「採算が取れない」ために関西電力が大飯原発1、2号機を廃炉方針、原発のオワコン化が鮮明に

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原発は既に「採算が取れない」発電になっている事が明らかになりました。詳細は以下から。

関西電力が2019年に40年の運転期限を迎える大飯原子力発電所1、2号機を廃炉にする方針を固めました。100万キロワット超の大型の廃炉が決まるのは2011年にメルトスルーの過酷事故を引き起こした東京電力福島第1原発を除くと日本初となります。

政府は東日本大震災後に原発の運転期間を原則40年と定めていましたが、原子力規制委員会が認めれば最長60年まで延長が可能となります。ただし、福一事故を受けて新たな安全基準が2013年に法制化され、実際に運転延長をするには1000億円規模の投資が必要となります。

関電は2017年5、6月にそれぞれ再稼働した高浜原発3、4号機を含めて計7基の原発を再稼働する方針で、安全対策に少なくとも約8300億円。大飯1、2号機も再稼働するとこの額は1兆円規模にまで膨れあがるとされています。

なお、廃炉する場合も30年間程度の作業で1基あたり数百億円のコストが掛かりますが、それでも再稼働にかかる費用よりは少ない計算になります。

さらに、日本の電力消費量は2010年をピークに減少の一途を辿っています。2011年に発生した東日本大震災と福島第一原発事故によって「ヤシマ作戦」を始めとした節電のムーブメントが発生し、その後も全国で節電意識は広く浸透していきました。

電気事業連合会によると、2010年に10064億kWhだった合計発電量は2015年には8850億kWhにまで減少。4年で13%も減っていることが分かります。

関西電力のみで見ても、2016年度の販売電力量は2010年度に比べて約2割減少。上記の節電意識の浸透に加えて小売りの全面自由化による顧客流出も影響しています。当然ながら人口減少社会の日本では、今後が電力使用量劇的に上昇する見込みもありません。

また、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)などの価格も数年前と比べ下がっているため以前ほど原発によるコスト削減効果が出にくく、いわゆる「原発は低コスト」という神話も通用しなくなっています。

さらに太陽光発電のコストもどんどん下がってきており、コスト競争で原発が優位に立てた時代はもはや過去のものと言うしかありません。

原発を使い続けていくということは、当然ながらこれらのデメリットに加えて老朽原発を騙し欺し使い続けていく中で肥大する事故のリスクが存在し、北朝鮮のミサイルや工作員による原発への攻撃というリスクも存在しています。

また、「トイレのないマンション」と呼ばれた高レベル放射性廃棄物の処分に掛かる費用と最終処分場の建設に絡む諸問題など、解決しなければならない問題には限りがありません。

安倍政権は現行のエネルギー基本計画で、2030年の原子力比率を20~22%としており、このためには原発の再稼働を30基程度まで増やさなければなりません。運転開始から30年を超えている原発も多い中で、もはやオワコンとなった原発にこだわり続けていったい誰が何を得ることができるのか、翌考え直してみるべきでしょう。

大飯原発1、2号機廃炉へ 関電、採算合わず:日本経済新聞

東京新聞_大飯1、2号機廃炉へ 大型炉初 安全対策費重く_社会(TOKYO Web)

大飯原発1、2号機の廃炉検討 費用増で運転延長断念か:朝日新聞デジタル

(Photo by Wikipedia

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