「陸の松島」と呼ばれる名勝地、栃木県の大平山で三大名物を食べてきました



松島と言えば日本三景の一角を担う名勝地ですが、海のない栃木県には「陸の松島」と呼ばれる名勝地が存在しています。詳細は以下から。

松島や ああ松島や 松島や」という松尾芭蕉のものとしばしば勘違いされる俳句で日本中に知れ渡る名勝地の松島。

海に浮かぶ大小260余りの諸島の美しさが古くから称えられてきましたが、海無し県である栃木県にはこの名勝地にちなんだ「陸の松島」が存在しているのです。

それは「〇〇富士」や「××銀座」のようなまがい物ではないのか?という疑念も少々はありつつも、美味しい三大名物を食べることができるということでBUZZAP!取材班は栃木県栃木市の大平山へと向かいました。

実はこの大平山、地元を始め近隣の栃木県民には桜と紅葉の名所として知られています。今回訪れたのはどちらの季節でもありませんでしたが、ハイシーズンは車が渋滞して人でごった返す人気のお花見&紅葉狩りスポットであるとのこと。

JR両毛線大平下駅、東武日光線新大平下駅などからもアクセスできますが、自動車の方が遙かに便利で東北自動車道栃木ICが最寄り。県道32号線から県道309号線に入り、さらに県道269号線へと右折すると真っ正面に大平山が見えてきます。


なお、この道のどんつきからは「あじさい坂」という名前のとおり、6月には石段両側に西洋あじさいをはじめ、額あじさい、山あじさいなど、約2,500株が咲き誇るあじさいの名所があり、ここを通って大平山神社まで登ることができます。ただし約1,000段の石段を登るため足腰の弱い人は無理しない方がよさそうです。

あじさい坂の手前を左に入ると、急な坂道を上って上杉謙信にまつわる逸話の残る謙信平という絶景ポイントに出ます。この辺りには駐車場がいくつかあり、無料の市営駐車場もあります。ここに車を停めて歩いてみます。


ここから南に広がるのが関東平野。謙信がここから見える平野のあまりの広さに目を見張ったと言い伝えられています。そしてその平地に山や丘が島のように見える情景からこの大平山の別名が「陸の松島」になったというわけです。




歩いていると近くの茶店のベンチやテーブルなどが並び、桜や紅葉の時期に賑わう情景が目に浮かびます。



なんとも昭和の雰囲気満載の茶店が並んでいました。三大名物は後回しにしてまずは大平山神社まで行ってみました。


長いあじさい坂を登り切ったところに現れるこちらが本殿です。


大平山の由緒は非常に古く、2000年前にまで遡るとも言われています。公式サイトによると

太平山神社の歴史は『諸神座記』を始め多くの古文書によれば、垂仁天皇の御宇に大物主神(おおものぬしのかみ)・天目一大神(あめのまひとつのおおかみ)が三輪山(現在の太平山)に鎮座されたときに始まると云われております。今からおよそ二千年も前のことですが、太平山神社の周辺からは古い時代の祭祀遺跡・祭祀遺物が出土しており、太平山は非常に古くから信仰されていた山であったことが伺い知れます。

由緒|太平山神社 公式ホームページより引用)


祀られている神様も非常に多く、社殿もいくつもあります。こちらは星宮神社。


こちらには八幡神社から天満宮、稲荷神社に浅間神社など勢揃いしています。


大平山神社の近くから東の方を見ると、栃木市を見下ろすこちらも絶景です。



お腹も減ってきたので茶店エリアに戻ってみます。茶店は何軒か並んでおり、いわゆる三大名物は基本的にどのお店でも食べることができます。今回は店構えにピンときた「日の出屋」さんに入ってみました。茶店リストはこちらから。



大平山の三大名物というのは「卵焼き、焼き鳥、だんご」の3つ。


いったいなぜこの3つが?という組み合わせですが、栃木市観光協会の公式サイトによると

昔、人々は夜鳴きするニワトリは災難を招く不吉なものとして、太平山に奉納する風習がありました。

奉納されたニワトリが産む卵を集め『玉子焼き』を、肉を『焼き鳥』にして功徳したことがきっかけとなり『卵焼き』『焼き鳥』が、また太平山神社へ五穀豊穣を願い毎年たくさんの穀類が奉納されていた。

奉納された米を分けて頂き粉に曳き、『太平だんご』となりました。

茶店 _ 栃木市観光協会より引用)


由来は分かりましたが理由が???という感じではあります。不吉だから奉納して食ってしまえという話なのでしょうか。ともあれ問題は美味いかどうかです。

訪れたのが猛暑日の14時頃という暑さのピークだったため、さすがに店内は静かな感じ。店の奥から見える竹林が涼しげです。


まずはこちらの卵焼き(350円)。かなりのボリュームです。大根おろしに醤油を垂らしながらいただきましたが、甘みと塩みのバランスが絶妙。


上品になり過ぎておらず、ほんのり素朴さが残っている辺り、おつまみとして最適です。運転するのでぐっと我慢しましたが…。


そして次に出てきたのが焼き鳥(480円)。3本でこのお値段は全然悪くありません。そして肉がぷりっと大きくジューシー。タレの味もしつこ過ぎず、食べやすくてこちらもおつまみに最適。


卵焼きも焼き鳥も、どう考えても桜の時期にお花見に来た人が飲みながら食べるのに最高なやつです。「名物に美味いものなし」などという言葉もありますが、しっかり美味しい理由がよく分かりました。


であれば最後のだんごも美味いはず…と日の出屋名物の三色だんご(300円)もオーダー。


観てくださいこの惜しげのないあんこ。控えめの甘みがだんごと絡まってこちらも美味。「花よりだんご」を地で行く美味さでした。


「陸の松島」という名勝地であり、桜と紅葉の名所であり、古い由緒を持つ大平山神社にあじさい坂というあじさいの名所までセットになった上に美味しい三大名物までもが備えられている大平山。

アクセスも良い驚きのハイスペック観光地にも関わらず、そこまでメジャーになりきれていないのが逆に不思議に感じられるほどでした。むしろこれ以上の混雑を嫌う地元の愛好者らが積極的に情報を広めないようにしているのではないかと勘ぐってしまいそうにもなります。

栃木県の観光地と言えば日光と那須のツートップが有名すぎますが、時にはこちらで関東平野の広さを堪能してみてもいいかもしれません。

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