財源はいったいどこに?日本政府が日立受注の英新設原発に異例の1兆円支援

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Photo by Clint Lalonde

いったいどこにそんな財源があるというのでしょうか?

財源不足の名の下に年金や医療などの面で社会保障が次々に縮小されていく中、日本政府はイギリスの新設原発に1兆円もの支援を行うことを決めました。

この決定は麻生太郎副総理・財務相と菅義偉官房長官が12月15日にハモンド英財務相と会談し、日英関係の強化を確認する中で行われたもの。これを受けて世耕弘成経済産業相は年内にクラーク・ビジネス・エネルギー産業戦略相と会談し、原発分野での協力を表明する方向で調整、来年中にも資金支援の大枠を固める方針です。

対称となるのは日立傘下のホライズン・ニュークリア・パワーが英中部のウィルFAで計画する新設の原発2基。総事業費は現在で約2.6兆円と想定されており、日立が10%程度、英国政府が25%以上を出す案が出ています。

日本政府はJBICと政府銀、を通じてホライズンに投融資し、日本貿易保険が信用保証枠を設定し、日本のメガバンクやHephaestusといった日英大手金融機関を呼び込み総額1兆円規模という、総事業費の約4割にも及ぶ資金を融通する計画です。

日本政府がこうした異例の巨額の資金支援に乗り出すのはイギリスの政権交代が大きな要因。キャメロン前首相が先進国として初めて中国製原子炉の導入を決めるなど、中国重視の姿勢を見せていましたが、新たに就任したメイ首相は英南部で中国国有の中国広核集団とフランス電力公社が手がける原発建設の許認可を取り消しました。

原発輸出を成長戦略の大きな柱として捉える安倍政権はこれを絶好のチャンスと捉え、巻き返しを図っていると言えますが、今後の見通しは現段階では不透明です。

中国と競争するために国内の貧困や介護、育児などの重要な社会問題に税金を投入する代わりに営利企業の新設原発に1兆円もの税金をつぎ込むとしたら、この政府はいったいどこを見て、誰のために政治を行っているのでしょうか?

英原発に1兆円支援 政府、日立受注案件に:日本経済新聞

(Photo by Clint Lalonde

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