「同人誌作ろう」にも適用?「共謀罪」法案の対象に「著作権等の侵害等」まで盛り込まれる

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「共謀罪」はやはりただの「テロ等準備罪」ではなさそうです。詳細は以下から。

森友学園事件に日本中が揺れる中、静かに法案提出への動きが進んでいるのが「テロ等準備罪」こと「共謀罪」。これは重大な犯罪の実行を計画した段階での処罰を可能にするという、いわば「まだ起きていない犯罪」を裁く法律です。

法案は「組織的犯罪集団」の活動として、当該組織によって行われる犯罪を2人以上で計画した場合に処罰対象としています。具体的には資金や物品の手配、関係場所の下見、そして「その他」の実行準備行為を行った時に処罰されるとしています。

ただしこれは実際の犯罪行為が起こっていない状態であり「内心の処罰は表現の自由を脅かす」「捜査機関が乱用する恐れがある」と危険性が指摘され、過去3回に渡り廃案となってきました。

◆「テロ等準備罪」はテロに関係ない一般市民にも適用される
しかし現在政府はこの「共謀罪」を「テロ等準備罪」と言い換えて今国会での法案提出に向けて本格的に動いており、安倍首相も当初は「一般市民が対象となることはありえない」と断言してこれまでの「共謀罪」とは違うという認識を強調してきました。

しかし金田法相が「一般市民は、『組織的犯罪集団』という定義に入らないということでいいのか」との国会での質問に「団体の性質が一変したと認められなければ、組織的犯罪集団と認められることはない」と回答。法務省も、「正当に活動する団体が犯罪を行う団体に一変したと認められる場合は、処罰の対象になる」と公式見解を出しており、捜査当局が「団体の性質が一変した」と認めれば対象となることが明らかになっています。

「共謀罪」ついに姿を現すが、 「3回廃案の焼き直し」そのもの 保坂展人

政府は適用対象を「懲役・禁錮4年以上」に相当する犯罪のうち当初案の676種類から半分以下に大幅削減し、「テロの実行」に関する91の法律で規定した277種類の犯罪に規定したと説明しています。それらの法律には刑法、組織的犯罪処罰法のほか、競馬法、自転車競技法、文化財保護法、自衛隊法、水道法、商標法、道路交通法、所得税法、貸金業法、消費税法、会社法などが含まれます。

「共謀罪」法案の概要判明 薬物など5分類277種類

◆「テロ等準備罪」なのにテロは関係ない?
政府が与党向けに作った資料では、上記の犯罪を「テロの実行」「薬物」など5つに分類していますが、東京新聞が法案全文を入手したところ、そのどこにも「テロ」の文字はなく、さらには特定秘密保護法で規定されているようなテロの定義すらありませんでした。

東京新聞_テロ準備罪に「テロ」表記なし 「共謀罪」創設の改正案を全文入手_社会(TOKYO Web)

「共謀罪」法案、自公了承へ 条文に「テロ」表記なし:朝日新聞デジタル

そして、3月1日の公明党の会合での「条文に、なぜ『テロ』という文言が入っていないのか」との質問に対し、法務省の担当者が「テロ対策には有効だが、テロの防止だけを目的にした法案ではない」と回答。「テロ等準備罪」が事実上「共謀罪」であることを認めています。

テロ等準備罪 “テロの防止だけが目的ではない” _ NHKニュース

つまり、安倍首相が「テロ等準備罪で、共謀罪と呼ぶのは間違いです」と「印象操作」を行ってきたこの法案がテロ防止のためのみに使われるわけではないこと、一般市民も対象となり得ることが法案提出前から明らかになってしまったのです。

◆「著作権等の侵害等」も適用対象
さらに、ここにはなぜか「著作権等の侵害等」までもが滑り込まされていることが分かりました。

つまり「同人誌を作ろう」などと2人以上で二次創作を計画し、そのための道具を揃えるために預金を下ろしたりするだけで適用対象となる可能性があるということ。

もちろんネット上では「海賊版の販売がテロの資金源になっているから盛り込まれている」という意見もありましたが、本法案の目的がテロ防止だけでなく、一般市民も対象となり得ることが判明している以上、そう簡単には対象外になると断言できるものではありません。

問題は「二次創作をコミケなどで販売すること」がテロの資金を集めるための手段と目される事ではなく、「共謀罪」の適用対象となることで「二次創作をコミケなどで販売すること」を理由に捜査当局が恣意的に特定個人の逮捕や家宅捜索に踏み切る可能性が残されるということ。

オウム真理教の信者がカッターナイフを持っていて「銃刀法違反」となり、駐車場に足を踏み入れて「不法侵入」となって微罪逮捕された歴史的事実を考えれば、捜査当局による「まだ起きていない犯罪」を裁く本法案の乱用の危険性は微罪逮捕どころではありません。

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