PKO日報隠蔽了承と虚偽答弁で窮地に立つ稲田防衛相の過去のトンデモ発言を振り返ってみた

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もう既に何度罷免されていてもおかしくない所業の稲田防衛相。今回は致命傷との声も聞こえてきますが、これまでのトンデモな発言や行動を振り返っておきましょう。詳細は以下から。

7月19日、稲田朋美防衛大臣が南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、2月に行われた防衛相最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とする方針を幹部から伝えられて了承していたことが複数の政府関係者によって曝露されました。

これによって防衛省と自衛隊による日報の組織的隠蔽に稲田防衛相が荷担したことになりました。さらに稲田防衛相はその後の国会でも保管の事実を「報告はされなかった」とした上で「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁しており、国会という国権の最高機関で明確な虚偽答弁をしたことになります。

この時点でこれまでの政権であれば辞任確定なわけですが、稲田防衛相は安倍首相の秘蔵っ子ということもあり、これまでも辞任確定クラスの失言や不祥事も力強く乗り越えてこれまでその地位を保ってきました。

いったいどんな失言や不祥事があったのか、まとめて振り返ってみましょう。

都議選応援演説「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」発言
記憶に新しいのが先日の都議選での応援演説で飛び出したこの発言。自民党候補を応援するに当たって

ぜひですね、2期目の当選本当に大変ですからお願いしたいと、このように防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたいと、このように思っているところでございます。


と言っています。これは憲法第15条2項、自衛隊法第61条、さらには公職選挙法第136条の2の違反が指摘される数え役満的な問題発言。当然ながら発言撤回に追い込まれましたが

近くに練馬駐屯地もございますので、大変応援をいただいていることに感謝をしておりますという趣旨で演説を行ったわけでありますが、その中で誤解を招きかねない発言があったことに関しまして、撤回をいたしたい。


と発言。これでは自衛隊が自民党を応援してくれているから自衛隊の意見を代弁したという事になり、取り返しのつかない燃料を追加投入した形になっています。

この発言は野党のみならず、石破防衛大臣や自衛隊幹部からも批判の声が上がっています。また、弁護士でありながら法知識がまったく抜け落ちているという無能ぶりを全国に知れ渡らせる事になりました。

当然ながら安倍首相の「こんな人たち」発言や豊田真由子議員の「このハゲーーーーーッ!!」発言と共に」都知事選での自民党の歴史的敗退の大きな要因のひとつと考えられています。

「『戦闘行為』って言うと憲法9条違反だから『武力衝突』と表現した」問題
今回の南スーダンPKO日報隠蔽問題とも関連する発言です。存在発覚後に公開された日報には「10、11日も戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘がUNハウス・(陸自部隊が駐屯する)UNトンピン周辺で確認される等、緊張は継続」「宿営地周辺での射撃事案に伴う流れ弾への巻き込まれ、ジュバ市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要」などと戦闘が行われていた事実が記されていました。

しかし稲田防衛相は「武器を使って人を殺傷したり、物を壊したりする行為はあった」としながらも、「国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為とは評価できず、PKO参加5原則は守られていた」などと国会で答弁しています。

戦車や迫撃砲を用いた武力衝突が戦闘ではないという明らかな詭弁を弄しているだけでなく、その理由を「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と述べています。

これは撤退を「転進」、全滅を「玉砕」、自爆を「特攻」と言い換えた大日本帝国時代の大本営発表とまったく変わらないダブルスピークであり、憲法違反になる状況を誤魔化すための小手先三寸の浅知恵でしかありません。

当然ながら南スーダンには日本の陸上自衛隊が実際に駐屯しており、彼らの命の掛かった事案であることは誰もが認めるとおり。決して言葉遊びで切り盛りしていい話ではありません。

森友学園問題で虚偽答弁も「記憶に基づいただけで虚偽答弁じゃない」
森友学園問題が絶賛大炎上中だった2017年3月に稲田防衛相は国会で「森友学園側の顧問弁護士だった事実はない」と断言しましたが、その後籠池理事長(当時)が稲田防衛相と旧知の仲であったこと、国会議員前の弁護士時代、稲田防衛相が夫と共に森友学園の顧問弁護士であったことを証言。

さらに稲田朋美弁護士が夫と共に森友学園の訴訟代理人を努めている書面がアップされ、2004年12月、森友学園が起こした民事訴訟の第1回口頭弁論に、原告側代理人弁護士として出廷したことを示す大阪地裁作成の記録の存在も判明しました。

ここまで追い詰められても稲田防衛相は「夫の都合がつかずに代わりに出廷したことがあるのではないかと、私は今、推測はしている」と他人事のように推測。

さらに「私は全く自分の記憶に基づいて、今まで顧問弁護士をやったことも法律相談をしたこともない。また、昨日いきなり示された事件についても、全く記憶が無かったものだったので、そのように答弁した」と推測で国会答弁を行ったことを自ら明らかにしています。

さらには「私は本当に、自分の記憶に基づいて答弁をしている。従って、私の記憶に基づいた答弁であって、虚偽の答弁をしたという認識はない」とまで述べています。曖昧な記憶からの推測で国会答弁をしてしまう人物に防衛大臣の資質があるのか、極めて大きな疑問符が付けられた事案でした。

「教育勅語の核の部分を取り戻す」発言
同じく森友学園問題に関してですが、福島みずほ議員の質問に答えて「日本は道義国家を目指すべきである。そして(教育勅語の)核の部分は取り戻すべきだと考えている」と発言。

教育勅語は有事に個人の命や権利を捨てて天皇のため、国家のために捧げる事を求める事を求める内容であり、「天皇が臣民に対して下賜した勅使」という形式も象徴天皇制を採用し、国民主権である現代日本には全くそぐわない代物です。

そして第二次世界大戦後に憲法違反であると決議された教育勅語の復活を目論む事は憲法99条の憲法尊重擁護義務違反であり、この時点で稲田防衛相に政治家たる資質がないことは言うまでもありません。

なお、教育勅語の復活自体に対する批判は以前の記事で詳細に行ってますので、そちらをご覧下さい。

「財源のない子ども手当をつくるなら軍事費を増やすべき」発言
稲田防衛相は2011年3月の雑誌「正論」での対談の中で、

今、防衛費は約4兆6800億円、22年度予算でGDPの1%以下です。民主党が21年衆院選で約束した子ども手当の満額にかかる約5兆5000億よりも少ない。この子ども手当分を防衛費にそっくり回せば、軍事費の国際水準に近づきます。自分の国を自分で守ることを選ぶのか、子供手当を選ぶのかという、国民にわかりやすい議論をすべきでしょうね。


と発言。この発言の理由を国会で「私は財源のない子供手当を付けるぐらいであれば、軍事費を増やすべきではないかということを申し上げた訳であります」と回答しています。

昨日報じたように第2次安倍政権誕生後、防衛費は4年連続で5兆円を超えて2018年度には過去最高となる見込みです。まさに稲田防衛相の臨んだとおりに推移していますが、さらには稲田防衛相が夫名義で2014年9月以降に取得した株式のうち5銘柄が防衛省との契約金額上位20社に含まれる川崎重工、三菱重工、IHI、三菱電機、日立製作所という「防衛関連株」であったことも発覚。

防衛費が増額されれば稲田防衛相の持つ「防衛関連株」の株価が上がることは容易に想像できます。まさに私利私欲と批判されても致し方ない状況があることは忘れてはなりません。

「尊属殺人罪を復活すべき」と主張
教育勅語の復活とも繋がる話ですが、稲田防衛相は尊属殺人罪の復活も主張しています。ケイアンドケイプレス「月刊日本」2008年3月号において

家族を特別視しない価値観が蔓延すれば、地域共同体、ひいては国家というものも軽んじるようになってしまいます。帰属意識というものが欠如して、バラバラの、自分勝手な個人だけが存在するようになるでしょう


と主張しており、極めて戦前回帰的な家父長制を至上の価値観とする主張と言わざるを得ません。この尊属殺人罪がどのような経緯を経て廃止されたのかを考えれば全く荒唐無稽であり、弁護士という資格を持ちながら法の歴史への無理解と無頓着は唖然とせざるを得ません。

◆「国民の生活が大事なんて政治は間違っている」発言

ネットで出回っている「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違っていると思います」「世界中で日本だけが道義大国を目指す資格があるんです」発言。一部だけを切り取っているとの批判もありますが、保守系ニュースチャンネル「チャンネル桜」のディレクターズカット版があるのでこちらを参照のこと。当該発言は14:17からですが、従軍慰安婦否定論など極めて香ばしい内容となっているため閲覧注意です。

【稲田朋美】4.16 道義大国を目指す会[桜H24_4_17] - YouTube


おまけ:突き刺さる巨大ブーメラン「素人を防衛大臣にしないでほしい」
もはや完全にギャグでしかありませんが、第179回国会予算委員会で野党時代の稲田議員が当時の一川防衛大臣を政治とカネの問題で糾弾しています。

詳細はこちらの記事からご覧下さい。記事が掲載された7月7日よりもさらに味わい深く稲田防衛相の放ったブーメランを鑑賞できることかと思います。

いったい稲田防衛相がなぜ未だに防衛相という地位にあるのか不思議でたまらなくなる状況ですが、果たして安倍首相は内閣改造まで続投させるつもりなのでしょうか?ここまでやっても更迭しないのであれば、それ自体がさらに政権と首相の信頼度を損なわせ、一層の支持率低下を招く可能性もあり得ます。

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