加計学園問題で「総理のご意向」と内閣府が言及した文科省の記録文書の存在が発覚、安倍首相は以前に「働きかけあれば責任取る」と明言

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文科省は財務省とは違い、文書破棄は行わなかった模様です。詳細は以下から。

「第2の森友学園」と言われながら、金額的には森友学園をはるかに超える36億円の土地を安倍首相の40年来の親友の運営する学園に無償提供したとされる加計学園問題。これまでは森友学園の影に隠れていた感がありましたが、安倍首相の関与を示す決定的な文書の存在を朝日新聞が報じました。

加計学園問題の経緯を総ざらいしながら見てみましょう。

◆加計学園ってどんな学園?
加計学園は岡山県に本拠を置き、複数の大学、幼稚園、保育園、小中高、専門学校など様々な教育事業を配下に収める一大教育グループ。

加計学園の加計孝太郎理事長は安倍首相のアメリカ留学時代からの40年来の親友で、安倍首相は加計学園運営の大学の記念式典の祝辞で加計理事長のことを「どんな時も心の奥でつながっている友人、腹心の友だ」と述べており、2016年にも共に何度も食事やゴルフを共にしています。

また、昭恵夫人も神戸市東灘区で加計学園が運営する「御影インターナショナルこども園」という認可外保育施設の名誉園長を務めるなど、安倍夫妻が揃って非常に強い繋がりを持っている人物が運営する学園であることを押さえておかなければなりません。

◆加計学園問題っていったい何?
加計学園問題というのは、この加計学園の傘下の岡山理科大が獣医学部を新設し、2018年度に愛媛県今治市に新キャンパスを開校する件について、極めて大きな便宜が図られたのではないかという疑惑です。

安倍政権は2015年12月、今治市を全国10番目の国家戦略特区にすると決め、2016年11月には獣医学部の新設に向けた制度見直しを表明しました。そして2017年1月4日に今治市と広島県の国家戦略特区で獣医師養成学部の新設を認める特例措置を告示、わずか1週間の募集期間で公募を開始したのです。当然ながらこのタイミングで応募できたのは加計学園のみ。

そして安倍首相を議長とする国家戦略特区諮問会議は1月20日に加計学園を事業者として認可。今治市議会はこれを受けて3月3日今治新都市第2地区(同市いこいの丘)の約17万平方メートルを約36億7400万円で市土地開発公社などから買い戻し、加計学園に無償譲渡することを採決しました。

さらには、愛媛県と今治で施設整備として最大96億円を助成することも決まっています。

加計学園:誘致の愛媛・今治市が説明会「森友とは違う」 – 毎日新聞

なお、3月3日の今治市議会の採決から5日後に現場を訪れた日刊ゲンダイ記者が既に基礎工事が始められている事を目撃。これ自体あり得ないスピード着工ですが、本件で最大で32億円の負担を求められる事になる愛媛県議会がこの議案を本格審議するのは6月議会の予定なのです。

つまり、実際に施設整備に最大32億円の税金を投入する主体である愛媛県の県議会で採決どころかなんら審議が行われていないタイミングで既に工事が始まってしまっているという前代未聞の事態が発生しています。

36億円公用地を無償譲渡 “第2の森友”スピード着工の奇怪|政治|ニュース|日刊ゲンダイDIGITAL

◆そもそも獣医学部の新設は1966年以来認められていなかった
今回の獣医師養成学部の新設を認める特例措置が認められる以前には、1966年の北里大学以降、獣医学部の新設は認められてきませんでした。これは文科省が獣医師の質の確保を理由に獣医師養成学部・学科の入学定員を制限してきたため。

実際、加計学園は10年前から今治市に岡山理科大獣医学部キャンパスの新設を申請してきており、今治市も構造改革特区を利用して国に獣医学部の誘致を認めるよう15回も申請してきましたが、日本獣医師会が「現状で獣医師は充足している」と反対を唱えたほか、国も「獣医師の供給不足は起きていない」として全て突っぱねられてきたという経緯があります。

しかし、第二次安倍内閣発足後、前述したように今治市が全国10番目の国家戦略特区にすると決められ、急ピッチで岡山理科大獣医学部の新設への動きが各方面で行われたということになります。

この際、日本獣医師会の境政人専務理事は、「週刊朝日」の取材に対し安倍首相による国家戦略特区会議や及び分科会に一切呼ばれず、直接意見を述べる機会すらなかったと証言しており、愛媛県選出の自民党・村上誠一郎衆院議員も


過疎地の今治に大学をつくって採算が合うのか。党獣医師問題議員連盟会長の麻生(太郎)財務省や文教族の大物なんかも当初は認可に反対していたのに、同地が国家戦略特区に選ばれて認可が決まった途端に何も言わなくなった。財務省が反対していた案件がひっくりかえるのだから、よほどの『天の声』があったとしか思えない。

とのコメントを寄せています。こうした経緯を踏まえた上で5月17日の朝日新聞のスクープを見てみましょう。

◆内閣府からの「忖度」を求められた事を示す文書を文科省が作成
文部科学省は、加計学園が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする記録を文書にしていました。

一連の文書には、「10/4」といった具体的な日付や、文科省や首相官邸の幹部の実名、「加計学園」という具体名が記されたものが存在しており、経緯を知る文科省関係者は朝日新聞の取材に対し、いずれも2016年9~10月に文科省が作ったことを認めています。さらに、文書の内容は文科省の一部の幹部らの間でも共有されているとのこと。

これは森友学園問題で、文書を破棄したと答弁したり「確認を差し控える」などという国民を舐めきった対応をしている財務省の対応とは真逆。実際に内閣府からの文言を記した文書の存在は加計学園問題に安倍首相が関与していた大きな証拠となり得ます。

なお、安倍首相は3月13日の参議院予算委員会で福島みずほ議員の質問に答えて声を荒げながら

でも彼(加計孝太郎理事長)から私頼まれたことはありませんよ、この問題について。ですから働きかけていません。これははっきりと申し上げておきます。働きかけていると言うんであれば、何か確証を示してくださいよ。

私はもし働きかけて決めているんであればこれは私責任取りますよ。当たり前じゃないですか。

と関与を完全に否定しており、働きかけがあったのであれば責任を取ると明言しています。

上記発言は動画の16:18から。加計学園についての質問は4:15頃から始まります。

加計学園で安倍晋三が大興奮3_13福島みずほ:参院・予算委員会 – YouTube

安倍首相は福島議員の質問に対し、加計孝太郎理事長や加計学園の実名を出していることに「責任が取れるのか」と詰問していますが、実際に関与が明らかになった今、どのようにして自身の責任を取るつもりなのでしょうか?

森友学園問題では私や妻が関係していたということになれば、これはもうまさに総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたいと明言していましたが、加計学園問題は森友学園問題ではないから別問題だとでも言い逃れるつもりなのでしょうか?

安倍首相の、自らの言葉への責任の取り方が問われることになります。

加計学園の新学部「総理のご意向」 文科省に記録文書:朝日新聞デジタル

“第二の森友”安倍首相の親友が経営する加計学園の新疑惑! 官邸は国家戦略特区指定の情報を非公表に

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