政治的な保守とリベラルで「酷い光景」への視覚的注意の向け方が違っていた

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思想調査ではなく、視線の動きのトラッキングから明らかにされています。詳細は以下から。

政治的な保守とリベラルの対立はこの数年の間で世界的に顕著なものとなってきました。ではいったいそうした政治的な立ち位置の違いはどのようにして決まってくるのでしょうか?

これまでの研究では、保守派は嫌悪を引き起こすものに対してリベラル派よりも過敏で神経質である事が示されてきましたが、新たな研究では「酷い光景」に対する注意が政治的な立ち位置によって違うことが示されています。

テキサス・ヘルス・サイエンス・センター大学のBenjamin Oosterhoff博士は261人の心理学専攻の学生らを被験者に、視線追跡デバイスを用いて視覚的注意の向け方の政治的な立ち位置による違いを観察しました。

それによると、保守派の被験者らはリベラル派に比べ、より「酷い光景」への視覚的注意の度合いが低い傾向にあり、その代わりに「うんざりした顔の表情」により高い注意が払われていたことが分かりました。Oosterhoff博士はこの違いについて以下のように説明しています。

私たちは人間が感情を処理するプロセスが政治的な立ち位置と非常に密接に結びついている事にもっと自覚的であるべきです。この研究では人々が酷い、うんざりする情報に視覚的に触れた際の反応が社会的な保守主義と結びついていることを発見しました。

この事は嫌悪を引き起こす経験にどのように対応するかということが、どんな政治的な立ち位置を取るかということに重要な役割を果たすことを示しています。

では「酷い光景」と「うんざりした顔の表情」の間にどのような違いがあるのでしょうか?Oosterhoff博士らはこれについて保守派の人々は「酷いもの」を避けたいという動機が強いため、「酷いもの」が近くにあることを示す「うんざりした顔の表情」により敏感なのではないかと推測しています。

この推測はあくまで推測に過ぎず、政治的な立ち位置と注意の向け方のリンクが何を意味しているかも現時点では解明されていません。ただし、「酷い光景」が「現実に起こっていること」であり、「うんざりした顔の表情」が「人間の気分」を表すものであると考えると、保守派とリベラル派が何に注目しているのか、もう一歩進んで考えてみることができそうです。

Visual attentiveness to disgust is linked to political views, study finds

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