経産省「高レベル放射性廃棄物、陸上だと地権者とモメるから海底の地下で最終処分するのもありだよね!」

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Photo by Clint Lalonde

経済産業省は原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物を海底の地下に地層処分する可能性を示唆しました。

原子力発電所の使用済み核燃料から否応なく出される「核のごみ」こと高レベル放射性廃棄物。不用意に近づけば致命的に被曝し、無害化するまでには10万年というこれまでの人類史よりも遙かに長い月日を要します。

高レベル放射性廃棄物最終処理場は映画「10万年後の安全」で紹介され、小泉元首相も訪れたフィンランドのオンカロが有名ですが、日本ではいまだに建設予定地のめどすら立っていないのが現状です。

そのため原子力発電所はしばしば「トイレのないマンション」に例えられ、原発推進、反対どちらの立場を取るにせよ、絶対に目を逸らすことのできない最重要課題として厳然と聳え立っています。

そんな中、経済産業省の作業部会は日本の海岸線から約15kmいないの沿岸部の海底地下に高レベル放射性廃棄物を地層処分する方法について「技術的に実現可能性がある」とする報告書案をまとめました。

それによると、海底の地下は人への影響が少なく、土地利用の制限も小さいために処分場建設の選択肢のひとつとして位置づけられるとのこと。報告書案は沿岸部海底の300メートルより深い地点に最終処分場を建設することを想定し、「今ある技術で、設計・建設することは可能」としています。

海底を選ぶ理由としては、核燃料再処理工場を建設中の青森県六ヶ所村から最終処分場に核のごみを運ぶには、安全面から海上輸送が最適であり、最終処分場は港湾に近い沿岸部への設置が望ましいとの判断があります。

また、陸地への高レベル放射性廃棄物最終処分場では地権者との交渉が難航することは必至。これまでの例を見れば自治体や住民らからの強烈な反対の声が上がることも間違いありません。海底であれば土地利用に関する制約が小さいことも利点としてあげられています。

海底地下に処分場を設置する場合、現時点では廃棄物の海洋投棄を規制する国際条約に抵触しないよう、陸地に地上施設を建設し、海底までトンネルでつなぐ方式が想定されているとのことで、六ヶ所村から海上輸送された高レベル放射性廃棄物を港湾で下ろし、地上施設からトンネルを通って海底で地層処分を行うということになりそうです。

研究会の設置及び今後の進め方 資源エネルギー庁より引用)

繰り返しになりますが、この案に賛成するにせよ反対するにせよ高レベル放射性廃棄物最終処分場の建設は絶対に避けられません。どこにどのように作るべきか、リスクとメリットを考えながら決めてゆかなければならないでしょう。

核のごみ:「海底地下でも処分可能」経産省部会が報告書案 - 毎日新聞

「海底処分場」設置を模索=高レベル放射性廃棄物-経産省:時事ドットコム

(Photo by Clint Lalonde


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