【朗報】いじめ認知件数が43%増加して32万3808件に、文科省の「積極的に認知を」との方針転換の結果

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今まで「なかったこと」にされてきたいじめが炙り出されてきています。詳細は以下から。

「あったものをなかったことにできない」とは前川喜平前文部科学省事務次官の言葉ですが、文部科学省が2015年8月に岩手県矢巾町で中学生がいじめを苦にして自殺した事件をきっかけに、いじめの認知に関する大きな方針転換を行ったことはBUZZAP!でも報じたとおり。

上記事件では、教職員はいじめを「人間関係のトラブルやからかい」とした上で教育委員会に「いじめゼロ」と報告していました。文部科学省はこうした認知されないままになっているいじめが他にもあると見て、2015年6月に既に回答を得ていた「いじめの認知件数」の調査をやり直すよう求める異例の通知を出しました。

全開の調査では児童生徒1000人当たりのいじめの認知件数が都道府県によって最大83倍の差が生じていることに触れ、「実態を正確に反映しているとは考えがたい」と厳しく指摘しています。

そして極めて大きなポイントは、いじめの認知件数の多い学校は「いじめが多い」のではなく「いじめを積極的に把握し、解消に向けて取り組んでいる」として、極めて肯定的に評価するという方針転換を行ったのです。

また、初期段階のいじめや短期間のうちに解消したいじめも計上するように求める他、「いじめゼロ」の報告を行った学校にはその事実を児童生徒や保護者に公表して検証してもらうことで認知漏れを防ぐという、鉄壁とも言える調査を行う構えを示しました。

2017年2月には、2016年度に沖縄県那覇市の小学校で起きたいじめの認知件数が前年度比13倍にまで膨れあがったことをBUZZAP!では報じてこの方針転換が大きな成果を上げていることを報じました。

今回文部科学省が公表した全国の学校での昨年度の「いじめの認知件数」は前年度より9万8000件以上増えて32万3808件となり、4割以上増加したことが分かりました。

内訳では小学校は23万7921件、中学校は7万1309件、高校は1万2874件、特別支援学校は1704件で、小中学校については調査を始めた昭和60年度以降で最大となっています。

また、都道府県別に児童生徒1000人当たりのいじめの件数では全国平均は23.9件で、2013年度の13.4件から10件ほど上昇していることが分かります。なお最大は京都府が96.8件で、最小は香川県の5件ちょうど。最大と最小の差は19倍にまで狭まっています。

いじめに関しては先日バーガーキングのいじめ防止CMが大きな反響を呼んだばかり。いじめの被害者が声を上げるのが難しい状況で、クラスメイトや同僚など、第三者がどのような行動を取るかはいじめの行く末に大きな影響を与えます。

いじめは日本だけの問題ではなく、人類史上ずっと続いてきた問題でもあり根絶は容易なことではありません。しかしこれまでは「人間関係のトラブルやからかい」として見逃されてきたいじめをしっかりいじめと認知して対処していくことは、被害者が殺害されたり自殺に追いやられるなどの致命的な状況に至らせないための大きな防波堤になります。

今後もこの方針が推し進められることを切に願います。

昨年度のいじめ認知件数32万件超 前年より大幅増 | NHKニュース

(Photo by Twentyfour Students

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