竹中平蔵が「トリクルダウンはあり得ない」と断言、今までの主張は嘘でした

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先日自民区議が身分を隠して参加していたことが問題になった元旦の朝生。それどころではない大どんでん返しの発言を竹中平蔵氏が行っていました。詳細は以下から。

元旦に放送された「朝まで生テレビ」。先日BUZZAP!では番組ディレクターの20年来の知人である大森昭彦大田区議が身分を隠したまま参加し、自民党を褒める発言を行っていたやらせ問題を取り上げましたが、同じ番組内で安倍政権のブレーンである竹中平蔵氏がアベノミクスの根幹とも言えるトリクルダウン理論を全否定する発言を行っていました。

竹中平蔵氏は小泉政権時代に経済財政政策担当大臣、金融担当大臣を兼任、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)・郵政民営化担当などを歴任、聖域なき構造改革を断行しました。これは新自由主義の「小さな政府」を念頭に置いたもので、政府に寄る公共サービスを民営化などによって削減して市場に委ねる方針で、郵政民営化はその目玉となりました。

その際に民営化と並んで200を超える各方面での規制緩和を実行、その中で労働者派遣法の改正は時とともに非正規雇用を増大させ、現在の格差と貧困の大きな原因のひとつとなっています。

竹中氏は現在は安倍政権が2013年に立ち上げた日本経済再生本部の「産業競争力会議」メンバーであり、同時に国家戦略特区の特区諮問会議メンバーとしても活動。アベノミクスを推進する上での最重要ブレーンのひとりとして広く知られています。

アベノミクスは80年代のアメリカ合衆国のレーガノミクスにちなんでその名を付けられたもので、法人税の大幅な引き下げや規制の撤廃を伴っており、レーガノミクスや小泉政権時代の新自由主義的な流れを強く汲んでいます。

そのレーガノミクスの際に叫ばれたのが「大企業や富裕層の支援政策を行うことが経済活動を活性化させることになり、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、国民全体の利益となる」というトリクルダウン理論。レーガノミクスに倣ったアベノミクスでも当然このトリクルダウンが起こるとされており、竹中氏も繰り返しこの理論に基づいた発言を行い、法人税や富裕層への減税を正当化してきました。

2006年9月14日の朝日新聞は〈竹中平蔵・経済財政担当相(当時)が意識したのは(略)80年代の米国の税制改革だった。その背景には、企業や富裕層が豊かになれば、それが雨の滴が落ちるように社会全体に行きわたるとする『トリクルダウン政策』の考え方があった〉と報じているし、13年に出版された「ちょっと待って!竹中先生、アベノミクスは本当に間違ってませんね?」(ワニブックス)でも、竹中氏は〈企業が収益を上げ、日本の経済が上向きになったら、必ず、庶民にも恩恵が来ますよ〉と言い切っている。

日刊ゲンダイDIGITAL 「トリクルダウンあり得ない」竹中氏が手のひら返しのア然より引用)


しかしこの日の朝生で竹中氏はアベノミクスについての議論の中で「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」と発言し、過去の自分の主張が完全にデマだったことを堂々と明らかにしてしまいました。この発言は番組に出演していた漫画家の小林よしのり氏もBlogos記事の中で以下のように驚きを表しています。

驚いたのは竹中平蔵が「トリクルダウンはない」と断言したことだ。
「トリクルダウンを待っている方が悪い」とまで言った。
あらゆる経済政策を取って、国民が挑戦しなければならない、活躍しなければならないと言う。
今の経済界はさぼっている、中小企業も新たな成長分野にトライしていない、体質が古いと言う。
本当だろうか?
国民が臆病で怠けているから、経済成長できないのだろうか?

「朝ナマ」が終わってより引用)


もちろん以前BUZZAP!で報じたように、OECDはトリクルダウンは起こらなかったし、所得格差は経済成長を損なうとしており、この理論は破綻した幻想に過ぎません。竹中氏らはこれまでこの理論をタテに改革を進めてきており、今回「トリクルダウンはあり得ない」と発言したのはこれまでの自らの発言が嘘だったことを公に認めるもの。

さらに小林氏の指摘するように「トリクルダウンを待っている方が悪い」とするならば、これはデマを吹聴した上での完全な開き直りです。実際、竹中氏は巨大人材派遣会社のパソナグループの取締役会長を努めており、規制緩和によって自らが莫大な利益を得ています。そしてトリクルダウンを信じた国民が結果的に非正規雇用で貧困に喘ぎ、結婚や出産に踏み切れない状況を自己責任だとして切り捨てるのであれば、これは日本人に対する背任でしかありません。

トリクルダウンが起こらないことを安倍政権のブレーンが自ら明らかにしたわけですが、それでは国民は一体何のために「痛み」を強いられてきたのでしょうか……。

さらばアホノミクス 危機の真相
浜 矩子
毎日新聞出版

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