「EU離脱を記念し、イギリスを取り戻すため放送終了時に国歌を流すべき」と保守政治家に要求されたBBCの返礼が最高にパンク

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Photo by c.art

イギリスの公共放送はひと味違うようです。詳細は以下から。

「政府が『右』といったものを『左』と言う訳にはいかない」と籾井勝人会長が明言するなど、極めて政府寄りの「報道」を恥ずかしげもなく行う日本の公共放送、NHK。しかしイギリスの公共放送であるBBCはパンクな気骨に溢れていました。

イギリスのEU離脱に賛成した政治家のひとりである保守党のAndrew Rosindell下院議員は時期尚早動議で「BBC1が毎日の放送終了時に国歌の『God Save the Queen』を流すべきだ」と発議しました。これは1997年まで行われていた伝統で、イギリスのEU離脱と女王陛下の90歳の誕生日を祝うために復活させようというもの。

Andrew Rosindell下院議員は「これはかつて行われていた伝統で、今こそ復活させるべき時だ。EU離脱に引き続き、イギリスを取り戻すというメッセージを発し、女王陛下の90歳の誕生日への捧げ物にしようぞ」とテレグラフ紙に熱く語っていました。

これに対し、BBC Newsnightは「私たちはBBC1じゃないけれど、喜んでそのお願いを聞き入れましょう」とキャスターが語り、「God Save the Queen」を流します。必見の動画は以下から。

God Save The Queen playout – BBC Newsnight – YouTube

ということで、ど真ん中直球のパンクな返礼を見せつけてくれました。セックスピストルズの「God Save the Queen」はこちらのサイトが歌詞を国歌と比較していますが、ピストルズの楽曲はイギリスのエスタブリッシュメントと呼ばれる支配階級を痛烈に批判するもの。

ピストルズは1977年、エリザベス女王在位25周年祝典の日にテムズ川のボートでゲリラライヴを行い、その際にこの曲を歌って逮捕されており、彼らの「God Save the Queen」は当時BBCによって日中は放送禁止の措置を取られています。そのBBCが敢えてこの曲を使って保守政治家の要求に返礼してみせるというこの事態そのものがもう、この上なくパンクです。

この対応についてはBBC Newsnightの公式ツイッターアカウントもツイートし、2日ほどで1万を超えるリツイートを叩き出しています。

これは日本で言えば、右翼政治家に放送終了時に君が代を流せと言われた報道局が(NHKは昭和27年から流し続けていますが…)こちらのヴァージョンを流すようなもの。

Kiyoshiro Imawano – Kimigayo ~ 忌野清志郎 – 君が代 – YouTube

政治家の要求にしっかりと中指を立てて自らの存在意義を示せる気骨のある報道機関は現代の日本にどれほど残っているのでしょうか?もちろん大本営発表の追随や日和見の両論併記に終始するのであれば報道の名に値しないことは言うまでもありません。

BBC News Plays Sex Pistols’ “God Save the Queen” to Mock Pro-Brexit Politician _ Pitchfork

(Photo by c.art

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