LSDが6割近いアルコール依存症患者の治療に効果的という報告

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LSDというとヒッピームーブメントを彩るドラッグとばかり思われがち。ですが実際は当時から精神に働きかける薬品として様々な実験が繰り返されていました。現在21世紀にして、再び薬品としての効果が注目され始めていますが、いったいどのような効果が期待されるのでしょうか?

既に数十年前にLSDをアルコール依存症の治療に使う試みは行われ、成功例も報告されていましたが、ドラッグとして世界的に禁止された経緯などもあり、それらの実験の成果とLSDの効果を結びつけるような研究は長年されていませんでした。この度LSDを使用した新たな無作為対照試験の結果、LSDがアルコール依存症の治療に有効であるという明白で一貫した証拠が発見されたとmail online紙は伝えています。以下、記事より抜粋。

テリ・クレブス氏とパル・オルラン・ヨハンセン氏はハーバード・メディカル・スクールでの共同研究の中で、LSDのアルコール依存症治療の可能性への理解について欠落があるのを発見しました。これまで行われたクリニックでの試みの定量分析を誰も行なっていませんでした。

クレブス氏とヨハンセン氏は自ら以前のクリニックの行った無作為対照実験のデータを抽出し、結果を蓄積。1960年代の終わりから1970年代の初等に行われた6つの適切な試みを見つけ出しました。被験者は536人で、そのほとんどはアルコール依存症治療プログラムに参加した男性。統合失調症と精神病の既往歴のある人物は除外されていました。

制御条件はLSDの低量投与、興奮剤の投与、薬物投与なしの3種類。実験は服薬量から対照実験の偽薬の種類まで多岐に渡りましたが、どの試みでもLSDは有益な効果を示しました。平均して59%のLSDを投与した患者38%の対照実験を行った患者においてアルコール依存症の基準評価上の改善が認められました。これは禁酒プログラムと同様の効果を持っており、1回のLSDの投与による有用な効果は最低でも6ヶ月は続き、12ヶ月程度までは持続するとのこと。


By burningmax

アルコール依存症におけるLSD体験の長期間の継続について、ある過去の実験の研究者は「LSD体験を持った患者たちの多くが自らの問題について重要な自己洞察を口にし、人生において新たな時間を与えられたのだと感じ、飲酒を辞めようと強く決意するのだ。」と言及。

また別の実験の研究者は「患者たちは自らのLSD体験によって自己受容的になり、開放的で感受性を増し、自らのこれから直面する問題に対してポジティブで楽観的になる傾向が稀ならず見られる。」と述べています。

ヨハンセン氏は「アルコール依存症治療におけるLSDの有用性の証拠がこれだけあるのにずっとこの治療法がほとんど見落とされてきたなんて、まったくわけがわからないよ。」と疑問を呈しています。


LSDのサイケデリクスとしての薬効が患者の意識に影響を与えて飲酒への態度を改善させるというのであれば、アルコールだけに限らず依存症一般への効果も期待できるのかもしれません。ドラッグ全般から、ニコチン、ギャンブル、買い物、セックスまで数多くの依存症に悩む人が存在する現状、さらなる研究の進展が期待されます。

LSD and alcohol Trials show 59% of problem drinkers improve after single dose of hallucinogen Mail Online

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