「小池都知事は今も自民党籍」など、いまいち分かりにくい「都民ファーストの会」の実態をまとめてみた

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圧倒的な強さで東京都知事となった小池百合子の率いる都民ファーストの会。都知事選の台風の目として注目されていますが、イメージ先行で中身がよく分からないのも事実。いったいどんな人たちがどんな主張をしているのでしょうか?過去の報道や発言からまとめてみました。

2016年7月31日、291万2628票という圧倒的な得票数で女性としては初めて東京都知事となった小池百合子。小池都知事をサポートする政治団体として生まれた「都民ファーストの会」は2017年1月23日に地域政党として活動を始めることを表明しました。

都民ファーストの会では、小池都知事の政務担当特別秘書を務める野田数が当初は代表を務めましたが、6月1日からは小池都知事本人が代表に就任しています。

都民ファーストの会は「ふるい都議会を、あたらしく!」のスローガンの下で「東京大改革」を勧めていくとしています。東京大改革の大原則は「都民ファースト」「情報公開」「賢い支出(ワイズスペンディング)」とされ、都民の利益を最大化することが目的とされています。

一見どれももっともらしく見えますが、その実態はどんなものなのでしょうか?それぞれの人となりや主張から読み解いてみます。

◆小池百合子都知事

・今もまだ自民党所属である
都知事選で自民党推薦の増田寛也候補と戦ったこと、そして都議選でも自民党と激しくぶつかり合う事から、小池都知事は既に自民党所属ではないと勘違いしている人が多いのではないでしょうか?

ですが、小池都知事は昨年の都知事選の段階では進退伺を出したのみで、都民ファーストの会の代表となった6月になってようやく離党届を提出。しかし、自民党は未だ離党手続きを済ませていません

理由は離党扱いを協議する「党紀委員会」に対して二階幹事長がまだ離党手続きの申請をしていないとのこと。自民党内には「すぐに離党を認めれば、小池氏が都議選で自民党と対決ムードを高めて有利に戦うのに利用される」との声もあり、これに配慮した可能性もあります。

都知事戦後に離党手続きが行われるという見方もありますが、例え正式に離党したとしても話はそこでは終わりません。

・衆院選での自民支援を明言
2017年1月10日に安倍首相と会談した小池都知事は、今回の都知事選では独自候補を擁立して戦いますが国政では政府・自民党と連携していく立場を明確にしています。

会談で安倍首相が「都議選への対応をはっきりさせてほしい」と切り出したところ、小池都知事は直接には答えずに「衆院選では自民党候補を応援する」と明言したことが複数の関係者から明らかにされています。

都議選では「ふるい都議会を、あたらしく!」すると掲げて自民党との対決色をアピールしながら、国政ではその自民党を応援すると明言している事実は支持者こそ忘れてはならないでしょう。

・極右思想の改憲論者で核武装論者
小池都知事は過去に何度も「戦後教育は自虐的」と発言してきており、改憲を目論む日本会議の議員懇談会副幹事長や副会長も歴任してきた人物であり、核武装論者でもあります。2011年には「祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外します」とツイートしており、現在もこれは残されたまま。

さらには「VOICE 2003年3月号」の誌上で2015年から日本会議会長を務めることとなる田久保忠衛氏、西岡力氏と共に「日本有事3つのシナリオ」とされる対談を行っています。この対談の最後、「東京に米国の核ミサイルを」というショッキングな小見出しの付けられた部分で小池都知事は「日本は外交上、軍事上、核武装という選択肢はあり得る」と発言しています。

小池 軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうるのですが、それを明言した国会議員は、西村真吾氏だけです。わずかでも核武装のニュアンスが漂うような発言をしただけで、安部晋三官房副長官も言論封殺に遭ってしまった。このあたりで、現実的議論ができるような国会にしないといけません。今の国会は時間とのせめぎ合いがほとんどで、労働組合の春闘と同じです(笑)。それももうないのに。

この対談は小池都知事本人のHP上の「KOIKE Yuriko _日本有事3つのシナリオ」に掲載されていましたが、既に消去されています(魚拓)。なお、都知事選の際には「東京は非核都市宣言はしない」とも明言しています。

・差別主義団体・在特会との関係
小池都知事は野党時代の2010年12月、差別主義団体・在特会の関連団体である「そよ風」の主宰する「日本と地球の護りかた」という講演会で講演を行っています。この講演は在特会の公式サイトのスケジュール魚拓)にも記載され、在特会が協賛しているもの。

同年3月には以下のように「某国」からの在日外国人に関するツイートをしており、こちらも現在まで残されたまま。

都知事就任後の記者会見でこの講演について問われた小池都知事は「一瞬表情をこわばらせ」て

対策法にのっとってやるべきことはしっかりやっていきます。いろいろな講演に出ていますが、在特会がどういうものか存じ上げませんし、主催された団体と在特会の関係も知らない。したがって在特会の講演をしたという認識はありません。

と回答しています。ですが、この記者会見を報じた日刊ゲンダイによると当該講演会の案内には〈演題:「日本と地球の譲りかた」講師:「小池百合子衆議院議員」主催:「そよ風」協賛:「在日特権を許さない市民の会 女性部」〉と明記されています。

・未だ解明されない金銭疑惑
金銭的にはクリーンなイメージの小池都知事ですが、都知事選の段階で桝添前都知事とそっくりな「宛名が空白の領収書」疑惑、大量の切手の換金疑惑、元秘書が代表の実態不明の会社に210万円の「調査費」支払い疑惑などが噴出していたことは以前BUZZAP!でも報じたとおり。

都知事就任後はこうした疑惑への積極的な追求は行われていないようですが、桝添前都知事がそうだったように、今後何らかのきっかけで吹き出してくる可能性は十分にあります。

・歩く「ポスト真実」
都知事選の段階から、小池都知事は嘘をつくこと、「あったことをなかったことにする」ことに全く抵抗がありません。

都知事選の際に鳥越俊太郎候補から核武装論者であることを指摘された際には「核武装論者と言い切られましたけどこれこそ捏造でございます」と反論。

しかし、小池都知事は前述したように、自らの公式サイトに「日本は外交上、軍事上、核武装という選択肢はあり得る」とした対談を掲載していました。そうした明確な証拠を突きつけられてもなお「日本語が読めるならよく読んでいただきたい」などとのらりくらいと逃げてうやむやにしようとしています。

さらに街頭演説中に鳥越俊太郎候補に対して行った「病み上がりの人を連れてきてどうするんですか?」という発言に対しても、数日前の話でしたが「言ってないですねー、記憶にないですねー」と否定。

ニュース番組のテロップ付きでさらに追求されると「たくさんこういうやりとりは山ほどありますから。これが選挙なんですよ坂上さん」と開き直り、「トランプさんなんてもっとすごいこと言ってますよね」とまで言っています。

そんな小池都知事はトランプ大統領のことが大好きなようで、今回の都知事選に関し「私の選挙戦のモットーは「都民ファースト」です。「アメリカ人ファースト」に聞こえますか。かなり違います。I will make Tokyo great again.」と発言しており、選挙戦中も「MAKE TOKYO GREAT AGAIN」というタオルを使うなど、ポスト真実の旗手であるトランプ大統領への親和性はかなりのものと言えそうです。

◆都民ファーストの会
・野田数東京都知事特別秘書

今年の6月1日まで都民ファーストの会の代表を務めていた野田数政務担当特別秘書は東京維新の会としての都議時代の2012年10月、日本国憲法無効論に基づく大日本帝国憲法復活請願を、紹介議員として東京都議会に提出しています。

この請願は日本国憲法が「我が国の独立が奪われた時期に制定された」として無効を主張するもの。また皇室典範についても「国民を主人とし天皇を家来とする不敬不遜の極み」と批判し、「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」するよう決議を求めるという戦前回帰思想であると同時に、国民主権という近代国家の根幹の放棄を求める完全なるトンデモ極右思想のかたまりです。

しかし野田数都議(当時)は、石原慎太郎都知事(当時)も「憲法破棄」を唱えているとして、「東京では受け入れられている」と主張。この頃連携を目指していた日本維新の会の橋下徹代表(当時)に「憲法破棄(の立場)は取らない。大日本帝国憲法復活なんてマニアの中だけの話だ」と一蹴され、以降の連携の見直しにまで発展しました。

こうした極右思想は「祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外します」と発言する小池都知事とも極めて親和性の高いものと言えそうです。

また、野田数氏はアントニオ猪木参議院議員から「野田が自身の政策秘書を務めていた平成25年10月から10か月の間に、国会議員に支給される「文書通信交通滞在費」などを管理している事務所の複数の銀行口座から、繰り返し無断で現金を引き出していたとされ、引き出された総額は1120万円に上る」として告訴されています。

・おときた駿東京都議団幹事長

都民ファーストの会のおときた駿東京都議団幹事長は6月21日に開かれた交換討論会でずばり社会保障費は削らざるをえないし、削っていくべきだと主張。以前からおときた議員はシルバーパスを「非常にタチの悪いバラマキ政策」と槍玉に挙げて攻撃してきました。

これは単なる都議のひとりが主張しているわけではなく、東京都議団幹事長との立場で主張しており、都民ファーストの会の方針であると考えても差し支えありません。

現実問題として、今年の6月半ばから東京23区の国民健康保険料が爆上げとなっており、問い合わせが殺到していることはニュースにもなりました。特に東京23区では、2017年度は1人平均年11万8441円となっており、前年度比7252円増と過去10年で最大の上げ幅です。

これは給与年収400万円の4人世帯で考えると、2017年度の国保料は年41万8千円となり、1999年度に比べて2.6倍にまで膨れあがっていることを意味しています。

こうした状況で「社会保障費は削っていくべきだ」と主張する都民ファーストの会が躍進した場合、今回問題になっている国保料に留まらず、多くの方面で社会保障が削られ、都民の負担が増加する可能性があります。

・元自民・元民進候補者の巣窟
5月15日時点の記事ですが、都民ファーストの会が公認する39名の候補者のうち、元自民党は10人、元民進党は6人となっています(6月29日の調べでは元自民党が12人)。

これは公認だけの話で、推薦まで含めるとさらに大きく膨らみます。なんと公明党公認23人全員が都民ファースト推薦となっており、民進党関係の推薦予定候補は9人。

「ふるい都議会を、あたらしく!」するはずでしたが、各方面の「ふるい」政党からの寄せ集めの様相を呈しており、時・公・民といういつかの連立政権を思わせる布陣になっています。

明後日に迫った東京都議会議員選挙。”都民ファースト旋風”に浮き足立たず、よくよく各候補者の政策・主張を踏まえた上で投票先を考えたほうが良さそうです。

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