世界に誇る国際観光都市だったはずの京都で信じられないヘイトスピーチが投げかけられています。詳細は以下から。
かつては2年連続で「世界一魅力的な都市」にも輝いたことのある日本の誇る国際観光都市の京都で目を背けたくなるような韓国人へのヘイトスピーチが行われていました。
この事件が起こったのは外国人も大勢訪れる京都一の繁華街、木屋町にある夜間営業で有名なラーメン屋「夜ノラーメン太陽」でのこと(動画0:03に看板が映ります)。
韓国人俳優が日本を旅行しながら各地で生配信をしている中で京都を訪問。夜の木屋町を散策する中で「夜ノラーメン太陽」に辿り着きました。
そこで俳優が日本語で「居酒屋ですか?」と聞くと、客と思われる男性が「ファッキン・コリアン!」と叫び、店内からは下卑た爆笑が響き渡ります。その後同じ男性が戸口まで出てきて「ファッキン・コリアンやねん ゴーアウト!」と再び叫びます。
極めて胸糞の悪い動画なので閲覧は要注意です。
일본 여행 방송중 혐한 일본인 - YouTube
京都では以前も差別主義者団体、在特会による朝鮮学校襲撃事件という極めて悪質なヘイトクライムが発生してしまった(在特会は最高裁で敗訴)という、世界中から多種多様な観光客が訪れる国際観光都市としては極めて不名誉な歴史があります。
その後京都府は「ヘイトスピーチは、社会に差別を広げ、人の尊厳を破壊し、ときには心身を害するほどの言葉の暴力です」として「ヘイトスピーチと人権」(pdf)という冊子を作成し、ヘイトスピーチ加害者への法的対応支援のためのヘイトスピーチ相談窓口を設置しています。
ヘイトスピーチと人権 - 京都人権ナビ
ヘイトスピーチ相談窓口を設置 京都府が法的対応支援:日本経済新聞
京都市の対応は府ほどは進んでいませんが、「京都市人権文化推進計画」において,「民族や国籍による差別を許さないまちづくり」を目指すとしています。
京都市:京都市の街中でヘイトスピーチを見かけましたが,規制できないのでしょうか。
そもそも論として今回のヘイトスピーチは2016年5月に成立したヘイトスピーチ対策法に完全に違反しています。「ファッキン・コリアンやねん ゴーアウト!」は「典型的なヘイトスピーチ」の著しく侮蔑する言動と地域社会からの排除を扇動する言動に完全に該当します。
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大阪の市場ずしなんば店の「わさびテロ」も極めて悪質でしたが、今回は面と向かってヘイトスピーチで怒鳴りつけている以上、一切擁護できない最低最悪のヘイトスピーチと言うしかありません。
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店員が言ったわけでないから店としてはセーフという擁護論もありそうですが、これも完全にアウト。自分の店の客が他の客に対して暴言を吐いて追い払おうとした際に店員が対応しなかった以上、その店は暴言を容認したことになります。
今回は韓国人俳優でしたが、これが「客が身体障害者の客に対して差別的な暴言を吐いて店から追い払い、店側はなんら対応しなかった」場合に果たして容認できるかを考えてみれば、到底あり得ないことが一瞬で分かります。
東京五輪・パラリンピックに向けて外国人観光客の増加を狙って「オモテナシ」や「インバウンド」を高らかに叫ぶのであれば、まずはこうしたヘイトスピーチの徹底的な根絶が必要なのではないでしょうか?特に京都市、京都府には誠実な対応が求められます。
【5月10日12:15追記】
問題が炎上した後、多くの通報が京都市などに寄せられたこともあり、夜ノラーメン太陽は当分の休業を宣言。その後店主アカウントが以下のように差別思想を認めない旨、その場で直接謝罪すべきであった旨、そして差別発言を行った客は営業再開後も出禁にすると明言しました。
当店は、人種・国籍などによる差別的思想を全く認めておりません。
— 夜ノラーメン太陽 店主 (@taiyou_kyoto) 2017年5月2日
今後、二度とこのような事が起こらないよう心掛けていく所存です
一番の被害者は入店しようとしていたお客様であります。そのお客様に対して、あの場で店側が直接謝罪すべきでした。店側としてとるべき行動があったと今更ですが思っております。ここに訂正し再度お詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした
— 夜ノラーメン太陽 店主 (@taiyou_kyoto) 2017年5月3日
なお、差別発言のお客様はすでにこちらから連絡を取り、今後、店を再開した際にも一切の入店をお断りする旨を伝えさせて頂きました。
— 夜ノラーメン太陽 店主 (@taiyou_kyoto) 2017年5月9日
また、ネット、SNS等で発言者であるとして全く無関係の方の実名や写真が掲載されています。
今回の件に全く関わりのない方です。
国際観光都市の京都でこのようなヘイトスピーチが発生すれば、それは単にその店だけの問題に留まらず、京都全体の評判を地に落とすことに直結します。店が差別を行わないのは当然の大前提として、店内でヘイトスピーチを発生させず、起こった場合はすぐに謝罪を含めた対処を行う心構えが必須事項だと認識されるべきではないでしょうか。
どのみち、今後二度とこうした事件が繰り返されないことを切に願います。
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