シャレにならない、共謀罪はキノコ狩りをしようと「相談するだけ」で「中止しても」成立すると判明

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共謀罪が本格的に洒落にならない事態になっています。詳細は以下から。

BUZZAP!では先月共謀罪の対象に「著作権等の侵害等」までもが含まれていることをお伝えしました。しかし、共謀罪の範囲は保安林でのキノコや山菜狩りまでもが含まれており、しかも計画を中止したとしても成立してしまうというなんでもあり状態であることが判明しました。

「同人誌作ろう」にも適用?「共謀罪」法案の対象に「著作権等の侵害等」まで盛り込まれる | BUZZAP!(バザップ!)

◆「キノコ狩り行こうぜ!」で共謀罪成立
4月17日、民進党の山尾志桜里議員は政府が277に絞り込んだとする対象犯罪が、以前と同じカウント方法で数えたら300を超えるのではないかと質問。金田法相は「数え方に一定のルールはないが、基本的に条項を基準に考えている」と答弁、ルールがない中で半分以下に減らしたとするための「印象操作」を行っていたことが明らかになりました。

また、文化財保護法や種苗法違反を盛り込んだことに対し、森林法違反の事例を挙げて「保安林でキノコを採ることもテロの資金源となるのか」と質問。

金田法相は「森林窃盗の対象となる産物には、立木、竹、キノコ(など)相当の経済的利益を生じる場合もありますことから、組織的犯罪集団が、組織の維持・運営に必要な資金を得るために計画することが現実的に想定されるのであります」と答弁し、なんとキノコ狩りも共謀罪の対象になることが判明しました。

山尾議員は「国民の良識とあまりにもかけ離れている。法案は本当にテロ対策なのか」と批判していますが、これも当然。林野庁の公式サイトによると


我が国の森林面積の約5割、国土面積の約3割を占めています。

保安林制度:林野庁より引用)

とのことで、ちょっとそこらの山でキノコやタケノコ、山菜でも摘みに出掛けようかと相談すればあっという間に共謀罪が成立してしまうのです。そして恐ろしいことに、例え共謀罪の対象となる犯罪の計画を中止したとしても、共謀罪は成立することが明らかになりました。

◆計画が中止になっても共謀罪成立
4月18日の閣議決定で、重大な犯罪が計画され、準備行為が行われれば、その後、計画が中止になっても、すでにテロ等準備罪は成立しているので、未遂や中止による刑の減免を定めた刑法の規定は適用されず、処罰は可能としており、準備行為のあとに計画から離脱したメンバーについても同様に処罰できるとしました。

テロ等準備罪 計画中止でも処罰可能 政府が答弁書 _ NHKニュース

これは恐ろしいことで、捜査当局が保安林でのキノコ狩りの準備行為が行われたと認識すれば、結果的に中止になったとしてもアウト。途中で計画から離脱してもアウトということ。

特に、以前BUZZAP!記事で言及した「著作権等の侵害等」に関して言えば、計画段階であっても、仮に中止したとしても共謀罪が成立するということは、「著作権の侵害」の非親告罪化が前提といいうことになります。誰もまだ作られてもおらず、場合によっては計画倒れになった薄い本の著作権侵害などは訴えられません。関連法が共謀罪に合わせて無理矢理変えられる可能性も十分にあるということです。

◆相談しただけじゃ「準備行為」に該当しない?

4月17日に民進党の階猛議員は「犯行の計画を紙に書く」行為が「共謀罪」の要件となる準備行為に当たるのかを質問。金田法相は「計画内容を紙に書きとめる行為や再確認メールを送る行為は、通常は先行する計画の内容を確認するものにすぎない」と述べ、準備行為に当たらないと説明しました。

つまり、この記事のタイトルにあるようなキノコ狩りしようと「相談するだけ」では共謀罪は成立しないのではないかという疑問が起こるかもしれません。しかし、共謀罪の法案では準備行為を「資金または物品の手配、関係場所の下見その他」としています。

東京新聞_「共謀罪」拡大解釈の懸念 準備行為、条文に「その他」_社会(TOKYO Web)

極めて大きな問題は、準備行為は「犯罪行為である必要はない」ということ。捜査当局が準備行為で認めた段階でそれは準備行為となってしまいます。例えばキノコ狩りの予定日の前に「ATMでお金を下ろす」という極めて日常的な行為をした場合でも準備行為と判断できる余地が法案に残されているということ。

そして、より大きな問題は準備行為には「その他」というマジックワードが加えられており、「資金または物品の手配、関係場所の下見」以外でも捜査当局が準備行為であると判断すればそれが共謀罪の適用要件になってしまうのです。

キノコ狩りの計画を捜査当局が察知した場合にもし共謀罪を適用したければ、計画者の日常行為に難癖を付けて準備行為であるとすれば、計画に加わったとされる人々を軒並み共謀法違反にできるということ。

テロ対策を謳いながら、あまりにも市民に対して捜査当局が恣意的に大きな力を手に入れることとなり、極めて危険なことは言うまでもありません。もちろんキノコ狩りの計画を事前に察知するためには通信傍受を含めた事前の捜査も行われることとなり、プライバシーの問題にも大きく影響することは間違いありません。

では、取り締まる捜査当局を信用できるのかといえば、昨今の日本各地の警察官の起こした事件や不祥事の数々を見れば、どう考えても無条件になど信用できるはずもありません。

こうした極めて危険な法律を拙速に成立させることは極めて危険。日本社会を根本からまったく違うものに変えてしまう可能性が十分に考えられます。少なくとも、与党は今国会での成立を急ぐことなく、パブリックコメントの実施を含めて十分に国民の意見を聞き入れるべきでしょう。

キノコ採りも「共謀罪」対象? 民進、法案の必要性問う:朝日新聞デジタル

「テロ対策なのか?」“共謀罪”法案を追及|日テレNEWS24

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