何か注意点などはあるのでしょうか。さっそく紐解いてみました。詳細は以下から。

◆ギガモンスターの注意点やメリット
まずは9月13日以降パケットパック一覧。ギガモンスターはスマ放題、スマ放題ライトと組み合わせることができ、スマ放題ライトとデータ定額20GBを契約した場合、月額8000円で20GBのデータ通信を楽しむことができるようになります。

そしていつものようにプレスリリースを読み込み、注意点をまとめると以下のように。どちらかというとパソコンなどと組み合わせず、スマホ単体で動画視聴などを中心に利用したい若年層などに向けた内容です。

・テザリングはプラス1000円(本来スマ放題加入者は無料)
・家族データシェアの親回線になれない(家族でパケットシェア不可)
・データシェアプラスの親回線にはなれる(タブレットやルーターとはシェア可)
・データくりこしは毎月5GBまで

また、プレスリリースには書かれていないものの、ソフトバンク広報に確認したところ、「3日間で3GB」のような通信速度制限は無いとのこと。携帯各社で唯一画像や動画を非可逆圧縮(=劣化)させる「通信の最適化」が強制適用となる同社ですが、それでもかなりの好条件と言えるのではないでしょうか。

◆パケット単価が下がった結果のサービス?
見る限り、なかなか魅力的なサービスではないかと思えるソフトバンクのギガモンスター。今まで5GBで5000円が標準だったパケット単価を20GBで6000円という、非常に低い水準にまで落としたことなるわけです。

しかし携帯各社の回線を借りてサービスを提供するMVNOが、通信速度こそ及ばないとはいえ、月間10GB使える音声通話対応SIMを月額3000円(OCNモバイルONEの場合)で提供しているのを見ても分かるように、パケット単価はLTEサービスが開始された当時よりも確実に下がっているのが現状です。

ソフトバンクはギガモンスターを実現した背景に、基地局の飛躍的な大容量化を可能にする世界初の技術「Massive MIMO」導入を挙げていますが、サービス開始時点で同技術を導入するAXGP基地局はわずか100局程度。

2014年11月時点のAXGP基地局(約5万3000局)と比較しても圧倒的に少なく、つまりネットワークの大半が新技術を導入していない状況であっても、ユーザーのパケット単価を大幅に引き下げて構わないと判断できるほど、データ通信のコストは下がっていると考えるのが適当ではないでしょうか。

今年1月には毎月6GBの追加データ容量を付与する「ギガ学割」を発表していたソフトバンク。この頃から携帯各社でパケット単価を実質的に引き下げる取り組みは相次いでいました。

もちろん都心部などの人口密集地におけるMassive MIMOの優位性は確実にあると思われるものの、現状ではドコモやauによるある程度の追従も見込めるだけに、今後各社によるデータ通信料金引き下げ競争が引き起こされるのかに注目が集まりそうです。

◆ライトユーザー向けプランとのパケット単価の差がえげつないことに
また、今回ギガモンスター提供によって浮上するのが、4月に提供されたライトユーザー向けの1GBプラン(データ定額ミニ 1GB)とのパケット単価の落差。

総務省からライトユーザー向けのプランを導入するよう、促されたことを受けて創設された同プランですが、プランごとにパケット単価を割り出したところ、単価の差は実に10倍以上となります。

データ定額30GB:1GBあたり約266.7円
データ定額20GB:1GBあたり300円
データ定額5GB:1GBあたり1000円
データ定額ミニ 2GB:1GBあたり1750円
データ定額ミニ 1GB:1GBあたり2900円

ただでさえ月月割が提供されず「割高」という声が上がっている1GBプラン。政府がライトユーザー向けプラン導入を促した背景には「不公平感の是正」という声があっただけに、不公平感を加速させてしまうようなパケット単価の設定は、またしても議論を生む形となりそうです。

「5GBパックの料金にプラス1000円すれば20GBも使える」という料金設定のため、データ使用量を気にしていた層にとって、確実に福音となるであろうギガモンスター。さまざまな意味で携帯業界に一石を投じるものとなるのは間違いないと思われます。

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