「北朝鮮と断交しろ、労働者受け入れも交易も全部だ」と河野外相が世界中の166ヶ国に強く要求

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自国が対話を放棄するだけでは飽き足らず、世界中に断交を要求してしまいました。詳細は以下から。

国連総会のため訪米中の河野太郎外相が現地時間9月21日にコロンビア大学で「迫り来る危機における外交」と題した講演を行いましたが、その中での発言が物議を醸しています。

河野外相は講演の中で「160ヶ国以上の国が今一番の世界の脅威である北朝鮮と国交を結んでいるという事実を信じられるだろうか」と問題提起。

その上で「我々は、これらの国々に対し、北朝鮮との外交的・経済的な関係を断つよう求めなければならない」「制裁の『抜け穴』をふさぐべく、(北朝鮮と国交のある)東南アジアや中東・アフリカ諸国との協力を強化しなければならない」と強い言葉で断行を求めました。

これは安倍首相の国連総会での演説の必要なのは対話ではない。圧力なのですという主張と呼応したもので、河野外相は「対話のための対話を行うときではない。圧力を最大限強化すべき局面だ」とも語っています。

前提として、北朝鮮と国交のある166ヶ国国連加盟国数の193ヶ国で割ると、その割合は86%にも達します。今回の河野外相の発言は、同時に世界の86%の国家の国内管轄権内にある事項に対する口出しということになります。

また、河野外相の要求は単に国家間の外交関係だけでなく、労働者の受入や交易の遮断にまで及んでおり、他国の民間企業や民間人の経済活動にも大きな影響を与えるものとなっています。

国連総会ではトランプ大統領を除いては、ヨーロッパ諸国もロシア、中国、韓国も対話の大切さを強調しており、断交の上での圧力を主張する勢力は極めて少数派。そうした中で166ヶ国に対して居丈高な上から目線で「内政干渉」とも取れる要求を行ったということになります。

河野外相はトランプ大統領が拉致被害者の横田めぐみさんを取り上げたことを「高く評価する」としましたが、自国のみならず世界中の対話のチャンネルを閉ざすことが拉致被害者を無事に帰還させることに繋がるかは極めて疑問。

そしてこれらの発言は単なる匿名ネットユーザーのSNS上の放言などではなく、日本の外務大臣が公的空間での講演で主張した内容であり、北朝鮮のダイレクトな反応に繋がる可能性のあるもの。

元々北朝鮮のミサイル発射はアメリカ合衆国を牽制するもので、いわば米朝間の問題です。日本は人工衛星よりも高い宇宙空間を通過し、領土から遙か1000km以上離れた場所に落ちるなど、完全にスルーされている状況です。

河野外相の発言は安倍首相の演説に続き、自らこの問題に割って入って北朝鮮を刺激する行為で、あたかも自分から的になろうとしているようなもの。これは安全保障上の脅威を自ら増大させ、拉致被害者の身の安全に悪影響を与える可能性が高い行為ですが、日本政府の公式見解ということで果たして問題ないのでしょうか?

またこの発言によって、臨時国会冒頭解散で北朝鮮のミサイル発射などに抗議する非難決議を見送るという決定との齟齬が深まり、政府対応のちぐはぐさがさらに露呈する形になってしまいますが大丈夫なのでしょうか?

河野氏、北朝鮮との「断交」要求 米講演で各国に | 2017/9/22 – 共同通信 47NEWS

河野外相、北朝鮮との断交訴え 講演で制裁の抜け穴非難:朝日新聞デジタル

対北断交160カ国に要求 河野太郎外相、米コロンビア大で講演 北のICBM「ニューヨークにも到達可能な技術の開発推進」 – 産経ニュース

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