結婚と出産・子育てへの最も高いハードル、いずれもやはり「経済的理由」だったと判明

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Photo by Philippe Milbault

少子化の大きな原因はやはり経済的理由でした。詳細は以下から。

昨日から話題になっている厚生労働省の出生動向基本調査。これは国立社会保障・人口問題研究所がおおよそ5年ごとに行っている調査で、独身者と夫婦に対して異性との交際や結婚、出産や子育てなどについての実態や意識を調べるもの。

その中で、結婚意思のある未婚者に、1年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるかをたずねたところ、男女とも最も多かったのが「結婚資金」(男性 43.3%、女性 41.9%)となりました。水準はどちらも5年前の前回調査とほぼ同じです。また、2000年以降の調査ではハードルとして「職業や仕事上の問題」を障害に挙げる人が増えています。

また、夫婦が実際に持つつもりの子供の数が理想的な子供の数を下回っている現状に対し、夫婦が理想の子ども数を持たない理由についても「子育てや教育にお金がかかりすぎる」という経済的な理由が56.3%と過半数に達しトップの回答となっています。この傾向は妻の年齢が35歳未満の若い層では8割前後に達しています。

ここから読み取れるのは、結婚の意思のある若者にとって経済的な理由がハードルとなっていると共に、結婚した夫婦にとっても子育てや教育がお金の掛かりすぎるものであるということ。「若者の結婚離れ」や「若者の出産離れ」の背景には「お金の若者離れ」という現実が重くのしかかります。

逆に言えば、若者にお金がしっかりと回るようになれば、意志のある若者にとって結婚や出産・子育てへのハードルは低くなるということ。育児休暇や保育制度の充実はもちろん、そこに至るまでの段階の若者への経済面でのバックアップが少子化対策として有効であると言えそうです。

また、この調査では独身の男女のうち、「異性の交際相手がいない」と答えた男性が69.8%(前回61.4%)、女性で59.1%(同49.5%)と大幅増加しているというショッキングな数字が出ています。性体験のない独身男女も男性42%、女性の44.2%とどちらも前回調査より増加しています。

異性との交際には最低でもデートの時間と多少のお金が必要になるもの。ブラック企業で低賃金で長時間労働をしている場合はどちらも満足に捻出できない可能性が少なからず存在しています。この5年間で男女ともに10ポイント前後も交際相手がいない人が増えているということを考えると、何らかの相関関係は疑ってみてもよいのかも知れません。

2015年の調査で恋愛結婚が87.7%にも上ることを考えれば、恋愛→結婚→出産・子育てという流れはやはり王道と言えるもの。独身の若者が恋愛のできるような時間とお金を持ち、結婚を考えるだけの資金を貯められ、育児や教育に掛かる多大な費用や諸コストを保障する制度があればこそ、少子化に歯止めを掛けることができるのではないでしょうか?

(pdf)第 15 回出生動向基本調査 結果の概要

「交際相手いない」男性7割、女性6割 過去最高を更新 :日本経済新聞

独身男性7割「交際相手いない」「性経験なし」も増加 – 産経ニュース

(Photo by Philippe Milbault

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