まさに現代日本の奴隷制度、外国人技能実習生に122時間残業で初の過労死認定

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奴隷制と化している外国人への技能実習制度にようやくひとつのメスが入れられました。今後どれだけこの非人間的な制度は改善されるのでしょうか?詳細は以下から。

途上国に技術を伝える国際貢献との建前でこれまで行われてきた技能実習制度。しかし、以前BUZZAP!でも糾弾したように、実際は外国人を不法に低賃金かつ非人間的な待遇で強制的に働かせる、奴隷制度としか言いようのない実態が蔓延しています。

今回過労死と認定されたのは2011年に妻と娘ら家族を養うために来日したフィリピン人男性ジョーイ・トクナンさん。岐阜県の鋳造会社で鉄を切断したり金属を流し込む型に薬品を塗ったりする作業を担当していましたが、14年4月に帰国を3ヶ月後に控え、27歳で心疾患のため死亡しました。

岐阜労働基準監督署によると、1ヶ月に78時間半~122時間半の時間外労働をしていたとのこと。ただしこれは電通の新入社員の女性の件と同様に、あくまで労基署が確認できた範囲だということには注意が必要です。

労基署はこのケースに対して過労死の可能性が高いと判断。2015年に遺族に労災申請手続きの書類を送付しました。男性の妻が結婚の証明などを添えて申請し、今年の8月に労災認定されました。これによって一時金として300万円、毎年約200万円の遺族年金が支給されることになります。

過労死自体があってはならないことですが、国外で日本語も労災申請という手続きの存在自体も知らないままに泣き寝入りせざるを得ないケースが多々あり得る中で、労基署のこの動きは非常に際立っています。

ただし、これだけでは片手落ちであり、ジョーイ・トクナンさんを使い潰して過労死させた岐阜県の鋳造会社の名前も同時に公開されるべきでしょう。

2015年に技能実習生のを受け入れている5173の事業場で監督指導を実施したところ、2014年よりも718カ所増えて、71.4%にあたる3695事業場で労働基準関係法令違反が認められており、完全にこうした奴隷状態が常態化しています。

中には外国人技能実習生を法令を無視して奴隷として扱えると宣伝するあっせん業者も存在しており、労働環境が極めて劣悪であることはもちろん、外国人に対する深刻な人権侵害が多数発生しています。こうした状況を放置することは国際関係の視点からも極めて深刻な問題で、即刻実効性のある対処が求められます。

労基署が犠牲者の遺族に対して労災申請の手続きをアドバイスしたことの意義は大きいですが、外国人技能実習生を奴隷扱いする企業が存在し続けている以上、同様の悲劇が繰り返し起こる可能性は極めて高いと言わざるを得ません。

であれば、外国人技能実習生を用いる以上、全ての違反企業名を公開するといったリスクを企業側にも負わせる必要があります。産業保護のために外国人なら騙して奴隷にして使い捨ててもよい、という考え方が国際社会で通用するとはゆめゆめ考えてはならないでしょう。

外国人技能実習生、異例の過労死認定 残業122時間半:朝日新聞デジタル


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