福一処理費用の見積もりが2倍の21兆円に、賠償費用の増額2.4兆円分は「昔から原発の電力を使ってきた」から新電力利用者も負担へ

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Photo by Clint Lalonde

福島第一原発の処理費用は「これまで原発を使ってきた」という理由で新電力利用者含めた国民全員に払わせるとの事です。詳細は以下から。

世耕経産相が「全費用を含めても一番安い」と大見得を切ったはずの原発ですが、福一の処理費用が3年前の試算の2倍となる21兆5000億円にまで膨らんでいることが明らかになりました。

中でも2兆円とされてきた福島第一原発の廃炉に掛かる費用は4倍の8兆円にまで増加。これは原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業にかかる費用の6兆円を加えたものですが、人類史上初めての作業となり、確定値とは到底言えません。

また、除染費用も2兆5000億円から4兆2000億円に、除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設の整備費用も1兆1000億円から1兆6000億円に増加する見込みで、賠償費用についても5兆4000億円から7兆9000億円に膨らみます。

経産省の東電改革委員会は廃炉で増える6兆円は、東電の利益を電気代の値下げに回さずにその分を充てるとしましたが、賠償で増える2.5兆円のうち2.4兆円は「昔から原発の電力を使ってきた」という理由で、新電力を含めて電気料金に上乗せします。

この「昔から原発の電力を使ってきた」という理由は極めて理不尽なもので、2016年度までは日本の一般家庭には電力の選択権は存在していませんでした。東京電力を始めとした各電力会社は地域独占の形態となっており、日本に住んでいる以上それぞれの電力会社から電力を買う以外の選択肢が存在しておらず、「原発の電力を使わない」という選択肢が法的に認められたのは今年の4月からのこと。

しかも国と電力会社は原発を安全な未来のエネルギーとして盛んに喧伝してきた上に、自らその安全神話の上にあぐらをかき、安全対策を十分に行ってきませんでした。福島第一原発事故以降ですらその体質は変わらず、東北電力や九州電力は免震棟の建設をキャンセルしています。

福島第一原発事故の処理費用を、しかも賠償費用について国民に選択肢のない原発の電力を使ってきたという理由で2.4兆円も負担させるというのは極めて無理筋。

しかも世耕経産相は福島第一原発事故の処理費用が膨らんでいる事に対して「色んな費用を全部、含めたとしても発電単位あたりのコストは原発が一番、安いと考えている」と明言しているわけです。

他のどの発電方法で事故処理に21兆円もの費用が掛かり、2.4兆円もの負担を全国民に強いることがあったでしょうか?これだけの莫大なコストを見てもまだ他の発電方法の方が高いと言えるのでしょうか?安いのであればぜひとも国民に迷惑を掛けず、東京電力のみで処理費用を負担願いたいところ。

国民に払ってもらいたいのであれば、まずは原発に莫大なコストが掛かることを認め、謝罪するのが先です。その上で本当に安価で安全な発電方法は何なのか、建設的な議論をするべきでしょう。

世耕大臣「原発コスト安い」強調…廃炉費用増加でも

原発事故処理費用「21.5兆円」に倍増 国民の負担は

除染や中間貯蔵施設の整備費 6兆円近くに 政府が試算見直し _ NHKニュース

(Photo by Clint Lalonde


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