実はauが最速、下り最大速度をアピールする携帯各社があえて触れない「上り速度」を問い合わせて比較してみた



さまざまな技術を組み合わせて通信の高速化を繰り返す携帯各社。

いよいよ下り最大1Gbpsも見えてきそうですが、高画質化著しいスマホカメラでユーザーが撮影した動画や写真を共有するのに必要な「上り速度」は一体どうなっているのでしょうか。比べてみると思いのほか違いがありました。詳細は以下から。

◆「下り最大速度」ばかりを宣伝する携帯各社
まず見てもらいたいのが、携帯各社の公式ページ。各社とも特設サイトで「下り最大速度」をアピールする一方、上り最大速度については触れられていません。

・NTTドコモ(下り最大788Mbps)
PREMIUM 4G ~LTEは次のステージへ~ | エリア | NTTドコモ


・au(下り最大708Mbps)
キャリアアグリゲーションで超高速通信 | 4G LTE/WiMAX 2+ | au


・ソフトバンク(下り最大612Mbps)
SoftBank 4G | ソフトバンクのネットワークサービス | 通信・エリア | モバイル | ソフトバンク


ちなみにauがいち早く導入した複数の周波数帯を組み合わせる「キャリアアグリゲーション(CA)」はもはや当たり前、一度に運ぶ情報量を1.33倍に増やす「256QAM」や、アンテナを増やす「4X4MIMO」など、複数のアプローチを組み合わせて高速化を進めています。



◆携帯各社に最大上り速度を問い合わせてみた
いくら下り速度が出たとしても、「友達と動画を共有したい」「出先からオフィスに急いで資料を送らないといけない」といった時に対応できなければ高速回線の意味がありません。そこで今回、Buzzap!編集部では携帯各社に上り最大速度を問い合わせてみました。

問い合わせた項目は「上りの最大速度(および対応機種)」「最大速度を実現する周波数帯の組み合わせ(および技術的なアプローチ)」です。

・NTTドコモ
上り最大速度:50Mbps
周波数帯および技術的アプローチ:1.7GHz(64QAM)
対応機種:2013年冬モデル以後(SO-01K、SC-01K、L-01K、L-02K、F-01K、DM-01K、Z-01K、SH-03J、SO-04J、SC-02Jなど)

・au
上り最大速度:112.5Mbps
周波数帯および技術的アプローチ:800MHz(上り最大37.5Mbps)と2.1GHz(上り最大75Mbps)のキャリアアグリゲーション(いずれも64QAM)
対応機種:Xperia XZ1、isai V30+、Speed Wi-Fi NEXT W05

・ソフトバンク
上り最大速度:37.5Mbps
周波数帯および技術的アプローチ:2.1GHz(64QAM)
対応機種:最新のカタログに掲載されている機種

◆現時点ではauが速度、安定性ともにダントツ
3社の上り最大通信速度を比べてみたところ、auがダントツに高速であることが明らかになりました。プラチナバンドLTEを組み合わせることで建物の中でも途切れにくく、「大容量ファイルを送信中にエラーが出る」という惨事に見舞われづらい点も大きなアドバンテージです。

しかし一方で東名阪限定ではあるものの、単独の周波数帯で上り最大50Mbpsを実現しているドコモも、キャリアアグリゲーションを実装すればさらなる高速化を望めるため、今後に期待したいところ。

ソフトバンクもフルLTE化した1.7GHz帯を2.1GHz帯と組み合わせればさらなる増速を望めそうですが、どのようなアプローチを選ぶのかに注目が集まりそうです。

・関連記事
iPhone 8、iPhone Xが高速通信を実現する「Band 42(3.5GHz帯)」に対応、各社のアドバンテージは? | BUZZAP!(バザップ!)

ドコモが今度は「3画面スマホ」開発へ、独自企画スマホを毎年投入 | BUZZAP!(バザップ!)

世界最速・上下ともに最大10Gbpsの「auひかり ホーム10ギガ」サービス開始へ、1Gbpsプランと同料金で5Gbpsに増速も | BUZZAP!(バザップ!)


フォローして最新情報を手に入れよう

モバイルに関連した楽天商品(PR)