人類史上初の「宇宙寺院」建立へ、京都の醍醐寺が人工衛星に寺の機能を搭載



仏教が宇宙へと飛び出します。我々衆生は迂遠なる宇宙からの眼差しで悟りへと導かれるこのになるのでしょうか。詳細は以下から。

京都市伏見区の世界文化遺産として広く知られる醍醐寺が2月1日、京都市内の人工衛星開発企業テラスペースと協力して宇宙に寺院を開くための実行委員会を発足したことを発表しました。

2023年に打ち上げ予定の人工衛星に本尊や曼荼羅といった仏教の教えを象徴するものを搭載して寺としての機能を持たせ、地上で祈る一切衆生の心の拠り所とすることを目指しています。なお、本尊は宇宙そのものであり、宇宙の真理を現す仏である大日如来です。


2月8日午前10時からは仏教史上初となる、宇宙の平和と安全を祈る「宇宙法要」も実施。残念ながらコロナ禍のため一般公開はされませんが、YouTubeでライブ配信されます。こちらから参加申込することで試聴用URLを取得できます。


加えて、宇宙祈願お申し込みフォームから申し込むことで個別の祈願も行うとのこと。


醍醐寺は地域や国といった枠を超えた地球全体、そして宇宙からの目線で平和や安全を祈る寺院の必要性を感じていたといい、寺の名称は浄天院劫蘊(ごううん)寺と名付けられました。劫蘊寺は衛星軌道上に建立され、高度約1000km以下のLEO(地球低軌道)で運用されることになります。数時間で地球を1周するため、世界のどこからでも参拝が可能です。


劫(ごう)は仏教用語では1つの宇宙が誕生し消滅するまでの期間を意味しており、インド哲学ではカルパと呼ばれ「ブラフマーの1日(86億4000万年)」にあたります。また西洋では高次の霊、あるいは超越的な圏界を示すアイオーン(aeon)とも訳されます。

蘊(うん)も仏教用語で、人間を構成する5つの要素(五蘊)である色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊を指します。思い通りにならないこれらに執着することは五蘊盛苦として四苦八苦のひとつにも数えられています。

醍醐寺の仲田順英総務部長は「打ち上げ後は宇宙からの画像を見ながら法要を執り行うなど、人工衛星を活用した祈りの世界を具現化したい」と話しています。

宇宙から私たちを解脱へと導く救いの星となるのでしょうか。



(Photo by Beverly & Pack

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