43000円の検定料で「理解者」になれると触れ込む「LGBT検定」が当然ながら炎上

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「LGBTは儲かる!」と考えるビジネスマンが群がり始める程に存在がメジャーになってきたと言えるのかもしれません。詳細は以下から。

日本には官民問わず多くの検定が存在しています。有名な英検や漢検はもちろん、「ビジネス実務マナー検定」のようなビジネス向きの検定から「謎解き検定」や「メイド検定」のような趣味やシャレのような検定まで非常に幅広く、ひとつの大きな検定ビジネスを形作っています。

そんな中、日本セクシュアルマイノリティ協会なる団体が「LGBT検定」を開始することがネット上で大きな物議を醸しています。この検定の目的は「LGBTへの理解を促す」ことであるとされていますが、「理解」とはいったいどういったことを指すのか極めて不透明。

そもそもセクシュアルマイノリティはLGBTで現されるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのみならず、XジェンダーやAセクシュアル、ノンセクシュアル、パンセクシュアル、トランスヴェスタイトなど極めて多様

さらに、ストレート(異性愛者)の人とそれぞれのセクシュアリティも明確に分けることはできません。東京レインボープライドの公式サイトではセクシュアリティは「グラデーションになっています」と説明されているように個々人で大きく異なっており、検定で「正解」を求められる類いのものではありません。

そして、その「理解する対象」とされるセクシュアルマイノリティはあくまで目の前で生きている生身の人間です。それぞれの抱える問題はあくまで固有のものであり、求められる解決法はひとりひとり違い、どのような生き方を選ぶかもその人次第です。

東京レインボープライドの盛況や地方自治体や企業の同性パートナー制度など、ようやく日本でも理解が進んできたとはいえ、根強かった差別や偏見がなくなったわけでもありません。決してLGBTというくくりで一般化して論じ、「検定」によって理解度を測ってよいような問題ではないのです。

しかし、LGBT検定は初級を見てみても「2時間×3回にて簡単な筆記試験に合格すると初級検定に合格」という生半可なものでしかありません。講義内容は

1回目、LGBTとは?基本的な名称や用語説明など。
2回目、世界的な歴史となりたち。日本での現状。
3回目、サポートする方々やアライために大切なこと。
    差別用語を使わない、秘密を守るなど、ケースともに。

というもので、どう考えても図書館で関連書籍を借りてくれば事足りるレベル。そして合格すると「日本セクシュアルマイノリティ協会のLGBTバッジならびに初級の講座修了書」がもらえるという極めて分かりやすいお話になっています。

そしてこのLGBT検定の検定料は42,984円(税抜価格39,800円)という驚くべき高額さとなっており、完全に検定ビジネスでしかないことを露呈しています。

また、サイトの同ページには「私たちは2020年までにアライ(理解者兼サポーター)が日本で3万人になることを目指しています」と書かれており、その全員がLGBT検定初級に認定されるとなると12億9000万円程度の儲けとなることに。

LGBT検定さえ受けておけばLGBTの理解者と名乗れる、もしくはLGBTの理解者であるならLGBT検定に合格しておかなければならない、といった状況になれば丸儲けもいいところです。

BUZZAP!では昨年エグゼクティブ・ゲイなる概念をひねり出して「LGBT消費研究レポート」を30万円で販売したり、それよりさらに高額なLGBTセミナーや勉強会を手がけた博報堂をボロカスにこき下ろしましたが、こちらも同様のビジネスであることを改めて指摘しておかなければなりません。

また、日本セクシュアルマイノリティ協会なる団体も活動履歴が極めて不透明。東京レインボープライドの協力団体に名前を確認でき、「セクシュアル・マイノリティの方の結婚相談所」とされるリザライとパートナー企業となっている程度。

読者に確認してみたところ、「ゲイリブ活動をしている団体はいくつか挙げられるものの、この団体については聞いたことがない」という回答でした。なお、名前が似ていますが「一般社団法人 広島県セクシュアルマイノリティ協会」とは全く関係のない別団体です。

ネット上の反応もほぼ完全に怒りと批判で埋め尽くされており、「頭おかしい」「検定ビジネスでしかない」などと完全に炎上状態。

LGBTへの認知や理解が少しずつ進んできたことでLGBTをビジネスにしたい人が出てくるタイミングでもあるため、開始のタイミングとしては申し分なかったかもしれませんが、「機微なプライバシー」の筆頭とも言えるセクシュアリティに関するビジネスとしてはあまりに安直に儲けに走りすぎたのかもしれません。

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