TABI LABOが昨年の「ムヒカ大統領が大麻合法化でノーベル平和賞にノミネート」をあたかも今年のニュースであるかのように誤報

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昨年2月7日にBUZZAP!がお伝えした「ムヒカ大統領が大麻合法化でノーベル平和賞にノミネート」というニュースを本日TABI LABOが掲載していました。いったいどういうことなのでしょうか?

「世界一貧しい大統領」として有名なホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領がノーベル平和賞にノミネートされたニュースが世界を駆け巡ったのは昨年2月のこと。しかもその理由が大麻合法化ということで、大きな驚きを持って迎えられたことをBUZZAP!でも報じており、600RT、2000シェアという大きな反響がありました。

ウルグアイのムヒカ大統領、大麻合法化の功績でノーベル平和賞候補に | BUZZAP!(バザップ!)

しかし、なぜかニュースサイトTABI LABOは

「世界で一番貧乏な大統領」や「ヒッチハイカーを拾ってくれる優しい大統領」、更にはその人生が「映画化」されるなどなど、話題にことかかないウルグアイのムヒカ大統領、今度はなんと今年のノーベル平和賞にノミネートされたようだ。


としてまるでホセ・ムヒカ氏が未だに大統領であるかのように、そして2015年のノーベル平和賞にノミネートされたかのように記事化しています。

ムヒカ大統領がノーベル平和賞にノミネート!推薦理由は「大麻合法化政策」 TABI LABO魚拓

TABI LABOの記事には分かりやすく掲載日時が記載されていないのですが、記事紹介のツイートは3月17日に行われいます。


また、配信先のガジェット通信も3月19日午前7時付でそのまま掲載してしまっています。

ムヒカ大統領がノーベル平和賞にノミネート!推薦理由は「大麻合法化政策」 | ガジェット通信魚拓

まず驚くのが今年の2月いっぱいで大統領を退任しているホセ・ムヒカ氏がいまだに大統領とされているところ。3月1日付でタバレ・バスケス氏が新大統領に就任していますが、その事実が反映されていません。

ウルグアイ=1日に新大統領が就任=隣国の景況悪化の影響は  ニッケイ新聞

Uruguay's Jose Mujica, 'World's Poorest President,' Passes The Torch To Tabare Vazquez


また、参照されている記事を見ても全て2014年2月以前のもので、2015年の記事はひとつもありません。Googleで検索してみても今年再びノミネートされたというニュースを見つけることはできませんでした。

Weed-Legalizing President Nominated For Nobel Peace Prize

さらに、ハバナで行われたラテンアメリカ首脳会談においてこのノミネートに対してムヒカ元大統領が語った内容というのが、BUZZAP!では

「彼らがこの賞へのノミネートという栄誉を授けてくれたことに感謝しています。私たちはただ、抑圧という道が機能しなかったために別の道を試してみようと提唱しているだけなのです。うまくいくかは分かりません。

私たちは支援と、科学的な精神、そして依存症がなくなるのはよいことだということへの理解を求めます。私たちの努力は大麻の先にあります。私たちはドラッグの運搬に狙いを定めています」


となっているところ、TABI LABOの記事では

「とても感謝しています。この案が成功するかはわかりませんが、これまで上手くいっていなかった抑圧という方法ではない別のアイデアを試してみたいのです。科学的に、依存しないことの素晴らしさを理解するために、みなさんサポートをお願い致します。大切なのは大麻ではなくその先にあります。麻薬密売を断つことに専念するのです」


となっており、同じ文章を翻訳していることは一目瞭然。

ホセ・ムヒカ氏が非常に魅力的な来歴と個性を持つ人物であることに異を唱えるものでは全くありませんし、ブラックマーケット壊滅のために大麻合法化を実行したという大胆な行動力はリスペクトに値すると考えています。

リオの地球サミットでの演説は歴史に残る名演説であると考えており、BUZZAP!でも来歴とともに記事化しています。

「世界一貧しい」だけじゃない、ウルグアイのムヒカ大統領の素顔 | BUZZAP!(バザップ!)

しかし、だからこそGoogle検索ですぐに分かる程度の情報の確認を怠り、結果的にデマを拡散することになってしまったTABI LABOの姿勢は誠に残念であるとしか言いようがありません。

なお、ウルグアイの大麻合法化の影響は1年経った現在、手放しで喜べるようなものとは言えず、多くの課題を抱えているようです。

Legalizing marijuana fails to solve problems in Uruguay

もちろんアメリカ合衆国コロラド州のレポートにもあったように初年度だからこその難しさはあるかもしれませんが、合法化推進派が臨むような順風満帆な道のりとは行かなそうです。

大麻完全合法化から1年、コロラド州で起こったこと、起こらなかったことについて | BUZZAP!(バザップ!)

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