日本初、男性カップルの養育里親を大阪市が認定



日本で初めて同性カップルの養育里親が認定されていたことが分かりました。詳細は以下から。

2016年12月、大阪市内在住の30代と40代の男性カップルが養育里親として大阪市に認定されていたことが明らかになりました。

厚生省は里親委託に関するガイドラインを2011年に策定、これに基づいて各自治体で里親認定の運用が進められています。

このガイドラインでは里親希望者の要件について異性のカップルでなければならないとは定めておらず、同省家庭福祉課は「ガイドライン上、同性カップルでも里親を希望することは可能」としていましたが、実際に認定されたのは全国初とのこと。

大阪市も「愛情があり心身が健康で経済的に安定していれば、どのような家族形態でも里親になることは可能」と判断、公益財団法人「全国里親会」の担当者も「子供本人の意向などを慎重に確認して市が判断した結果だろう。同性カップルであるかどうかにかかわらず、子供の未来のために何が利益になるかが最も重要だ」としています。

日本国内では現在、約4万5000人の子供が社会的養護のもとで生活しています。大半は児童養護施設などで暮らしており、里親に預けられているのは1割強にあたる約5000人にとどまっているのが現状です。

同性カップルの里親に関してはLGBTQへの無理解や偏見などから反対論が存在していますが、2014年には「同性カップルの子どもの方が男女夫婦の子どもよりも健康で幸福だ」とするオーストラリアのメルボルン大学の研究結果が出されています。それによると


「健康」と「家族の絆」を測る項目で、同性カップルの子どもは全体を平均で6%上回るスコアを記録した。一方、「気性・気分」「態度」「精神衛生」「自尊心」の項目では、全体と同水準のスコアだった。

同性カップルの子供は健康で幸せ?―豪大学の調査で判明 - WSJより引用)


とのこと。海外で同性婚が認められた国の多くで同性カップルが養子縁組などを認めており、アメリカ合衆国ではレズビアンカップルの3組のうち1組が、ゲイカップルの5分の1が、オランダでは同性カップルの9%が、デンマークでも6分の1の同性婚カップルが子どもを育てているのが現状です。

同性カップルにも養子を認めるのですか? _ EMA日本

また、イングランドで同性カップルに引き取られた養子の数は、2007年時点で90人だったところ、2014年には約3.8倍の340人にまで急増しており、同性カップルが里親家庭・養子縁組家庭の重要な受け皿になっているという現実もあります。日本でも同様に大きな受け皿となっていく可能性もあります。

英国、同性カップルが迎えた養子数が3倍以上に _ GENXY

それでもなお「同性カップルに育てられる子供は社会から好奇や偏見の目で見られるから可愛そう」などという馬鹿げた反対意見もありますが、それはあなたが好奇や偏見の目で見ず、周りのそうした偏見に満ちた目をたしなめて止めさせればいいのです。その問題の責任は社会の側にあり、同性カップルにも育てられる子供にも一切、これっぽっちもありません。

どう考えても反対すべきは同性カップルや彼ら彼女らに育てられた子供に対するあなたを含めた社会の好奇や偏見の目でしかないはず。反対する方向が真逆であることに今すぐ気付くべきです。

男性カップルが里親に 大阪市が異例の認定:日本経済新聞

同性カップルを「養育里親」に認定 大阪市 _ NHKニュース


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