獣医学部新設以前の問題、加計学園系列校の大半が多額の補助金を出しても偏差値30台&定員割れ&赤字だった

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掲載から2ヶ月近くにわたってランキング入りし続ける前代未聞の記事「加計学園の獣医学部新設はどれほど馬鹿げているのか、系列大学の偏差値や四国の実態から考えてみた」をはじめ、かねてからBuzzap!では加計学園に獣医学部を新設することに疑問を呈し続けてきましたが、残念ながらまだピンとこない人もいるはず。

そこで今回、農学や医学分野で実績があるわけでもない加計学園に全国の獣医学部、学科の定員の2割近い160~170名規模の獣医学部を作らせる合理的な理由があるのかどうかを改めて判断できるよう、同学園の実態をより深く見てみることにしました。詳細は以下から。

◆偏差値が付けられない「ボーダーフリー」でも定員割れ、赤字の系列大学
Buzzap!編集部では加計学園系列校の実態を確認するため、(PDFファイル)加計学園グループの平成28年度事業計画から、各校の定員充足状況および財務状況をチェックしてみました。ちなみに各校の偏差値は旺文社「パスナビ」によるものです。

岡山理科大学(ボーダーフリー~偏差値47.5)

まずはグループの中核となる岡山理科大学。偏差値が付けられないボーダーフリーないし偏差値を測定できる下限となる30台の学部学科が多いものの、学部レベルでは入学定員と入学者数が拮抗しており、充足率は100%となっています。

経常収支差額(単位:千円)も特に問題があるようには思えません。

倉敷芸術科学大学(偏差値35~37.5)

しかし系列校の「倉敷芸術科学大学」になると話は一変。各学部の入学定員489人に対し、実際の入学者は331人で充足率は67.7%。産業社会科学部に至っては入学定員90人に対し、わずか36人(うち8人は留学生)しか入学していません。

経常収支も5億円の赤字。前年度決算額を見ても、収入が支出を下回っており、赤字が単年度でないことが分かります。

千葉科学大学(ボーダーフリー~偏差値37.5)

1000万円を超える学費を支払っても、学生の大半が薬剤師になれない薬学部があることをお伝えした「千葉科学大学」も、すべての学部学科がボーダーフリーないし偏差値30台と、敷居が低いにもかかわらず看護学部以外のすべての学部が定員の7割弱しか入学者を集められない、定員割れの状況が続いています

経常収支はやはり平成28年度、前年度ともに赤字。誘致にあたって加計学園に支給した補助金で千葉県銚子市は借金地獄に陥りましたが、生まれたのは慢性的な赤字を抱えた定員割れの大学でした。

岡山理科大学専門学校

続いては加計学園が経営する専門学校。大学全入時代の到来、急速な少子化によって多くの専門学校が厳しい経営状況に立たされていますが、加計学園系列校もご多分に漏れず、定員割れと募集停止で縮小傾向にあります。

しかし規模が小さいこと、大学ほど設備を要しないこともあって赤字の幅は小さめです。

玉野総合医療専門学校

比較的需要が高い医療、福祉方面に学科構成を振り向けた玉野総合医療専門学校も充足率は芳しくありません。

前述の岡山理科大学専門学校同様、赤字幅は小さく済んでいます。

岡山理科大学附属高等学校

多くの高校で見かける「特進コース」「進学コース」に加え、高校卒業資格を取得できる専門学校のような「アニメ・デザインコース」なども設けている岡山理科大学附属高等学校。「スーパーサイエンスハイスクール」認定を受けたにもかかわらず定員割れを起こしています。

28年度の経常収支差額は3億8000万円近い赤字。なんと千葉科学大学を上回ります。

岡山理科大学附属中学校

極めつけが岡山理科大学附属中学校。28年度は定員80人に対して入学者はわずか46人(充足率57.5%)。1~3年すべてを合わせた充足率(62.9%)よりも低く、先細り傾向にあることが分かります。

人件費を大幅に削減したことで前年度よりも収支が改善したものの、やはり経常収支は赤字。岡山の私立中高といえば岡山白陵が有名ですが、岡山理科大学附属中高にそのようなブランド力はないようです。

◆それでも加計学園が獣医学部を新設すべき?
このように、系列校の大半が定員割れを引き起こし、慢性的な赤字体質となっている加計学園。自治体から多額の補助金を得ることがなければ、千葉科学大学設立のような拡大路線は困難であったことも容易に見てとれます。

また、少子化がさらに進むこと、ただでさえ多くの学部学科・付属校が定員割れを起こす中、新入生の充足率が下がりつつある(=先細り傾向にある)ことを考えると、系列校の赤字体質は今後悪化こそすれ、改善に向かう可能性はあまりありません。

多額の補助金と土地を与えても国家試験合格率の低い定員割れの赤字大学しか生まれなかった千葉科学大学の先例を踏まえてなお、加計学園に獣医学部を新設させる必要はあると言えるのでしょうか。

どうしても国策として獣医師を増やしたいのであれば、かねてから地域の農業、畜産業に根ざした研究活動を手がけ、人獣共通感染症にも医学部と連携して対処できる愛媛大学の農学部などに獣医学科の設置を認めた方が合理的な上、安定した経営が望めると思われます。

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