チリのピラミッドの地下30mから15000年前の人類の生活と文化の痕跡が発見される

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氷河期が終わる前の南米に人類の文化と生活の痕跡が見つかりました。詳細は以下から。

人類がグレートジャーニーと呼ばれる長い旅を経て世界中に広がり、最後に南米に辿り着いたのは氷河期が終わりを迎えようとする12000~10000年前頃と考えられてきました。

しかしそれよりも数千年前に南米チリにはテキスタイルや染色を含む文化を持った人類が到達していたことが判明しました。

チリの首都リマから600kmほど北にあるワカプリエタ。大西洋に面したここには数千年前のものと思われていた原始的なピラミッドが存在しています。

しかし、調査のためにこの場所を30mほど掘り進んだヴァンダービルト大学のTom Dillehay博士はなんと15000年前の人類の生活の跡を発見したのです。そこにはいろりがあり、動物の骨や原始的な石器も掘り出されました。

これはグレートジャーニーでこの地を訪れた人類が単に通り過ぎただけでなく、この場所で一定期間生活していたことを意味しています。

ここでは石器に加えて飾り付きの葦で編まれたバスケットやテキスタイルも出土しており、アボカド、唐辛子、カボチャなどの野菜に加え、鳥やアザラシ、ムール貝にイカやタコなどのシーフードも食べていたことが分かりました。さらにはこれまで知られた中では最も早い時期に藍を用いた染色も行われていたことが分かっています。

そして、ニシンを釣るためとみられる釣り針が発見されており、これによって漁のための何らかの造船技術を持っていたであろう事も想像されます。

これまでは最終氷期の15000年前頃に北米のコルディエラ氷床とローレンタイド氷床の間に氷床の切れ目であるマッケンジー回廊が開き、ここを通って人類は南下したと考えられてきました。

しかしこの説では15000年前に人類が南米にまで到達していることを説明するのに不十分であるとされてきましたが、もし人類がある程度の造船技術を持ち、カナダ沿岸を南下する術を持っていたとしたら、これまでの人類史を大きく塗り替えることになりそうです。

氷河期の終わる前、まだまだ原始的だと考えられてきた人類ですが、私たちがこれまで想像していたよりもより豊かな文化と技術を持っていたということなのかも知れません。

以下の動画は今回の発見よりも5年ほど前のものですが、当時から数千年前の人類の遺跡が見つかっており、その時代の発掘品やワカプリエタのピラミッドの発掘の様子も見ることができます。

HUACA PRIETA – YouTube

今後どのような痕跡がこの場所から見つかるのでしょうか?非常に興味深いところです。

Traces of some of South America’s earliest people found under ancient dirt pyramid _ Science _ AAAS

Evidence Of Some Of South America’s Earliest Modern Humans Found Under Pyramid In Peru _ IFLScience

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