憲法・自衛隊法・公職選挙法違反の数え役満、元弁護士・稲田防衛相の都議選応援演説はどれだけアウトなのか

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問題だらけの稲田防衛相、都議選の応援演説で自衛隊を自民党の私物であるかのように語り、公職選挙法違反が指摘されています。詳細は以下から。

これまでも南スーダン日報隠し問題、森友学園に絡む虚偽答弁問題、「教育勅語の精神」擁護発言、在特会と蜜月問題など、数限りない問題を引き起こし、防衛大臣としての資質に常に疑問が突きつけられ続けてきた稲田朋美防衛相。

ですが、今回ばかりは自衛隊の中立性を根幹から揺るがしかねない公職選挙法違反の暴言を飛ばし、自民党内や防衛省内、自衛隊内部からも怒りと批判が吹き出しています。

その発言は東京都板橋区で行った都議選の自民党公認候補の応援演説の場で行われたもの。集会に出席した稲田防衛相は自民党公認候補を応援する文脈の中で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言しました。

動画からこの部分の前後の発言を拾うと「ぜひですね、2期目の当選本当に大変ですからお願いしたいと、このように防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたいと、このように思っているところでございます」となり、決して都合よく切り取って批判しているわけではない事が分かります。

この発言が絶対にあり得ないのは、自衛隊全体を統督する防衛大臣という地位にあって、「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」としているところ。防衛省という省庁と、上意下達の実力組織である自衛隊のトップに当たる立場で、自衛隊と防衛省として自民党の公認候補の応援をお願いしているのです。

憲法第15条2項は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定しており、政治的中立性が求められます。よって防衛省や自衛隊が自民党という一政党を応援する事はあり得ませんし、あたかも応援しているかのような稲田防衛相の発言は決して認められるものではありません。

また、自衛隊員は自衛隊法第61条によって、選挙権の行使を除く政治的行為が制限されています。稲田防衛相の発言は、自衛隊が自民党を応援していると有権者に錯覚させる印象操作であり、自衛隊が組織ぐるみで法を破っているとのあらぬ誤解も招きます。

また、公職選挙法第136条の2では国家公務員はその地位を利用して選挙運動をすることができないとされており、稲田防衛相はこれに該当します。

そして、その地位を利用して特定の候補者を応援し、集会の応援演説の中で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と明言している訳ですから、これは公職選挙法違反であると指摘せざるを得ません。

稲田防衛相はその後発言の撤回に追い込まれましたが、その際の発言が「近くに練馬駐屯地もございますので、大変応援をいただいていることに感謝をしておりますという趣旨で演説を行ったわけでありますが、その中で誤解を招きかねない発言があったことに関しまして、撤回をいたしたい」というもの。

「近くに練馬駐屯地もございますので、大変応援をいただいていることに感謝をしておりますという趣旨」であるなら、自衛隊が自民党を応援してくれているから自衛隊の意見を代弁したという事になり、取り返しのつかない燃料を投下してしまっています。

政治的中立性が強く求められる自衛隊に対するこうした発言に怒り心頭なのは野党だけではありません。

石破元防衛大臣からも組織としての自衛隊、役所としての防衛省がお願いをするというのはありえないこと。自衛隊の政治利用ともとられかねない、適切でない発言なので撤回しておわびをしたほうがいいのではないかと批判されています。

また、自衛隊幹部からもわれわれは政治的主張ができないのに、稲田氏に勝手に応援演説で利用されたと感じる。全自衛官が自民党支持と誤解されてしまうのではないかとの声が上がっています。

弁護士でありながら自らの統括する自衛隊に関する法律も理解していないのであれば防衛相としての資質はありませんし、理解した上での発言であれば極めて悪質な法律違反です。もちろん撤回したからといって「あったものを、なかったことにできない」のは当然のこと。稲田防衛相の続投を許そうとするならば、都議選の投票日を前に自民党がさらなる批判に晒されることは間違いなさそうです。

稲田氏、「防衛省として」発言撤回 野党「辞任すべき」:朝日新聞デジタル

稲田防衛相:都議選応援「自衛隊としてお願い」発言 後に撤回 – 毎日新聞

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