「不当に安い」とUQ mobileやワイモバイルが他のMVNOから非難、はたしてそれは正しいのか



大手携帯電話会社のサブブランドとして機能しているワイモバイルやUQ mobileに対し、携帯会社から回線を借りてサービスを提供する「仮想移動体通信事業者(MVNO)」から非難の声が上がっています。詳細は以下から。

◆昼でも快適に通信できるワイモバ、UQに批判
産経新聞社の報道によると、ソフトバンクが提供している「ワイモバイル」や、KDDI傘下のUQコミュニケーションズが提供している「UQ mobile」が格安スマホ市場で存在感を発揮する中、他のMVNOや有識者から「携帯大手の資本力を武器にほかのMVNOを邪魔している」などといった批判が寄せられているそうです。

これは大手携帯各社から回線を借りているMVNOの場合、利用者が増える昼間に通信速度が急減してしまう弱点を抱えているのに対し、ワイモバイルやUQ mobileは昼間でも快適に通信できることを問題視したもの。

Buzzap!編集部で平日12時台にUQ mobileのiPhone SEで通信速度を計測した結果。50~100Mbpsという、かなりのパフォーマンスを叩き出しています。


KDDIから回線を借りているUQ mobileについて、「昼間でも回線が遅くならないほど潤沢に帯域幅を買っているのに、料金が安いままなのはおかしい」と指摘されているほか、ワイモバイルについても「大手から回線を借りる他のMVNOを潰しにかかっている」とされています。

◆「不当に安く回線を借りている」などという批判は当たらないのではないか
確かに不当に安く回線を借りてサービスを提供しているのであれば、問題となりそうな今回の批判。しかしUQ mobile(UQコミュニケーションズ)はKDDIから携帯電話回線を借りる一方で、WiMAX 2+回線をKDDIに貸す立場です。

2014年発売のiPhone 6以降、auスマホのWiMAX 2+回線への依存度は高く、UQがKDDIから得た回線使用料収入の一部をKDDIから借りる帯域幅の支払いに充てていると考えれば、「不当に安く回線を借りている」という理屈は当てはまりそうにありません。


また、ソフトバンクに吸収されたワイモバイルについても、前身となったイー・モバイルはグローバルでも広く用いられる1.8GHz帯を使ったLTE網を展開。ウィルコムもAXGP向けの周波数帯を保持していたことを考えると、KDDIやUQコミュニケーションズとあまり立場は変わらず、やはり非難されるべきではありません。

エリアや対応バンド、通信規格、利用できる端末の多さ、利用者数、バックボーンとなる光回線を含めた基地局コストなどを考えていけばいくほど、どうやっても圧倒的な資本力がある旧電電公社・NTTグループより好条件でMVNO各社に回線を提供できるはずがなく、やむを得ない側面もあるKDDIやソフトバンクのサブブランド展開。

サポートなどの面からも「大手3社とMVNOの間を埋めるもの」としてサブブランドが存在することは許されて然るべきだと思われますが、あくまでMVNOと同程度のサービスしか認められないというのでしょうか。

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