35~59歳の「中年ニート」が15~34歳のニートの2.2倍、123万人にも達していた

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Photo by Fernando de Sousa

失われた世代が本当に失われていたことが判明しました。

ニートというと働いておらず、教育や職業訓練を受けていない人の事を指すものだと思いがち。しかし、OECDの定めるニートの定義は「働いておらず、教育や職業訓練を受けていない15~29歳の男女」となっており、日本の厚生労働省の定義でも「15~34歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない男女」となっており、あくまで若年層を指しています。

これは逆に言うと、30歳もしくは35歳を超えた時点でニートという枠から外れてしまい、統計などからは見えないある種「透明な存在」になってしまうということです。

こうしたいわゆる「中年ニート」の存在はこれまでも指摘されていましたが、調査や対策は遅れているのが現状です。総務省の2016年の労働力調査によれば35~59歳の中年ニートは123万人にも達しており、これは厚労省の定義する15~34歳のニートの57万人の2.2倍にも達しています。こうした中年ニートの多くはバブル崩壊から2000年代前半の就職氷河期までの「失われた20年」の間に社会に出た人々と考えられています。

また大きな問題として、15~34歳のニートが5%減少したのとは対照的に、中年ニートの数は2010年の117万人から5%増加しています。これは少子化による人口減に加え、日本では公的なニート支援は30歳代までが中心となっているため、中年ニートへの支援の手が届きにくいという現実を反映していると考えられます。

現時点の求人でも30代まで限定といったものが多い上、職歴の空白期間が長ければ長いほど希望する職に就くことは困難。20代から30代の時期に実務経験やスキルの習得でハンディキャップを負ってしまった中年ニートが社会復帰を果たすためには極めて高いハードルを越えなくてはなりません。

先日もBUZZAP!では人手不足に伴う有効求人倍率のバブル期最高値超えのニュースについて報じましたが、労働力人口の中核を担うはずの35~59歳という年齢帯で120万人以上が眠っているというのは大きな損失。

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このまま放置すれば税収減や生活保護の増大にも繋がりますが、彼らがスキルを学び、社会に復帰できる道筋を作り上げることができれば少なくない業種で問題となっている人手不足に対して大きな助けにもなり得ます。

「はたらきたくないですだよ」という人もいるかもしれませんが、働きたいと思いながらも働き先を見つける事が困難な人も少なからず存在するはず。積極的な就業支援策が必要です。

「中年ニート」120万人、統計に表れない無業者:日本経済新聞

(Photo by Fernando de Sousa

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