文科省が話題の「忖度」の実例を紹介「道徳教科書でパン屋を和菓子屋に修正したのは出版社の判断に基づく」

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さすがは文科省、自ら今話題の「忖度」の実例を同様に話題となっているパン屋和菓子屋問題で明示してくれました。詳細は以下から

「『国や郷土を愛する態度』などを学ぶという観点で不適切だ」という理由で道徳の教科書のパン屋が和菓子屋に修正されるという、戦中そのまんまの教科書検定が行われたことはBUZZAP!でも紹介したばかり。

【悲報】「『国や郷土を愛する態度』などを学ぶという観点で不適切だ」という理由で道徳の教科書のパン屋が和菓子屋に修正される | BUZZAP!(バザップ!)

アンパンマンもジャムおじさんもびっくりな検閲に日本中が「全国の学校が森友学園になってしまうの!?」と驚愕しましたが、文科省はこの騒ぎの中で、同様に日本を騒がせてきた森友学園で日本人の社会人スキルのひとつとしてもてはやされている「忖度(そんたく)」の実例を紹介してくれました。

◆文部省による「忖度」の実例
キャリコネニュースが本件に絡み、文部科学省初等中等教育局の教科書課へと取材をした記事によると


「色々なことが言われていますが、文科省がパン屋を和菓子屋に修正するよう指示した訳ではありません。修正箇所はあくまでも出版社の判断に基づくものです」

「道徳の学習指導要領では、最低限教えなければならない項目を学年ごとに19~22個定めています。パン屋が和菓子屋に修正された教材は、検定時に書籍全体として『我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと』という項目の、特に『我が国』の部分の記載が充足していませんでした。そのため、教科書全体を通してこの部分を記載するよう指摘したまでです。パン屋の個所が悪いという意図はありません」

道徳教科書の検定問題、文科省がネット上の批判に反論 「パン屋が和菓子屋に変更になったのは出版社の判断」 _ キャリコネニュースより引用)

と回答を得たということ。つまり、「教科書全体を通して『我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつこと』という項目の、特に『我が国』の部分を記載するよう指摘したまで」というのが文科省の立場。

だから「文科省がパン屋を和菓子屋に修正するよう指示した」訳ではなく「修正箇所はあくまでも出版社の判断に基づくもの」となるわけです。つまり「出版社が文科省の指摘を受けて忖度した結果、パン屋が和菓子屋に修正された」という、そのまま道徳の教科書に掲載してもいいレベルに分かりやすい「忖度」の実例が示されたことになります。

ここで大切なのは文科省は明示的に指示した訳でなく、より抽象的な指摘なり言及を行っているだけで、あくまで出版社側がそれを受けて自主的に修正したという言い訳が成り立つこと。文科省側はこれによって誰も責任を取らされることはなく、批判されるとしたら修正した主体である出版社側という仕組みになります。

森友学園問題で財務省や近畿財務局、大阪府の職員らが行った忖度がどのような性質のものか、イメージが鮮明に浮かび上がります。さすが文科省と言わざるを得ません。

◆一方産経新聞は…
ですが、残念ながらまとめサイト産経新聞は忖度の意味が全く理解できていないようです。

森友学園問題に絡み、籠池夫人から安倍昭恵さんへのメールに辻元清美議員の名前が登場したことに一部ネット民が大興奮している様子は冷ややかな目で見られていましたが、産経新聞は残念ながら我慢ができず、これに飛びついてしまいました。

そしてそのタイトルにはなんと「民進党『拡散やめて』メディアに忖度要求」という仰々しい文字が。覚え立ての忖度という言葉を使ってみたくて仕方がなかったのでしょうか。

【森友学園問題】民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」 民進党「拡散やめて」メディアに忖度要求 – 産経ニュース

しかし、民進党が公式に「メディア各位におかれては、このような誤った内容を拡散しないよう強く求めます」と直接要求している事案に対して「忖度要求」というまったく日本語になっていない造語で揶揄しようという辺りはいつも通り極めて浅薄。これ以外にも

民進党は誤った内容だとメディアに情報を広めないよう「忖度(そんたく)」を求める

首相には説明責任を強く求め、昭恵夫人の証人喚問を主張しながら、報道には自主規制を要請したように受け取れる。

という記述が文中にもあり、揶揄の失敗ではなく本当に忖度の意味が分かっていない可能性もあります。

なお、辻元清美議員の「疑惑」については、籠池理事長による議院証言法に基づく、偽証罪適用の証人喚問での「証言」を安倍首相始め政府与党が揃って嘘つきであると印象操作を行った挙句、その籠池理事長の妻の単なるメールの文面と産経新聞の報道を首相が真実であると信じ込み、国会で「同じ事が辻元さんにも起こってるじゃないですか」などと発言するのは滑稽の極みであることを指摘するにとどめます。具体的なファクトチェックは既にリテラ等で十分行われているため、本記事上では改めて取り上げません。

失笑! 安倍官邸がネトウヨの妄想に丸乗りし“辻元清美スパイ工作”デマを拡散! 安倍応援団の山口敬之は昭恵夫人疑惑と同列扱い

何とも日本的で海外の報道機関が翻訳に頭を悩ませる「忖度」、ぜひともまとめサイト産経新聞ではなく文科省の正しい実例で覚えて下さいね!

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