電力小売全面自由化まであと1年、私達の電気の選択肢はどう広がるのか?

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2016年4月から電力小売全面自由化が始まり、私達の家の電気も自由にどの電力会社から買うかを選べるようになります。詳細は以下から。

2011年3月11日の東日本大震災と、それに伴う福島第一原発事故以降、地域独占体制を敷く東京電力の原発事故対応への不信や怒り、そして脱原発を願う国民の間からは日本の電力システムに対する疑問の声が大きく聞かれるようになってきました。

現在の電力制度では東京電力、関西電力などの大手電力会社による地域独占体制が1951年より続いており、契約電力50kW未満の一般家庭や小規模事業者はこれらの大手電力会社から電気を買うしかない状況が半世紀以上に渡って続いてきました。

しかし、2013年11月13日に改正電気事業法が成立し、2016年4月から電力小売りの参入を全面自由化することが決まり地域独占が解消されることになります。

改正電気事業法が成立 「発送電分離」競争促進へ  :日本経済新聞

これによって50kW未満の「低圧」と呼ばれる小口契約の一般家庭や小規模事業者でも自由に電気会社を選べるようになります。具体的には、現在は契約電力50kW以上の大口契約の企業や自治体などのみを相手に電気を販売していた「新電力」と呼ばれる特定規模電気事業者(PPS, Power Producer and Supplier)から電気を買うことができるようになります。

こうした新規参入により、価格やサービス品質の麺で競争が生じることが予想されており、既に大口契約を行う地方自治体の中には電力の購入元を新電力へと切り替え、大幅な経費節減に成功している例も多数見られます。

東電など大手電力会社から、新規に電力事業に参入した「新電力」へと、電力の購入元を切り替える動きが自治体の間で広がっている。

 昨年1月末、神奈川県が公共施設の9割を新電力に切り替えたと公表。全国市民オンブズマンが行っている各都道府県へのアンケートでも、購入総額は’10年の112億円から昨年は186億円に増加。各都道府県の新電力からの電力購入割合は、長野県(83.7%)や長崎県(56.1%)が高い。そのほか宮崎県、福岡県、大分県でも3~4割。九州では新電力への乗り換えが進んでいるようだ。自治体が新電力に乗り換えている大きな理由は経費削減。神奈川県は、新電力への乗り換えで電気代が年間で1億5000万円節減できたという。

「新電力」に続々と切り替える地方自治体の動き - 夕刊アメーバニュースより引用)


来年から始まる電力小売全面自由化では、こうした選択が一般家庭でも可能となり、少なからず家計の節約に役立つことは間違いなさそうです。

またこの自由化は、単に値段のみならず「原発を推進する電力会社からは買いたくない」「自然エネルギーをもっと推進したい」と考えている人にとっては、原発を保有する大手電力会社から電気を買わずに済み、自然エネルギーを用いた発電を行う新電力から買うことで、直接的に自然エネルギー推進の取り組みを支援することもできるようになるということを意味します。

さすがに福島第一原発事故から4年が経ち「原発反対なら電気を使うな」などとトンチンカンなことを言う人はいなくなりましたが、原発に反対なのに原発を推進したい大手電力会社から毎月電気を買ってお金を払わなくてはならないというジレンマにやきもきした人も少なくないでしょう。

まだ新電力各社が家庭向けにどのようなプランやサービスを打ち出してくるのかは見えてきませんが、より自らのライフスタイルに合った電力購入先を見つけられることになりそうです。

なお、金曜官邸前抗議を主催していた首都圏反原発連合も運営団体に名を連ねる「パワーシフト・キャンペーン」のウェブサイトが開設されており、自然エネルギーへのシフトを呼びかけています。

【パワーシフト】 デンキエラベル2016 自然エネルギー100%へ


これから1年の間に多くの情報が入り乱れることが予想されます。どんな電力で暮らしたいのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

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