ムーニーの子育て応援ムービーが父親不在の「ワンオペ育児」賛美だと大きな批判



このご時世ですら子育ては母親だけが背負うべき重荷だとムーニーは考えているのでしょうか?批判が巻き起こっています。詳細は以下から。

衛生用品の大手メーカーとして知られるユニ・チャーム株式会社のおむつブランド「ムーニー」がはじめての育児に奮闘するママへの応援歌としてツイッターにアップした動画が物議を呼んでいます。

◆父親不在のワンオペ育児を美化するムーニーのCM
問題となっているのは以下の動画で、主な内容は初子を産んだばかりの母親が育児に奮闘する様子。自分の時間がまったく持てず、可愛いはずの赤ちゃんの世話にしんどさを感じたり、他の母親が立派に見えて泣きそうになるなど、「子育てのリアルを描く」という謳い文句に大きな嘘はありません。


では何が問題なのでしょうか?この動画に大きな批判は「父親の不在」です。出産直後のシーンとタクシーに乗るシーンに一瞬だけ父親が映りますが、動画のそれ以外の部分ではまったく姿を見せません。

父親が育児を手伝うシーンがないのはもちろんのこと、育児以外の買い物や炊事、洗濯、掃除などの家事を行うシーンもなければ辛そうな妻をねぎらうシーンすらなく、空気同然となっているのです。もちろん父親以外の家族・親族もそれ以外の母親を取り巻く人々の手助けも一切描かれず、まさに孤立無援。

現代日本ではそれすらも「子育てのリアル」なのかもしれませんが、ムーニーは動画内でこの現状を追認し、最後まで育児は母親が行うものであると描ききってしまいます。そこには母親だけに育児が任される「ワンオペ育児」への皮肉も批評性もなく、たったひとりで子育てに励む母親の姿の美化に終始しています。

女性の産休や育児休暇からの社会復帰の困難さが取り沙汰され、同時に男性の育児休暇を始めとした育児への参加が議論されている現状をムーニーはどれほど理解しているのでしょうか?あくまで育児は女性が全ての時間と労力を注ぎ込んで行うべきものであり、父親の不在は問題にならないと考えているのでしょうか?

このツイートのコメント欄にも「実際こういう状態だった」というリアルさへの「共感」と共に、ワンオペ育児を賛美しているとしか取れない内容への批判が溢れかえっています。

◆一方パンパースのCMは…
これに比較されて大きく拡散しているのがP&Gの展開するおむつブランド「パンパース」の世界中の赤ちゃんを巡る人々を描いたCM。

お父さんが育児を手伝うのはもちろんのこと、祖父母や兄弟姉妹、通りすがりのサラリーマンやバスの運転手など、家族だけでなく社会全体で育児をサポートしていこうという明確なメッセージと愛に満ちた内容になっています。

動画はこちら。涙腺崩壊の可能性が高いので職場閲覧注意です。

パンパース│キミにいちばんのこと│#キミにいちばん - YouTube


いったいどうしてこうなったのでしょうか?多くの母親にとって日本の「子育てのリアル」がムーニーのCMに近い事は想像に難くありません。しかしそれはあくまで改善していくべき問題であって、美化し、賛美し、受容を求めていいものではないはず。

有名なおむつブランドとしてムーニーが目指すのは、今現在の母親が孤立無援の中で、それでも苦しみながらワンオペ育児を続けていく社会なのでしょうか?

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