三権分立無視?高浜原発再稼働差し止めに菅官房長官ら「粛々と進める」

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昨日再稼働差し止めの判決の出された関西電力の高浜原発。これに対して菅官房長官らが猛反発、司法の決定を差し置いて再稼働を進めると豪語しています。三権分立の原則はどこに消えてしまったのでしょうか?

4月14日、福井地裁で関西電力の高浜原発3,4号機の再稼働を差し止める仮処分決定が行われました。仮処分は訴訟と異なり決定が出た段階で効力が生じるため、今後仮処分を取り消す決定が出るまでは再稼働はできません。

「新基準、合理性欠く」高浜原発差し止め仮処分決定要旨:朝日新聞デジタル

仮処分決定では原子力規制委員会の安全審査の基準自体が甘いと厳しく指摘されている他、関西電力の主張に関しても「理解に苦しむ」などの強い表現で批判されています。

この決定によって高浜原発3号機、4号機の再稼働の時期が見通せなくなり、高裁や最高裁で争ったとすると1年以上かかると見られています。

高浜原発、再稼働の時期見通せず  :日本経済新聞

高浜原発再稼働「遅れる可能性」 仮処分決定で関電会長 - 47NEWS(よんななニュース)


これに対して関西電力は異議申立ての準備を進めているとされていますが、それよりも早く猛反発を始めたのが安倍政権でした。

関電、異議申し立てへ準備 高浜原発再稼働の遅れ回避 どうしんウェブ/電子版(経済)

仮処分の決定に対して菅官房長官は14日午後の記者会見で「原子力規制委員会の判断を尊重して再稼働を進める方針に変わりはない。粛々と進める」と、封印したはずの「粛々」という言葉を用いて明言。三権のひとつである司法の判断ではなく原子力規制委員会の判断を尊重するという驚きの認識を示しています。

また、原子力規制委員会の新基準についても「独立した規制委が専門的見地から、十分に時間をかけ、世界で最も厳しいと言われる基準に適合すると判断した」などと反論。

しかし当の新基準については、川内原発の審査合格に際して規制委の田中俊一委員長は「新規制基準を満たしたから安全とは言えない」「世界一の安全基準という言葉は政治的な発言」と発言、再稼働の是非に関しても「判断に規制委員会は関与しない」「事業者、住民、政府など関係者の合意で決まる」としており、菅官房長官の言い分を全く保証していません。

規制委トップ、再稼働審査事実上合格の川内原発「安全とは言えない」 甘い基準露呈 ビジネスジャーナル

今回仮処分決定のあった高浜原発についても昨年12月に「新しい規制基準に適合していることを認めた。安全でないとも言っていないし、安全であるとも言っていない」と述べており、高浜原発についても新基準についても原子力規制委員会はなんら安全性を担保しておらず、単なる責任のなすりつけ合いの様相すら呈しています。

また菅官房長官だけでなく、自民党の稲田朋美政調会長は「先の衆院選の公約で『規制委の基準に適合すると認められた場合には再稼働を進める』と明記しており、これに沿って対応していく」と表明。こちらも公約の是非を司法の判断に照らして改めるという発想は一切見られません。

特に原子力規制委員会の新基準という判断基準そのものへの合理性が問われる中、それでもその基準を無批判に前提とした再稼働の推進を政権が公言する態度は「司法を無視している」と批判されても致し方ないのではないでしょうか。

時事ドットコム:高浜再稼働「変わらず」=民主は慎重対応要求-政府・自民

(Photo by 藤谷良秀

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