日本の自動車業界「非正規を正社員にすると負担増だから法の抜け穴を全力で利用するよ!」

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従業員も消費者だという基本のキが理解できていないようです。詳細は以下から。

増え続ける非正規雇用は単に低賃金、低待遇であるだけでなく、有期雇用である事から将来の安定した収入が見込めず、結婚や出産といった人生の大きなイベントや家や自動車などのローンでの購入が難しくなることは改めて説明するまでもありません。

2013年4月に施行された改正労働契約法に盛り込まれた「無期転換ルール」は有期契約が通算5年を超えた労働者が、希望すれば定年まで働ける無期契約へ転換できるようになるという制度。

2018年4月が施行から5年となり無期転換が始まるはずでしたが、自動車業界の多くが「6ヶ月以上の無契約期間があれば無期転換しなくてもよい」という法の抜け穴を使ってあくまで非正規雇用で従業員を使い潰そうと考えていることが明らかにされています。

厚生労働省の調査では自動車大手10社のうちなんと7社までもがこの抜け穴を使い、契約更新の際に6カ月以上の無契約期間を設けて無期転換を回避していました。

厚労省労働関係法課は「直ちに法律違反ではない」としていますが、日本を代表する産業である自動車業界の大手の7割が目先の負担増を避けるために極めて卑劣な手段を行使しているという恥ずべき事実は看過されるべきものではありません。

従業員は単なる使い捨てのコマではなく、同時に重要な消費者のひとりでもあります。消費者の可処分所得が低く、将来的な安定が見込めない状況では消費増は見込めません。当然ながら新車を購入するという大きな買い物に踏み切る人数が減少することは火を見るよりも明らかです。

Photo by Katy Ereira

つまり自動車業界がやっていることは一時的な負担増に怯えて潜在的な顧客を自らせっせと減らすというまさに逆効果そのもの。自社の社員は時に最も優良な顧客になり得る存在のはずですが、自ら機会損失を招く愚かさに気付けないのでしょうか?

もちろんこうした例は自動車業界だけに限らず、多くの企業では単純に雇い止めをおこなったり有期と同様の条件で無期契約に切り替えるだけの事例が多いと見られています。雇い止めでは技能を持った従業員を手放さねばならず、同条件で無期転換としても低賃金・低待遇のままでは消費者としての成長が見込めません。

新たに勤務時間や地域を区切った「限定正社員」を設けたり、正社員に登用したりするなど、無期転換を契機に正社員と非正規社員の格差是正に取り組む動きも出ていますが、これらは現時点ではいわゆるホワイト企業の限定的な取り組みに過ぎません。

日本人に消費をしてもらいたいのであれば、消費するための金と時間を与えることが最優先事項ですが、いつになったら日本社会はそこに気づき、実行に移せるのでしょうか?

雇用契約の無期転換、4月実施=自動車に回避の動きも:時事ドットコム

(Photo by spencer cooper, Katy Ereira


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