「戦争法案」で個別的自衛権も崩壊、敵国の「後方支援のみ」を行う第三国を攻撃できないと安倍首相が明言

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「戦争法案」の矛盾の辻褄合わせが個別的自衛権をも崩壊させてしまうことになりました。なんと敵国の兵站を攻撃できないと安倍首相が明言しています。詳細は以下から。

本日行われている参議院の平和安全法制特別委員会の民主党福山哲郎議員の質問において、「戦争法案」で個別的自衛権の範囲が致命的に狭められてしまうことが明らかになりました。

安倍政権は「戦争法案」で海外で自衛隊が「後方支援」の名のもとに兵站を行えるようにしようとしていますが、この「後方支援」は「武力行使」とは一体化しないため憲法違反ではないと説明しています。

ここで福山議員がまず行った質問は、日本に国際法上違法な攻撃を加えるA国の戦闘機にA国の補給艦が燃料や弾薬の補給という「後方支援」をしている場合に、その補給艦を攻撃できるかというもの。中谷防衛相は個別的自衛権によって「できる」と回答。

次の質問は同条件のA国の戦闘機に民間の船舶が燃料や弾薬の輸送をしている場合に、その補給艦を海上輸送規制法に基づく停船検査などをできるかというもの。これにも中谷防衛相は「できる」と回答。

しかしその次の質問。日本に国際法上違法な攻撃を加えるA国の戦闘機にB国の補給艦が燃料や弾薬の補給という「後方支援」をしている場合に、その補給艦を攻撃できるかというものに対しては中谷防衛相はなんと「できない」と回答しました。

B国がA国と共に攻撃を加えているのではなく、単に「後方支援のみ」を行っているならば武力攻撃を構成していないため、個別的自衛権を行使できないとのこと。

A国がまさに日本を攻撃しているのにも関わらず、その補給や輸送という「後方支援」を行っているのが当のA国や民間船舶ではないB国であると、日本は個別的自衛権で敵国の補給路を断つことができないという、到底考えられない事態です。

以下の動画の22:30付近から実際の動画を閲覧できます。中谷防衛相に加え、安倍首相までもが同じ答えをしており、安倍政権の確固たる回答であることが分かります。


一体なぜこのようなあり得ない答弁が行われたのか、福山議員が「種明かし」をしています。つまり、日本が「戦争法案」によって「後方支援」の名のもとに行う兵站を「武力行使とは一体化しない」ということにするために、状況を逆にした場合に日本を攻めるA国に兵站という「後方支援のみ」を行うB国の活動を武力行使と一体化した敵対行為であると言えなくなってしまっているのです。

その結果、日本が攻撃されて個別的自衛権でA国と戦う際に、その兵站を行うB国を攻撃して補給路を断つという極めて重要な行動が取れなくなってしまう。端的に言えばフルスペックの個別的自衛権を放棄せざるを得なくなるというパラドックスに陥っているのです。繰り返しになりますが、これは上記動画で確認できるように安倍首相と中谷防衛相が国会で明言している事実。

これまでも「後方支援」で自衛隊が拘束されてもジュネーブ条約の捕虜としての保護を受けられないと岸田外相が明言し、自衛隊が現地で民間人を過失で誤射した際などに犯罪者として裁かれることを国連PKO元幹部が指摘するなど実際上の欠陥が指摘されてきました。

自衛隊が「後方支援」で拘束されてもジュネーブ条約の「捕虜」としての保護は受けられない、岸田外相が明言 | BUZZAP!(バザップ!)

しかし今日の答弁で「戦争法案」が自衛隊に加えて日本の個別的自衛権という安全保障の屋台骨すらも脅かす致命的な欠陥を抱えていることが判明してしまいました。平和安全法制を名乗るにしてはあまりにも本末転倒。これはさすがに廃案以外の選択肢はあり得ないのではないでしょうか。

砂川判決と戦争法案 最高裁は集団的自衛権を合憲と言ったの! ?
内藤功(元砂川事件弁護団) 新井章(元砂川事件弁護団) 大森典子(元砂川事件民事事件弁護団) 吉永満夫(砂川事件再審請求弁護団) 土屋源太郎(砂川事件元被告) 山口広(弁護士) 海渡雄一(弁護士) 福田護(弁護士) 中川亮(弁護士) 小川隆太郎(弁護士) 長谷川悠美(弁護士)
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